主人公を彼等にしました。
チーム・コカビエルの始まり
負けた俺に出来る事は、ただ
何度折られようが、何度叩き潰されようが、何度負けようが俺はその都度這い上がり挑戦する。
そうする事でしか俺は自分を表現する事は出来ない。
そうする事でしか俺は生きている実感を持てない。
だから俺は全てを敵に回そうとも、誰よりも強くなる。
何時かリベンジし、勝利をするまで俺は――俺は!
「……」
その日の男は少しだけ調子が悪かった。
「チッ……最悪な夢だった」
眠っている自分の中に突如現れた女の相手をさせられたせいで、目覚めが最悪だった男は重く感じる身体を起こしながら小さく毒づくと、そのままベッドから降りて浴室に入り身体を洗い流す。
「…………」
ノズルから降り注ぐ湯を頭に被る事で心身の意識を完全に覚醒させる事が毎日の日課であり、今日も男は強くなる為の特訓に精を出そうと食事を怠る事なく摂り、さていよいよ特訓に出掛けようとした男はふと思い出す。
「あ、そういえばアイツが連れてくる日だったな」
自分と現在行動を共にしているとある少年が、とある事情でとある者達を連れてくる日だという事を思い出した男は、修行に行くのを取り止め、取り敢えず今その者達と接触中の少年からの連絡を待つことにするのだった。
とある町外れの教会。
無人となっている筈の、普段は人が寄り付かないこの場所では、只今修羅場となっていた。
「さて、消えて貰うわよ堕天使さん」
紅髪の美少女が、追い詰められた形相をしている黒髪の女に対し、殺気の籠った冷たい口調を向けている。
理由は堕天使と呼ばれた黒髪の女が、悪魔――つまり紅髪の美少女の管理するこの街で『やらかして』しまったのであり、既に黒髪の堕天使が持つ仲間や戦力は全て紅髪の悪魔により殲滅させられており、黒髪の堕天使自身も力に覚醒した転生悪魔の少年に殴り飛ばされ、打つ手を失っていた。
「勿論、アナタが彼女から無理矢理抜き取った神器も回収するわ」
「なっ!? そんな、この力はアザゼル様とシェムハザ様の為に――」
「愛のために生きるのも良いわね。しかし、アナタのやり方は実にエレガントじゃない。
私、そういうの嫌いなのよ」
「うぅ……!」
因果応報。
己のやってきた事が全て代償となって返ってきた。
グレモリーの一族である紅髪の悪魔の手に溜め込まれた魔力を前にもはや逃げる事すら叶わないと悟った堕天使・レイナーレは―――
「へーい、待とうぜ悪魔共。
俺を忘れて貰っちゃこまるんだよねー!」
教会の天井を突き破り、まさに隕石の様なスピードで降ってきた男により……別の道を歩む事になるとはこの時思わなかった。
「っ!? お前、フリード!? に、逃げたんじゃねーのかよ!」
隕石の様に落ち、砂煙が晴れたその場所に立つは白髪の少年。
名をフリード・セルゼン……悪魔達にしてみれば天敵と呼べる悪魔祓いのはぐれ。
先程の戦闘で、只今驚いた表情をする赤龍帝の籠手なる神器を覚醒させた少年により負けた筈だというのに、只一人戻ってきた事に悪魔達は驚いた。
「フ、フリード!」
「あらら天使様――っと、違うね、堕天使様よ。
随分と絶望しちゃってる感じじゃん?」
自分の雇ったはぐれ悪魔祓いの面子の中に生き残りが居たことに驚くレイナーレにフリードはニタニタしながら茶化すが、殺気を帯びた悪魔達を前にほんの少しだけ顔つきを変えながら声もふざけたものから変質させる。
「っとと、お怒りってとこかい悪魔共?」
「たった一人でノコノコと戻ってくるなんて正気の沙汰じゃないわね。
どきなさい……アナタのこの子を殺した仲間として消し飛ばすわよ?」
レイナーレの仲間がまだ居た事には驚いた。
しかしそれでもたかが人間の悪魔祓い一人だけでしかなく、リアス達が有利な状況には変わり無い。
故にリアスは『最終通告』を殺気を放ちながら告げるが……。
「ひゅう、言ってくれるねクソ悪魔。
何々? 邪魔するなら俺っちをぶち殺す? はっはっはっっ!」
しかしフリードはヘラヘラと笑いながら消えようとはしなかった。
力に覚醒したばかりの赤龍帝――兵藤一誠にすら負けた奴にしたは何処かおかしいと感じたリアスと一誠だったが――
「笑わせるなよ、温室育ち共が」
「「「「っ!?!?」」」」
ヘラヘラしていた表情と声を一気に引っ込め、本当にフリードなのかと疑いたくなる程の強烈な殺気をオーラの様にリアス達へと向けたフリードに目を見開く。
「な、な、ふ、震えが止まらないっ……!?」
「あ、アナタ、何者なの?」
目の前のはぐれ悪魔祓いでしかない……筈だった少年の放つ極悪なプレッシャーにリアス達は認識を変えざるを得なくなり、イッセーに至っては戦った筈のフリードから放たれる殺意に震えが止まらなくなっていた。
「何者……くく、何者だって良いだろクソ悪魔。
俺の目的はそこでテメー等と同じくギョッとしてる堕天使の回収なんだからよ」
「な、なんですって!? 一体アナタ誰の命令で――」
「アンタの知る者だよ。
なぁに、心配せんでもミッテルト、カラワーナ、ドーナシークってのも回収してあるから死んじゃいねぇ」
「なっ!?」
レイナーレに背を向けたままニタァと嗤うフリードの言葉にレイナーレもリアス達も驚きの表情となる。
特にリアス・グレモリーと、彼女の右腕である女王の姫島朱乃はそんな馬鹿なとフリードに対し声を荒げる。
「嘘言いなさい。
その名前の堕天使の内の二人は私の下僕を馬鹿にしたから私と朱乃で消し飛ばした筈!」
確かに自分の手で消したと豪語し、馬鹿にされた本人であるイッセーも目の前で見ていたので続く様に震えながらも頷くも、フリードはそれを馬鹿にした顔をして返した。
「じゃあそう思ってれば良いだろ。
別にテメー等に信じてもらわんでも俺は困らんし?」
「このっ……!」
何処までもおちょくる様な言い方にカチンと来たリアス達が睨む。
「退きなさい! アナタごと消し飛ばすわよ!」
右手に溜め込んだ魔力をフリードに向かって翳しながら今にも本気で撃とうと声を荒げたリアスだが、フリードはおちょくるように怖い怖いとだけ呟くと――
「じゃあ、少しだけかの有名なルシファーの妹さんそのお仲間達にお手合わせ願おうか……けけけけ!」
右手を天に掲げ、詩の様な言葉を口にした。
―英雄よ目覚めろ―
―大帝よ奮起しろ―
―我の声に耳を傾け、目の前に立ちはだかる敵を斬り伏せろ―
「「っ!?」」
何かの詠唱に聞こえる言葉と共に、フリードの頭上の空間が歪み始め、悪魔達は途端に歪んだ空間から放たれる威圧に『生理的恐怖』を抱く。
「シャルルマーニュの御名の下に、我にその力を貸せ――」
歪んだ空間から輝きを放つ一本の剣が姿を現し、フリードの手に収まる。
その輝きは何の淀みも無く、寧ろ美しさすら放っており、レイナーレは思わずその剣に見惚れてしまい、リアス達悪魔はその輝きに更なる本能的危機を感じる。
「せ、聖剣……!?」
その中で金髪の悪魔の少年がフリードの手に収まるは剣を見てそんな馬鹿なと狼狽えていた。
「まあ、素手でも良いんだけどさぁ? 『騎士』たるもの剣技は疎かにしちゃいかんだろ? だから出させて貰ったぜ、この――」
柄頭に聖槍が埋め込まれた聖なる剣。
その名も……。
「ジョワユーズをよぉぉ!」
ジョワユーズ。
伝説上、聖剣デュランダルと同じ材質で作られた伝説の一振りをフリードはその手に召喚した。
「せ、聖剣ですって!?」
この受け入れがたい現実にリアス達は狼狽えており、まだそこら辺の知識が分かってないイッセーですら分かってないなりに、フリードの右手な収まる剣を見て理解する。
「ぶ、部長……あ、あの剣……や、やばいですよね?」
本能的な恐怖を。
そして……フリードの真の力を。
「へ、心配せんでも『鎧』なんて使わねぇよ……って、意味知らねーか?」
「鎧……?」
破壊された教会の天井から射し込まれる月明かりに照らされたジョワユーズが鈍い光を放つのを一気に警戒レベルを最大に上げたリアス達にフリードは小さく呟いたのを聞き逃せない。
「うぉぉぉぉっ!!!」
「や、やめなさい祐斗!!!」
ジョワユーズを目にした金髪の騎士の位を持つ悪魔が憎悪の形相で突っ込んできたのをフリードは嗤いながら迎え撃とうとするのを……レイナーレは目を逸らせない。
「へぇ魔剣使いか。
けけ、それにこれを見て殺意マックスって所を見るとオメーはアレか? あのクソ計画の生き残りか?」
「それがどうしたぁぁぁっ!!!」
転生悪魔が放つ怒濤の攻撃を全て真正面から斬り伏せる姿にレイナーレは疑問だった。
「だが真実を知らない。
ま、悪魔に堕ちたテメーには一生教えねぇがな……後輩くん?」
「な、なに? それはどういう――がっ!?」
「木場ぁぁぁっ!! テメーフリードォォォオ!!」
「あん? 何だ赤龍帝くんか。
はっはっはっはっ、わざと負けてやった勝利はいい気分だった……かい!」
「ぎゃあぁぁぁっ!!!?」
「イッセェェ!!」
何者なのだ……コイツはと。
グレモリー本人とその手先を全員相手に踊るような剣技で蹂躙するフリード・セルゼンの正体が分からないレイナーレは、ただただ疑問に思うのだった。
「白夜の称号を嘗めんなクソ悪魔共が! ヒャハハハハハ!!」
結局悪魔達を殺さずに撃退したフリードは、逃げるように消えたグレモリー達を嘲笑って見送ると、持っていたジョワユーズを仕舞い、唖然としていたレイナーレへと振り向き、先程の狂気が嘘の様に冷静な顔つきで口を開く。
「さて、アンタにはウチのボスと会って貰うぜ? まあ、会うだけでその後の道はアンタ等次第だがな」
「ま、待って。アナタの言うボスというのもそうだけど、ミッテルトとカラワーナとドーナシークは……」
「だから無事だっつーの。
今は教会の外で隠れてもらってるがな。
にしても、あの悪魔共はアーシア・アルジェントを回収しちまったが……アンタが引き抜いた神器も回収されてるな?」
「え、えぇ……まあ」
計画は全て壊れた。
しかし自分の同族が生きていると知ったレイナーレは微妙な気分のまま、この正体不明のジョワユーズ使いのはぐれ悪魔祓いに大人しく付いていく事しか出来ず、渋々ついていくと……。
「レイナーレ!」
「ミッテルト! カラワーナ! ドーナシーク!」
「良かった、生きてたんすね!」
「え、えぇ……このフリードに助けられて……」
「私も驚いたわ。けど、これから何処に連れていかれるのやら……」
「感動の再会は終わったな? じゃあこっちだぜ」
本当に仲間が生きており、再会の喜び冷めやらぬ最中フリードに揃って付いていくと、着いたのはお世辞にも綺麗とは言い難い古ぼけたアパートだった。
「一体何処に連れていくつもりよ?」
「此処にボスが居るんだよ。会えばわかるぜ」
「ボス……誰なのだろうか……」
4人の警戒した表情を気にせず、古ぼけたアパートの階段を上がり、正面から見て調度真ん中の二階部屋の扉の前まで来ると、4人は鼻をヒクヒクとさせる。
「甘い匂い……?」
それは甘いお菓子の様な匂いが扉の隣にあった小窓の隙間から感じ、その瞬間4人は朝から何も食べていない事を思い出してお腹をぐーぐーと鳴らしてしまう。
しかし――
「ボス~ ルフェイたーん、今帰ったぜ~」
「フリード様!! お帰りなさいませ!!」
「おう、遅かったな。サーゼクスの妹は強かったのか?」
「いーやー? 話にならねーわ。
あ、それよりも連れてきたぜ」
『………』
扉が開けられ、お世辞にも広いとは言えない部屋の中に居た一人の少女――は、良いとして、もう一人の男の姿を見て4人は硬直してしまった。
「お、来たなお前等。
何と言うか……随分と間抜けな事をしたらしいな?」
見るだけで他を圧倒する覇気と悪人顔は、パンダの刺繍が施されたフリッフリのエプロンを装備してるせいでシュールに思えたが、四人は間違いなく見間違える事は無かった。
「人間を殺して神器を抜き取ればアザゼルとシェムハザが喜ぶとは俺は思えないのだが、お前達はアイツ等の性格を知らんのか?」
ホットケーキをフライパンを使って器用に空中でひっくり返してる姿も物凄くシュールだったけど、やっぱり見間違える事は無かった。
「まあ良い……取り敢えず助かった命は大事にするんだな」
かつて三大戦争にて多大なる戦果を挙げた堕天使。
アザゼル、シェムハザと名を連ねる堕天使の一人にて、アザゼルがトップに組織された
現在はその行方が下級の堕天使の間では分からなくなっており、堕天使の中でも爪弾き者と見なされていた堕天使の枠を超越せし存在。
『コ、コカビエル様!?』
最強の堕天使・コカビエルという予想外の存在を前に、下級堕天使のレイナーレ達は慌てて玄関先にも拘わらず膝まづいた。
「な、何故あなた様がこんな場所に!?」
「ん、あぁ……アザゼルの組織から抜けたからだな。
お前達も一応知ってるだろ?」
「そ、それは……もう……はいっす……」
アザゼルやシェムハザ並みの大物を前にすっかり萎縮してしまった四人にコカビエルは既に中に入ってシャワーを浴び終えていたフリードとアーシアとは毛色の違う金髪の少女にホットケーキを振る舞いながら淡々と自分がこの場所に居る理由を話す訳だが、四人は気が気じゃ無かった。
何せ蓋を開けたらまさかの……堕天使の中で最も恐れられているコカビエルでしたなんて……堕天使の中でも所詮下っぱでしか無いレイナーレ達からすればまさに雲の上存在なのだ。
が……。
「まあ、そんな所で膝なんか付かんで中に入れ。
丁度ホットケーキが焼けたんだ。お前達にも食わせてやる」
『へ?』
直接会ってみると……噂に聞いていたのとは随分違う事に四人は間抜けな声を出しつつも言われた通り中に入り、先に並んで長テーブルの前に座ってホットケーキにバターと蜂蜜を掛けて待っていたフリードとルフェイなる少女の反対側に正座して座る。
「あ、あのコカビエル様……我々は」
「何だ、ホットケーキ嫌いなのか?」
「い、いえいえいえ! 寧ろ大好きッス――むが!?」
「ば、バカ! コカビエル様に何て口の聞き方をするんだミッテルト! も、申し訳ございませんコカビエルさま!」
「いや、別に良いぞ口調なんて何でも」
「で、ですが……!」
「別に取って食うなんて真似はせんよ。
そら、ホットケーキだ」
カチンコチンに固まる四人の前にコカビエル作のホットケーキが乗せられた皿が置かれる。
「最近嵌まっててな。
焼き方を間違えると中身がベチョベチョになったりと大変だが、コツさえ掴めば簡単だったぞ。そら、食べてみろ」
「は、はぁ……で、では……」
何だ……何なんだこの状況? ジョワユーズ使いに助けられたと思ったらコカビエルが出てきて、加えてホットケーキ振る舞われてるって意味が分からない。
とレイナーレもミッテルトもカラワーナもドーナシークも内心整理が追い付かない状況のまま、何故かジーッと自分達が食べようとしてるのをコカビエルに見られてる中、取り敢えず一口フォークで切りつつ口に運んでみる……。
「あ、おいしい……」
「ほ、ほんとッスね」
「う、うむ……これは確かに美味い」
「お腹すいてたから物足りないとすら思えるわね……」
結果、普通に美味しく、思わずといった感じで呟いた四人にコカビエルは……。
「おお、そうか!! 美味いか……はっはっはっはっ!」
悪人顔を嬉しそうに緩めていた。
「やったぞフリードとルフェイ!
最初の丸焦げから信じられん進歩を果たせたぞ俺は!」
「ボスに不可能はねぇぜって事だぜ」
「おめでとうございますコカビエル様!」
「次はクッキーに挑戦してやろうかな、あっはっはっはっ!」
それがまたシュールで、四人は何とも言えない顔をしたのは言うまでもなかった。
強さを模索する孤高の超戦者・コカビエル
種族・堕天使
趣味・フリードとルフェイ――そして保護したフリードと同世代のとある『子供達』に振る舞う菓子作り。
備考・強すぎるが故に殆ど理解されない神・超越者。
白夜の称号に覚醒せしジョワユーズ使い――フリード・セルゼン。
種族・人間
趣味・自分達を拾ってくれたコカビエルの右腕に相応しき強さになる修行。
備考……傲り無く強さを模索する白夜騎士。
白夜に惹かれし旅人……ルフェイ・ペンドラゴン
種族・人間
趣味・フリードの足手まといにならない為にサポート特化の修行(某魔戒法師的な意味合い)
備考・・少なくともあんなキャラしてるフリードに惹かれてるという強者。
「アザゼルとシェムハザのもとに戻っても消されるだろうよ。
何せお前達は人間を殺したんだから」
「っ!?」
「ま、ほとぼりが冷めるまで此処に居ろ。
ついでに他人の神器に頼らずとも強くなれる方法をお前達に叩き込んでやる」
覚醒せしチームに拾われし堕天使……レイナーレ・ミッテルト・カラワーナ・ドーナシーク
種族・堕天使
備考……コカビエルの素の人柄に触れることで覚醒する可能性を手にした運良き堕天使。
そして――
暫く後。
「あ、あのコカビエル様……今日も修行にお付きあいを!」
「おう良いぞ。
ふむ、レイナーレは四人の中で一番の見込みが早くて期待が持てるぞ」
「は、はい! コカビエル様にお褒めいただき嬉しいです! ……………ふふふ♪」
とある超越天使と一人修羅場る可能性……大。
終わり。
補足
コカビー、フリード、ルフェイたん、そして………以外を概ね原作寄りにしてます。
つまりイッセーはイッセーです。
その2
まあ、コカビーに宛てられて至高の堕天使の目指す先がチェンジ&ほにゃららになったレイナーレさん。
しかしコカビーを狙うのは居るのです。そう……
「へぇ、コカビエルったら随分モテモテじゃない」
「なっ!? な、何故天使が!?」
「大丈夫だレイナーレ、ミッテルト、カラワーナ、ドーナシーク。この女は俺の客人だ………って、何だ藪から某にモテモテって?」
「……。ええ、そうね……アナタはそんな性格ですものね。
お陰で私が何年――」
「は?」
「ふんだ……若い女性が好きなら好きって言いなさいよこのムッツリスケベ!」
「あ、あぁ? な、何なんだ?」
お馴染み天使様にね