【トリップ】それでも、私は生きている   作:月乃夜桜

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カットインってどうやって描くんでしょう……?

かっこいいのが描けません( ;´꒳`;)

今回はタルカロン〜です。

イベントがある所まではすっとばすので、ご了承ください。


67戦目

・・・

 

タルカロンに足を踏み入れたユーリ達。術式が組み上がる中、精霊の力により、自分達には今のところ影響は無いようだ。とりあえず、今のうちにデュークのいる所まで行く事となった。

 

(画面で見てたのでもだいぶデカかったのに……実際見てみると圧倒されるなぁ……うん、怖いわ。素直に)

 

なんて考えつつもやはり、顔には出さないアスカ。だが、ユーリは何となく〝何か〟を感じ取ったようだ。アスカに声をかける。

 

「大丈夫か?」

 

「ん、うん。大丈夫。1人じゃないから。あ、そうだ。ユーリ、コレ持ってて。やっぱり、ユーリに持ってて欲しいんだ」

 

アスカはそう言って、ユーリにペンダントを差し出した。青く光るその石は、何度も危機を救ったにも関わらず、変わらず神秘的な輝きを放っていた。

ユーリは、差し出されたソレを受け取った。ここで、突っぱねるのは違うと思ったからだった。アスカは、受け取ってもらい、心底安心した顔をしていた。

 

「アスカ、それをユーリに渡すって事は、この先ユーリが危なくなるのかい?」

 

「え?どうして?」

 

「君たちから話を聞いて、君がソレを渡す相手が危なくなっている、と聞いたから」

 

「この先、か。それは分からへん。今のは勘でも何でもない。うちが、ただユーリに持ってて欲しいんだ。だから、渡したんだ。本当にもし、危なくなったとしても、守ってくれるだろうしね」

 

そういったアスカはどこか違った。吹っ切れたような感じだ。だが、レイヴンだけは、どこか嫌な予感が強まった気がしてならなかった。

 

(持っていて欲しい、か。どうしてこんなにも、嫌な予感がするのか。よく分からないな。警戒するに越したことはない、か)

 

・・・

 

何とか複雑な道をくぐり抜け、上まで上がってきたユーリ達。すると、ここにはザギが待ち構えていた。話してみても声は変わってるし、左腕は魔導器(ブラスティア)に変化してしまっている。そして、それは壊さなければ先に進めないものだとも語られ、仕方なくユーリ達はザギと戦うのだった。

 

相変わらずユーリを狙うが、度々アスカの事も狙っており、アスカは攻撃を避けるので精一杯になっていた。そして、何度かぶっ飛ばされ、あちこちに打ち身を作っている。それでも、何とか立ち上がったが、ザギの秘奥義を喰らい、流石に倒れてしまう。

 

(い、痛い……!だけなら、良かったのに!身体に、力が……入らへん……!!)

 

何とか立ち上がろうにも、何度もぶっ飛ばされたせいで、立ち上がれずにいた。そんなアスカに、エステルが咄嗟に回復の術を使った。すると、アスカはダメージを受けるのではなく、回復効果を受けることが出来たのだ。

 

「ありがとう、エステル。お陰で戦線復帰出来そう」

 

「!……良かったです!」

 

自身が成長出来たんだと実感出来たのか、戦闘中だというのに笑みを零すアスカ。そこからは何とか上手く立ち回り、前半よりは吹っ飛ばされる事は少なくなった。

 

そうして、何とかトドメであろう一撃を入れると、膝を着き、それからもっと戦いたい、と言いつつも身体が限界なことと、ユーリにさらに一撃を貰った事でよろけたが、最後の足掻きで、魔術を放った。標的はアスカだ。まさか自分に飛んでくるとは思っていなかったアスカは、モロに受けてしまい、その場に倒れてしまった。

 

「「「アスカ!」」」

 

ユーリがさらに追撃したことでそのまま、落下したザギ。それを見届けたユーリらは、急いでアスカに駆け寄る。声をかけるも、アスカは全く目覚めなかった。エステルが回復術を使うも反応無し。だが、エステルのおかげで外傷は治った筈なので目覚めるまで、先に進むということになった。

 

・・・

 

気が付くと、あの桜の咲き誇る空間にいた。久しぶりに〝ココ〟にきた。するとふわり、と女性が現れる。金髪緑目で、緑の衣装に身を包んだ女性。今までハッキリと姿が見た事がなかった。だけど、見てわかった。確信した。あぁ、このヒトは。世界の意思なんだ、と。

 

―コレが、恐らく最後になるでしょう。貴女と、会えるのも。

 

(そっか。で、何を伝えに?)

 

―貴女は、力をちゃんと覚醒させましたね。だから、きっとあの場面で力を使ったとしても、大丈夫でしょう。私が許しますから。

 

(それ、は……)

 

―ほら、もうあたしが居なくっても大丈夫だろ。

 

(は、アスカ!?)

 

どこからか、もう1人のアスカが現れ、ニカッと笑ってアスカの中に入る。その途端、アスカはどこか暖かい気持ちになった。そして、何かが、欠けていた何かが、埋まるような感覚がした。

 

―大丈夫ですよ。飛鳥。貴女は、強くなったのですから。

 

女性は微笑み、そっとアスカを抱きしめた。赤子をあやすかのように頭をポンポンと撫でた。そして、大丈夫だと告げた。アスカはそれを聞くと意識が薄れていった。

 

・・・

 

目を覚ますと、頂上付近にまで登っていた。

 

「っ……」

 

「目が覚めた?大丈夫?」

 

「「「!」」」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「うん、心配かけたみたい、やね。ごめんね。もう、大丈夫」

 

そう言って、お礼を言ってから背負って貰っていた所を降ろしてもらう。どうやら、レイヴンが背負ってくれていたようだ。

 

「本当に大丈夫か?無理そうなら言えよ?」

 

「大丈夫だよ。行こう」

 

「無理は本当にダメだからね?……嬢ちゃん、さっきまで死んだように眠ってたんだからね」

 

そう言われるも、アスカとしては身体が軽いので、大丈夫なことを告げて先に進むよう促す。大丈夫な事をわかったらしく、やっと頂上を目指すのだった。

 

そしてついに頂上へ着くと、何やら青い円柱の前でやっているデュークの姿が。

 

「デューク、オレたちは四属性の精霊を得た。精霊の力は星喰(ほしは)みに対抗できる」

 

「もう人の命を使って星喰(ほしは)みを討つ必要はありません!」

 

「あの大きさを見るがいい。たった四体ではどうにもなるまい」

 

「四体は要よ。足りない分は魔導器(ブラスティア)魔核(コア)を精霊にして補うわ」

 

「世界中の魔核(コア)だもん。すごい数になるはずだよ」

 

「ついでにおたくの嫌いな魔導器(ブラスティア)文明も今度こそ終わり。悪い話じゃないでしょ?」

 

「……人間達が大人しく魔導器(ブラスティア)を差し出すとは思えん。それとも無理矢理行うのか」

 

「無理矢理なんてしないのじゃ!」

 

「人々が進んで応じるなんて、信じられないのかしら?」

 

「一度手にしたものを手放せないのが人間だ」

 

「わかってもらえねぇか……だけど、オレたちはオレたちのやり方で星喰(ほしは)みを討つ。もう少し、待ってくれねぇか?」

 

どうやら、まだ平行線のようだ。どちらも、譲らない。だが、もう少しこちらの話を聞いてくれて、待ってくれれば。そう思っているのか、ユーリ達は話を続ける。

 

「僕たちは、人々の決意を、そして僕たち自身の決断を無にしたくないのです!」

 

「……それで世界が元に戻るというのか?」

 

「え?」

 

始祖の隷長(エンテレケイア)によりエアルが調整されあらゆる命がもっとも自然に営まれていた頃に戻るのか、と聞いている」

 

「それは……」

 

「おまえたちは、人間の都合の良いようにこの世界を……テルカ・リュミレースを作り替えているにすぎん」

 

「世界が成長の途中だとは考えられませんか?始祖の隷長(エンテレケイア)たちは精霊になることを進化だと考えています。同じようには考えられませんか?」

 

「……彼ら始祖の隷長(エンテレケイア)の選択に口をはさむことはすまい。だが、私には私の選択がある」

 

「わかってくれねぇのはそれをやろうとしているのがオレたち人間だからか?」

 

その問いには答えず、デュークはタルカロンの塔について語り始めた。そして、だからこそ人間を滅ぼすと言った。反論するも、やはり相容れぬようだ。お互いに、武器を構える。やはり、話し合いでは埒が明かないようだ。

 

(大丈夫、うちも、強くなったら。それに、1度うち抜きで倒してるんだから。だから、大丈夫)

 

アスカも、銃を構えるのだった。




という事で、最終戦は次回からです!

もうすこしで終わり、だと思います。

もう少しお付き合い下さい!

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