ザギ戦後〜になります。
・・・
あの後、ゴーシュとドロワットの治癒術により何とか動けるようになったユーリ達。飛鳥もギリギリ治癒効果を受けたられたようで、体が軽い。だが、アレクセイはザーフィアスで良からぬことをしようとしている、エステルを使って、とそう言い残し、イエガー達は姿を消した。
「制御壊れてるとか!」
何とかしようにも、壊れていて何も出来ない。動力室に向かうと、ソディアが1人で動力室の警備と戦っていた。なんとか助けに入ると、ソディアはかなりユーリらに対し敵意むき出しだった。だが、エステルを救うのが最優先とし、なんとか衝突は免れた。フレンは隊の指揮を執る為に一時離脱。
そして、動力室に入るもエアルが暴走し、今にも主砲をぶっ放しそうになっていた。ユーリの持つ
だが、フレンの指揮により、船をぶつけてヘラクレス自体をずらし、主砲の起動をずらす事が出来た。しかし、喜んでもられない。帝都に向かうため、ユーリ達はバウルに運んでもらった。
そこで、エアルの乱れを辿り、エステルとアレクセイを見つけた。何とかバウルに運んでもらい、近付く。相変わらず球体に閉じ込められたエステルはアレクセイにより、助けようとして飛び出したユーリを弾く。そこを、飛鳥がすかさず防護壁を貼って、ユーリを船の甲板に叩き付ける形で何とか船の外に飛ばされるのを防いだ。
「ってぇ……!」
「ごめんユーリ」
原作ではユーリは吹き飛ばされるが、船に付いているロープを掴んで何とか無事だが、今は分からない。原作通りに進む所もあるが、そうでないところがある。だから、飛鳥は助かるかもしれないけど助かるかも確証がなかったから、無理やり助けたのだった。
だが、助けたのもつかの間、すぐさまアレクセイにより、ユーリ達はバウルごと吹き飛ばされてしまった。
・・・
「ん…………生きてる…………!っ!!ってぇ……。……みんな生きてるか?」
「私はなんとか」
「クゥー…ン」
「生きてるっちゃ生きてるけど、無事かと言われると微妙よ。何本か骨いっちゃったっぽいわ」
「船もメチャクチャじゃ……許すまじ、アレクセイ…………いてて………」
「ユーリ……痛いよ……」
「エステルのあれ……
「無理して喋んな」
全員の安否を確認する中、飛鳥の声だけが聞こえなかった。ユーリが見渡すと、後ろに倒れたままの飛鳥がいた。息があるか確認すると、生きてはいた。
「“飛鳥”!!生きてるか!」
「っ、げほっ……ごほっ……っ、ぅ……ぐ……うん、何とか、生き、てるよ……」
ユーリが名前を呼ぶと、飛鳥はモゾモゾと体を動かし、起き上がろうとした。しかし、咳き込み吐血しており、動きもぎこちない。起き上がるのは厳しそうだった。
「お、おい!!無茶すんな!」
「大丈夫、だよ……
そう言って、ごめんと謝る飛鳥は、満身創痍で。しかし、目をつぶって深呼吸した後には、起き上がっていた。無理するなと言われたのに、起き上がる飛鳥は本当に痛みを感じているのか、と疑いたくなるようだ。
「ここはカプワノールの近くのようね。ノール港に行きましょう」
「それがいいね」
・・・
ユーリ達はなんとかノール港にたどり着き、医者を探していると。ティグルが現れた。医者を知らないか、と問うユーリに知っていると告げ、宿屋まで手配してもらった。
「助かったよ。ヘリオードから戻ってきてたんだな」
「はい。あの時はお世話になりました。あら、貴女もこの方達と一緒に?」
「のじゃ」
なんて話をしつつ、ひとまず休むことになったのだった。ただ、ユーリは一行の中でも割と動けるようで、情報収集に出掛けるのだった。
「ねぇ、アスカ」
「うん?」
「アンタ、あん時ユーリを甲板に叩きつけたわね」
「う……ごめん。ユーリが船から外れてるって思って……」
「ううん、それで良かったと思ってるわ。アンタがしてくれなきゃ、もしかしたらユーリは落ちてたかもしれないもの」
「そう、かな……」
「アスカちゃんも休みなよ?血を吐くほど、怪我酷いんだから」
「だから、吐血は力の反動だってば。怪我じゃないよ。流石にこのくらいの怪我するの、久々過ぎてすぐには動けなかったけど。慣れたらどうって事ないよ」
口ではそうやって痛いだの何だの言っているが、あまり痛そうにしてないところを見ると、堪えてないらしい。やはり、昔の経験からして、そういう事には慣れてしまっているらしい。
「アスカちゃん、流石ね。でも、痛かったらちゃんと素直に言った方がいい」
「そりゃ痛いよ。けど、大丈夫。動く分には少し動きは鈍るだろうけど、それ以外は大丈夫。あ、そうだ」
飛鳥はふと思いついて、カロルにお守りをカバンに忍ばした。確か、この先にカロルが危なくなる所がある筈だと、信じて。
そうこう話をしてるとユーリが戻ってきた。どうやらヘラクレスの主砲でエフミドの丘あたりに穴が空いていて、通れないとの事。ティグルからゾフェル氷刃海の話を聞いて、そこに向かうのだった。
・・・
寒い中進んでいくが、その途中でバイトジョーという魔物が見える。パティ曰く、その魔物は背中がトゲトゲでかなり頑丈な魔物らしい。それ聞いて、アスカは思い出した。ここは、カロルのあの名シーンだと言うことを。だからこそ、どう変わるのかが怖かった。
遅れないようにしながら、飛鳥も着いていく。行く先々でバイトジョーに邪魔されつつ、進むと。
エアルクレーネのある場所にたどり着いた。ただ、このエアルクレーネは活性化はしてなかった。ただし、バイトジョーが出てきて、水中から飛び出し咆哮を上げた。すると、不活性だったはずのエアルクレーネが活性化し始めたのだった。
ユーリにぶっ飛ばされたカロルは逃げろと言われても逃げなかった。そして武器を掲げ、威嚇した。だからこそ、バイトジョーは先にカロルを何とかしようと標的を変えたのだった。
カロルは巨大な相手に臆せず立ち向かう。普段なら仲間たちと共に戦ってるはずの魔物。それを一人でやるのだ。それでも、カロルは逃げずに戦い、何とか近づいて
殴るも、ぶっ飛ばされる。
「ち、ちょっと油断したかな」
だが、立ち上がって、バイトジョーに立ち向かう。ダメージを与えつつ、何とか距離をとる。
「み、みんなを守るんだ。逃げるもんか……!」
だが、武器を弾き飛ばされてしまう。逃げろと何度言われても逃げなかった。
「大丈夫なんだよ。だって、みんながいるもん」
「カロル………おまえ……」
「ボクの後ろにはみんながいるから。ボクがどんだけやられても、ボクに負けはないんだ」
カロルは満身創痍だ。しかし、諦めず、そして剣を見つけた。それも大剣でカロルの身の丈よりも随分と大きいだろう。そんなものだ。だが、それを手に取ったと同時にバイトジョーにより、空へ巻き上げられてしまう。だが、大剣でエアルクレーネを活性化させてる角を傷つけ、活性を止める。
だが、地面に落ちたカロルを狙うバイトジョー。ユーリ達も走るが、間に合わず、カロルもダメージの蓄積から動けなかった。だが。
「あ、動、け……ない……」
その牙がカロルを襲おうとした途端。カロルを防護壁が守る。その事にユーリ達は飛鳥を見る。だが、飛鳥は心臓を押さえていて、とても術を発動させている状態ではなかった。ならば、今の防護壁は……。
「え……これ、アスカの?」
「よかった、お守り渡しておいて」
「え?お守り!?いつ!?」
「ナイスだアスカ!」
「宿屋で寝てる時。こっそり、カバンに、入れといた」
言われてカバンを探るカロル。確かに飛鳥が持っているお守りが出てきた。ほんのり光っているところを見ると、発動したと見ていいらしい。
「ねぇ、もう少し持っててもいい?後で返すから」
「うん、ええよ」
そうして、ユーリ達は改めてバイトジョーに戦いを挑むのだった。
というわけで、ザギ戦〜でした。
次はバイトジョー戦〜になります。