【トリップ】それでも、私は生きている   作:月乃夜桜

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わーい、インフルになった~!

という事で、更新しますw

のどの痛みと、咳とタンが出るから病院行ったら、インフルAだってよ!

熱もその時微熱だったからびっくりだよね!

まぁ、そんなわけでインフルの癖して動けるので投稿しようかと思いますw

今回はテムザ山~になります。

前回、向かう所、と書いてましたが、間違いです。すみません(前回のあとがき部分は修正済です)


46戦目

・・・

 

ジュディスを探すため、テムザ山に来たユーリ達。山に入ってすぐ、たくさんの人の足跡を見つける。魔狩(マガ)りの(ツルギ)か、とカロルは言うが、ユーリは騎士団かも、と言う。聖核(アパティア)をフレンが探していたので、可能性はあるだろうとのこと。確かにそれならば、ありそうだ。

 

ともかく探索をしていくユーリ達。街があるであろう場所にたどり着くも、どうにも街はない。レイヴンが言うには、10年前は確かにあったとのこと。そこで、バウルの声が聞こえる。その声を聴き、何かあったのでは、というレイヴン。

 

確かに、その線は捨てきれない。急いで向かう途中、大きな爆発があったのでは?と思う程のぼっこりと地面がへこんでいる場所を見つける。どうやら、その爆発を起こした魔物は退治されたとのことだが、そもそもがこの場所が人魔戦争の戦場だった、とのこと。ただ、その事は帝国の情報操作により、公にはされていないらしい。

 

「あぁ、じゃあここで彼が……」

 

思わず、跡地を見てそう呟いた飛鳥の言葉を拾ったのはレイヴンだ。

 

「アスカちゃん?何か知ってるの?」

 

「え?何も知らないよ。まぁ、仮に知ってたとしても、話さないけどね」

 

「またまた~、イジワルなんだからぁ」

 

内心、茶化してくれたレイヴンに感謝しつつ、先に進むのだった。飛鳥はなぜ、自分があそこで呟いたのかはわからなかった。だが、無意識に口から出たと言ってもいい。となれば、もしかしたら、自分で引いた線を通り越してるかもしれない。

 

昔の自分であれば、こんなヘマはしないはずだ。そう、思い、この先で起こる出来事で変わりそうなことを予測する。ジュディスは確か、バウルが大きくなるために、こもっていいるから、それが終わるまで守っていたはずだ。

 

となれば、ジュディスが倒れるか、バウルに何か起こるか、だろう。それは困る。あぁ、あの黒い魔物の襲撃も考えておいたほうがいいだろう。今のところドラゴン型の奴しか出てきていないが、この先どうなるとも限らない。

 

 

 

 

 

進んでいく中、ふと、ユーリは思い出したかのように言う。

 

「ジュディが前に言ってた。『バウルが戦争から救ってくれた』ってな……それって人魔戦争の事だったのかなって」

 

「じゃあもしかしてあの女って人魔戦争の時にバカドラと一緒に帝国と戦ったのかな」

 

「ジュディ姐が人間の敵だったら、うちはちょっと切ないのじゃ」

 

「どうなんだ?レイヴン?人魔戦争に参加してたんだろ?」

 

「へ?なんで?」

 

「色々詳しいのは当事者だからだろ」

 

「そうなの?でも、生き残った人、ほとんどいないんでしょ?」

 

「ああ、さすがの俺様も、死ぬかと思ったね」

 

観念したように、そう言ったレイヴン。飛鳥は、レイヴンに関して知っているため、死にかけた、ではなく、一度死んで、今は魔導器で生きているという事を知っている。だが、こんなところで話す事ではないし、何より、こういうことは本人の口から語られるべきだ。そう思い、飛鳥は話に耳を傾ける。

 

―あぁ、防護壁もすぐできるようにしなきゃ

 

なんて、ぼーっと考える飛鳥に声がかかる。

 

「ねぇ、アスカ。あんた大丈夫?顔色悪いわよ」

 

「え?」

 

「アスカ、大丈夫です?」

 

「大丈夫だよ。少し、考え事してただけだし」

 

そう言ったが、あまり説得力はないようだ。どうやら、ここまでで、割と無茶や無理をしてきたからか、また無理をしてるのではないか、と疑われているようである。

 

「本当?」

 

「ホントだよ。何か不調を感じたらすぐに言うから」

 

そこまで言うと、どうやら納得してくれたようで、絶対に無理はしないで、と念を押された。どうやら、顔に出ていたらしい。あぁ、線引きをしっかりしなくては。だって、自分は未来を知る者。容易にそのことを話してはいけないのだから。

 

しばらく歩き、クリティア族の街にたどり着いたユーリ達。だが、廃墟同然で、人が住んでいる気配はしない。と、そこでラピードが唸り始める。そのあとすぐに魔狩(マガ)りの(ツルギ)のメンバーが吹っ飛ばされてきた。メンバーが吹っ飛んできた方向を見ると、そこにはジュディスの姿が。

 

ジュディスは、ユーリ達の姿を見せると、驚いた顔をする。だが、まだ戦う姿勢を見せる魔狩(マガ)りの(ツルギ)のメンバーに、ユーリが言う。

 

「おまえら!うちのモンに手ぇ出すんじゃねぇよ。掟に反しているならケジメはオレらでつける。引っ込んでな!」

 

だが、それでも戦う気のメンバーに、今度はリタ、レイヴン、パティ、アスカがそれぞれ戦闘態勢だ。それを見たユーリの一言で、メンバーは去っていく。

 

「ジュディス……」

 

「追ってきたのね。私を」

 

「ああ。ギルドのケジメをつけるためにな」

 

「ジュディス、全部話して欲しいんだよ」

 

「何故魔導器(ブラスティア)を壊したのか。聖核(アパティア)のこと。始祖の隷長(エンテレケイア)のこと。フェローとの関係。知ってること全部ね」

 

「事と次第によっちゃジュディでも許すわけにはいかない」

 

「不義には罰を……だったかしらね。………そうね。それがいいことなのか正直分からないけれど。あなたたちはもうここまで来てしまったのだから。来て」

 

ジュディスは案内するために、先行する。その場に残ったユーリとカロル。そして、アスカ。

 

「ユーリ……ジュディスでも許さないって……」

 

「……ドンの覚悟を見てまだまだ甘かったことを思い知らされた。討たなきゃいけないヤツは討つ。例えそれが仲間でも、始祖の隷長(エンテレケイア)でも、友でも」

 

「フレンやフェローでもってこと?」

 

「……ああ。それがオレの選んだ道だ」

 

「随分と重っ苦しく考えてんね」

 

「オレの選んだ道だって言っただろ」

 

「独りで抱え込みすぎて、うちみたいになんなよ」

 

「え?アスカみたいに……?」

 

「そう。でもまぁ、ユーリにはちゃんと向き合ってくれる人がいる。引っ張り上げてくれる人がいる。それでも。もし足りないなら、その時はうちが無理やりにでも押してあげる」

 

「オレに?」

 

「うん。ほら、行くよ」

 

飛鳥はそこまで言うと、先に行ってしまった。ユーリには、今の飛鳥の言葉が、わからなかった。どうして、そんなことを言うのか。ただ、イジワルで言ったのではない。ふざけて言ったわけでもない。それだけはわかる。いつかわかるのか、そう思い、ユーリとカロルも先に進むのだった。

 

しばらく進み、少し開けたところに出る。すると、そこでジュディスは立ち止まった。そして、ユーリ達に問いかける。

 

「ここが……人魔戦争の戦場だったことはもう知ってる?」

 

「ああ。おっさんに聞いた」

 

「人魔戦争……あの戦争の発端はある魔導器(ブラスティア)だったの」

 

「なんですって」

 

「その魔導器(ブラスティア)は発掘されたものじゃなく、テムザの街で新しく開発された新しい技術で作られたもの。ヘルメス式魔導器(ブラスティア)

 

説明されたが、先を知っている飛鳥を除き、それを知っているものは誰もいなかった。

 

「ヘルメス式魔導器(ブラスティア)は従来のものよりもエアルを活動に変換して魔導器(ブラスティア)技術の革新になる……はずだった」

 

「何か問題があったんだな」

 

「ヘルメス式の術式を施された魔導器(ブラスティア)はエアルを大量に消費するの。消費されたエアルを補うために各地のエアルクレーネは活動を強め、異常にエアルを放出し始めた」

 

「そんなの人間どころか全ての生物が生きていけなくなるわ!」

 

「ケーブ・モックやカドスの喉笛で見たアレか。そりゃやばいわな」

 

「人よりも先にヘルメス式魔導器(ブラスティア)の危険性に気づいた始祖の隷長(エンテレケイア)は、ヘルメス式魔導器(ブラスティア)を破壊し始めた」

 

「それがやがて大きな戦いになり人魔戦争へ発展した……」

 

「じゃあ始祖の隷長(エンテレケイア)は世界のために人と戦ったの!?」

 

「どうして始祖の隷長(エンテレケイア)は人に伝えなかったんです!?その魔導器(ブラスティア)は危険だって!」

 

「互いに有無を言わずに滅ぼしゃいいってもんよ。元々相容れない者同士そこまでする義理は無かった。そんなとこかねぇ」

 

「あるいは何か他に理由があったかもしれんの。でも……この話がジュディ姐に何の関係があるのじゃ?」

 

確かに、ここまで話しておいて、ジュディスに関係することは何一つ出てきていない。パティの疑問は最もだろう。

 

「テムザの街が戦争で滅んで、ヘルメス式魔導器(ブラスティア)の技術は失われたはずだった……」

 

「まさか!そのヘルメス式がまだ稼働してる!?」

 

「そう。ラゴウの館、エフミドの丘、ガスファロスト。そして……」

 

「フィエルティア号の駆動魔導器(セロスブラスティア)か……」

 

「なら!言えば良かったじゃない!どうして話さなかったのよ!一人で世界を救ってるつもり?バカじゃないの!?」

 

リタが、そういった。だが、ジュディスは何も答えない。少しの沈黙が流れた時だった。すぐ近くの岩と岩の間から、光があふれる。

 

「バウル!」

 

その光に向かって、ジュディスが言った瞬間。どこからともなく、ティソンがジュディスを襲う。すぐ後にナンもやってきて、バランスを崩したジュディスに追撃をする。だが、飛鳥が、防護壁を張ったことで、それは防がれる。

 

「「「!?」」」

 

突然の防護壁に、驚くジュディス、ティソン、ナン。だが、すぐに体勢を立て直し、ジュディスと対峙する。やはり、バウルを狙っているようだ。

 

「手下どもから聞かなかったか?うちのモンに手ぇ出すなっつったろ?」

 

「つーか、そんな事うちがさせへんけどね」

 

「い、いくらナンでもギルドの仲間を傷つけるのは許さない!」

 

「まだ話の途中なのよ!邪魔すんな!」

 

「まったく、無粋な連中なのじゃ」

 

「アツいのは専門外なんだがなぁ」

 

「あなたたち……」

 

その後も話し合いはするものの、やはり分かり合えないようだ。2人もしびれを切らし、戦闘態勢に入る。それを見て、飛鳥も銃を構えるのだった。




バウル変化まで書きたかった!

でもそれまでが長いので、次回で!

次回はティソン&ナン戦~です。

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