【トリップ】それでも、私は生きている   作:月乃夜桜

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気が付いたらもうすぐ40話ですよ……


ついこの間は20話だ、30話だって言ってた気がするのに……はやいですねぇ……


今回は船の上~になります。


38戦目

・・・

 

依頼を受けて、船で移動するユーリ達。だが、やはりリタの言った通り、現実は甘くないらしい。魚人の群れが襲ってきた。すぐに倒すが、そのうちの1体からパティが出てきた。どうやら、飲まれていたらしい。だが、すぐ近くで船の操縦をしていたトクナガが襲われ、怪我を負ってしまった。船の操縦はパティがする、ということでなんとかなったのだが。

 

幽霊船だろう船とぶつかり、船の原動力である駆動魔導器(セロスブラスティア)が動かなくなってしまった。仕方がないので、船の探索に行く組と船を護る組に分かれたのだった。もちろん、飛鳥は探索に行く組である。

 

「アスカ、こ、怖くないです!?」

 

「別に?まぁこの幽霊船が、うちらに何かしてほしいとか、そういうのでしょ。お決まりやね」

 

「肝が据わってるわね、貴女」

 

「そう?大体、壊れてもないのに動かないとなると、向こうさんの力で止められてるってことでしょ。なら、向こうさんの要求に応えられるなら応えて、無理なら無理で、向こうさんのことなんとかしてやるのが一番早い」

 

「………見てきたような言い方ね」

 

「まぁね。似たような体験はしたことあるからね」

 

なんて会話をしつつ、船の探索に向かった。

 

・・・

 

結局色々探索していると、船にいたメンバーと合流する。色々探索していると、白骨死体をみつける。傍に会った日記を読んでみると、澄明の刻晶(キュアノシエル)という魔物を退ける効果のあるものをヨームゲンという街に届けるためにこの船を動かしていたらしいが、日記からこれは1000年前の事だとわかる。そして、ジュディスが白骨死体の抱えていた赤い小箱を取ると。鏡の中から骸骨の騎士のような魔物が出てきた。

 

「まー、お決まりだぁね」

 

「なんでアンタそんなに冷静なのよ!!?」

 

「だって、怖い怖いって言って怖がってたら向こうさんの思うつぼだし」

 

そういいながら、銃を構える飛鳥。それに続きユーリ達も武器を構えた。そして、飛鳥はすぐさま骸骨の騎士の足を狙う。注意を引きながら、器用に避ける飛鳥。だが、それでも相手はかなりの強敵。避けきれず傷を負う飛鳥。だが、それでも軽症だ。怪我してもひるまず、すぐに距離を取りながら撃つ。

 

しかし、思った以上に強く、体力的にしんどくなってきた飛鳥は、チャクラムに持ち替えた。あまり慣れていないと言ってはいたが、それなりに動けるようで、

 

「せーのっ!‘アルジェント・ポース’!!」

 

技を使って援護をしていた。そうしてようやく倒すことができた。と言えば語弊がある。あの骸骨の戦士はある程度戦うと、そのまま、また鏡の中へ消えていったのだ。ひとまずその骸骨の戦士とは決着はつけなくてもいいため、帰ろう。そうなったのだが、帰り道は途中で仕切りが落ちてきたため使えない。

 

すると、船から煙が上がった。どうやらエンジンが治ったらしい。そして、ダメ元で外に通じる扉を見てみると。なんと、扉が開いていた。そこから外に出て、今度こそノードポリカに向かうのだった。

 

・・・

 

ノードポリカが見えてきたところで、カロルとエステルが教えてくれた。ノードポリカは別名、闘技場都市というらしい。昔は奴隷などを闘技場で戦わせる事が貴族の間で流行っていたようだが、今は戦士の殿堂(パレストラーレ)というギルドが闘技場の運営権を持ち、市民の娯楽の場としているとのこと。

 

ひとまず街の中へ入ってみると。花火が上がっていることもあり、にぎわっているようだ。そこでパティが再びパーティを抜けたが、きっと彼女とならまたどこかで会えるだろう。

 

―闘技場、かぁ……テイルズシリーズ恒例やねぇ……

 

飛鳥は闘技場を見上げながら、そんなことを思う。少し街を見て回ったがべリウスに挨拶に行こう、という事になり闘技場の中に入る。階段を上り、左の方に行くと。赤髪(?)の男性に

 

「この先は、我が主、べリウスの私室だ。立ち入りは控えてもらおう」

 

と言われた。

 

「そのべリウスさんに会いに来たんです」

 

「なんだって?おまえたちは誰だ?」

 

「ギルド、凛々の明星(ブレイブヴェスペリア)だよ」

 

「……聞かない名前だな。主との約束はあるか?」

 

どうやら、べリウスは約束をした者としか会わないようだ。レイヴンがドンの使者だと知ると、男性―ナッツと名乗った―は自分が代理だから、自分が用件を承るという。だが、ドンからはべリウスに直接渡せ、と仰せつかっていると伝えると、新月の晩になら、とのことで出直すことになった。

 

闘技場を出ると、パティが買い物をしていた。だが、どうにもよろしくない雰囲気だ。話を少し聞いてみれば

 

「アイフリードみたいな服を着てその孫だって名乗る娘がいるって……」

 

「…………!」

 

「……やっぱり……えぇと……全部で450ガルドになります」

 

「…………」

 

「あ、あの……もううちにはあまり、来ないでいただけますか、ね……」

 

「それは……うちがアイフリードの孫だからかの?」

 

「あ、えと……そのですね。うちは別にいいんですよ、でもね、ほらお客さんとかが……」

 

「え?いや……わたし?いや、ちょっと待ってくださいよ、わたしゃ、何もそんなこと……」

 

「ちょっと、言ったじゃないですか、ギルドの義に反した奴の孫が来たら店のイメージダウンだって」

 

「そりゃ、だって人々を守るっていうギルドの本分破って、多くの民間人を殺戮した人物の孫だし……」

 

「そ、それは……」

 

どうにも、パティの事を悪く言っているようだ。子ども相手に酷いものである。いや、子どもでなければいいというものではないが。

 

「……くだらねぇ話してるじゃねぇか」

 

「うちも、混ぜてくれへん?」

 

「な、何だよ……」

 

「こんな子どもに何の責任があるってんだ。こいつが直接、何か悪いことをしたか?」

 

「それね。すーぐ噂だけでその人の本質を、人柄を見ない人多いよねぇ」

 

「……まあ、ユーリ、アスカ、そう、カリカリするな。いつものことなのじゃ」

 

その場はその一言で終わり、パティはそのままかけていってしまった。自分たちも宿屋に向かい、休むことにした。

 

だが、その夜。エステルは1人、宿屋の外にいた。すると、あとからユーリがやってきた。どうやら、彼は人の気配に敏感らしい。

 

「城に帰りたくなったか?」

 

「いえ……ちょっと落ち着こうと思って。フェローに言われた言葉が耳から離れないんです」

 

「ああ、なんか言ってたな」

 

「忌まわしき、世界の毒は消す……」

 

「世界の毒ね……確かにそんな連中が世の中にはいるけどな。少なくとも、オレにはおまえが毒には見えねえがな」

 

「それって、励ましてくれてるんです?」

 

「思ったこと、言っただけだって」

 

「ふふ、ちょっと元気出ました。あ……ユーリ、ほら、あれ」

 

エステルが何かに気づき、空を見上げる。ユーリも空を見上げてみる。すると、数々の星の中でひときわ強く、大きく光っている星があるのを見つける。

 

「あれが、ブレイブヴェスペリア……凛々の明星(りりのあかぼし)です」

 

「夜空で最も強い光を放つ星……か」

 

「あの星には古い伝承があるんです」

 

そういって、エステルは語りだした。

 

「その昔、世界を滅亡に追い込む災厄が起こりました。人々は災厄に立ち向かい、多くの命が失われました。皆が倒れ、力尽きたとき、ある兄妹が現れました。その兄妹は、力を合わせ、災厄と戦い、世界を救いました。妹は満月の子と呼ばれ、戦いのあとも、大地に残りました。兄は凛々の明星(りりのあかぼし)と呼ばれ、空から世界を見守ることにしました。おしまい」

 

「恐れ多い名前を、ギルドにつけちまったな」

 

「あの輝きに負けないくらい立派なギルドにしてくださいね」

 

「ああ……今度、カロルにも聞かせてやらないとな。名前負けして格好悪くならないように。オレ帰るわ。おまえもリタ辺りが心配する前に帰ってこいよ」

 

そういってユーリはエステルに背を向け、宿屋へと一足先に帰るのだった。

 

・・・

 

闘技場に再び行ってみると、デュークがいた。ナッツに断られているところを見ると、べリウスに会いに来たらしい。どんな用事かユーリが聞くも何も教えてくれず、そのまま去っていった。ひとまず、闘技場を出てみると。何やらもめていた。

 

間一髪でユーリとジュディスが止めに入り、さらに飛鳥が止める。

 

「だぁぁ、もう!」

 

ひとまずは収まった。すると、おずおずと遺跡の門(ルーインズゲート)首領(ボス)であるラーギィが声をかけてきた。どうにも自分たちを見込んで頼みたいことがあるらしい。だが、此処では話せないとのことで、闘技場に向かうユーリ達。

 

そこで、ラーギィから依頼されたのはこの戦士の殿堂(パレストラーレ)を乗っ取りをたくらむ連中を倒してほしい、とのことだった。その話を聞く中、一行(飛鳥以外)は始祖の隷長(エンテレケイア)という単語について興味を持つ。聞けば、この街と遺跡の門(ルーインズゲート)の渡りをつけてくれた者らしい。そして、そののっとろうとしている奴は闘技場のチャンピョンであり、後ろには凶海(リヴァイアサン)の爪がいるらしい。そこで思い出す。キュモールと連中が繋がっていたことに。ともなれば、止めなければいけないし、何より勝てばギルドの名前が上がるだろうとのことで引き受けることになった。

 

参加するのは、消去法でユーリとなり、ユーリは受付でエントリーを済ません、闘技場内部へと進んだ。

 

・・・

 

順調に勝ち進むユーリ。そして、ついにチャンピョンとの闘いになる。だが、現れたのはフレンだった。どうにも嵌められたらしい。だが今更辞退などできるはずもなく、打ち合う二人。

 

「危ないじゃないか」

 

「観客に八百長試合を見せるわけにはいかねえだろ?」

 

「少しは手加減をしてほしいな」

 

「よく言うぜ。簡単に受け止めやがって」

 

「手短に事情を聞こうか?」

 

「騎士団の任務だ。それ以上は言えない」

 

「闘技場で勝ち抜く任務っていったいなんのことだよ。しかも隊長自ら……」

 

「言えないんだ」

 

「隊長になって張り切んのもいいがあんまひとりで無茶すんなよ」

 

「張り切っているのは君だ。そんな楽しそうな姿を見るのは久しぶりだよ。君こそ、そろそろエステリーゼ様を返してくれないか」

 

「悪ぃけど、それはオレじゃなくて、本人に交渉してくれよ」

 

「エステリーゼ様は僕の言うことに耳を貸してくださらない」

 

「あのお姫様はオレのいうこともなかなか聞いてくれないぜ」

 

「そろそろ茶番はやめないか」

 

「どうやって?ここでやめたら大ブーイングだぜ」

 

そういって中々決着がつかない2人。そんな2人のもとに現れたのは――。




中々キリが良いところがなくてw

次回は乱入者あり~になります。

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