飛鳥の覚醒した場面描きたい……けどそんなかっこよく描けるはずもなく……w
カットインとかも描きたいし秘奥義発動うんぬんとかも……!!
あぁ、やりたいことばかり増えてく~!
今回はダングレストに戻ったとこ~になります。
・・・
あれから、ダングレストに戻ったユーリは、まず最初に気絶したままの飛鳥を宿屋に、と思った。だが、飛鳥は目覚め、大丈夫だと告げる。ボロボロな様子は全く大丈夫に見えなかったが、本人曰く寝ていた(気絶していた)ため、大丈夫だと言い張って譲らない。そのため、仕方なくユーリは皆をつれ、ドンのいるユニオンを訪ねるのだった。
「よぉ、てめぇら、帰ってきたか」
ユニオンに入ってすぐドンの声がかかる。しかし、先客がいた。フレンである。どうにも、込み入った話をしているらしい。だが、ドンは約束通りユーリの話を聞く。だが、話を聞いたフレンも
「そっちも、バルボス絡みか」
とこぼしたことで、フレンの話していたこともバルボスについてだったようだ。そして話が進み、帝国とギルドが手を組み、事態を収束させるために動くことが決まった。しかし、フレンが預かったヨーデルからの密書は内容が違っており、
『ドン・ホワイトホースの首を差し出せば、、バルボスの件に関し、ユニオンを不問とする』
と書いてあったのだ。そのため、フレンは連行された。そして、帝国との全面戦争が開始されることになってしまった。さすがにこうなっては、自分たちの用件について何も言えない。ひとまず広場まで戻ってくると、ユーリが財布をドンのところで落とした、と言って取りに行った。
―あぁ、フレンの様子見に行くんやな
ぼーっとしていた飛鳥は、カロルに手を引かれ、移動することとなったが、そのまま考え事を続けていた。
・・・
一方、嘘をつきフレンの様子を見に言ったユーリはというと。フレンはユーリに背を向けている。だが、軽口を言い合うところから、そこまで参っているようではなかった。参っていない、と言えば嘘になるだろうが。
「あれは赤眼どもの仕業だ。ユーリと別れた後でまた襲われたんだ」
「らしくねえ、ミスしてんな。部下が原因か?」
「それも含めて僕のミスだ」
「そうかい。けど、赤眼どもってことは裏にいんのはラゴウだな」
「ん?どうしてそれを?」
「港の街でな、ラゴウが赤眼どもと一緒だった暗殺者に命令出すの見てんだよ」
そんな調子で話し合う2人。どうにも敵の目的はギルドと帝国の武力衝突らしかった。
「そこまでわかってんなら、さっさと本物の書状を奪い返してこいよ」
そういってユーリは武器で牢屋のカギをこじ開けた。
「その忌まわしいカギをユーリがあけてくれるのをずっと待っていたんだ」
「………」
「君はそこにいてくれ」
「オレ、身代わりかよ。おまえ、オレを見捨てる気まんまんだろ」
「そうだな、もし戻ってこなかったその時は……僕の代わりに死んでくれ」
「ああ……」
・・・
しばらくして、ユーリのいる牢屋へ、ドンが入ってきた。
「友の代わりに牢に入る、か。そいつはどんな酔狂だ、小僧」
「わざわざ見張りをなくした大間抜けなじじいに言われたくないね」
「ふんっ、騎士の坊主に秘密の頼みがあったんだよ」
「フレンに?」
「こんな茶番を仕掛ける連中だ。その辺で高みの見物としゃれ込んでるんだろうよ」
「茶番だってわかってんならギルドを煽んなよ」
「やる気見せねえと、黒幕が見物にこねえだろうが。それに、こうでもしなきゃ、血の気の多いうちの連中が黙っちゃいねえよ。まあ、そういうわけだ。騎士の坊主が戻らなけりゃあ、当然、てめえの命をもらう」
「わかってるよ」
ユーリの返事を聞いて、立ち去ろうとするドンに、ユーリは質問を投げかけた。
「なあ、あんたはなんでギルドを作ったんだ?」
「帝国の作ったルールじゃあ、俺の大事なもんが、守れねえって思ったからだ」
「帝国にいた方が、守りやすいもんもあったろ。下町でさえ結界に守られていた。魔物は絶対に入ってこねえ」
「だから、その他の気に入らねえことをてめえは我慢してんのかよ」
「……それは」
「帝国の作ったルールが気に入らねえなら、選択肢はふたつだ。あの騎士の坊主のように、変えてやろうと意気込むか、もしくは帝国を飛び出して、てめぇのルールをてめぇで作り上げるか、だ」
「はっきりしてんのな」
「そうそう。うちの大事な人質を逃した責任は取れよ」
「身代わり以外に、まだなんかやれっての?」
「茶番を仕切ってる黒幕が街に紛れてるはずだ。あの騎士の坊主に探させるつもりだったんだがな」
「それ、オレに探せって?」
「責任の取り方はてめぇに任せる。連れの娘っ子だってケガ人相手に、駆けずり回ってんんだ。てめぇだけのんびりっていうのは性に合わねえだろう。あぁ、そうそう。アスカの奴は大丈夫か?」
「アスカ?あぁ、元気そうだぜ」
「錯乱とかしてねえか?」
「錯乱?んなことはしてねえよ。まぁ、記憶が戻った時に多少パニックにはなってたけどな」
「そうか……」
「あいつが錯乱って、よっぽどだな」
「ここに来た時、あいつは精神を病んでいないのが不思議なほど、参ってやがった」
「!?」
ユーリは驚く。あの飛鳥が錯乱していた?精神を病んでないのが不思議なほど、参っていた?そんなのは初耳だ。飛鳥は自分と会った時は大人しくて、無表情で、自分に自信がなかった。だが、錯乱するような精神的不安定さはなかった。落ち着いていた。
「特に夜はほぼ毎晩、魘されて飛び起きてたな。酷いと泣きじゃくって、錯乱して、ひたすら謝ったり、てめぇに大丈夫、まだやれる、と言い聞かせたり、そりゃあもう、酷い有様だったぜ」
「今とは全く違うな」
「あぁ、今のあいつは怖い程落ち着いてやがる」
「……なぁ。アスカの言ってた
「……それはな、最近見る、黒い魔物がいるだろ?」
「あぁ、あの全身真っ黒で赤眼のやつらか」
「そうだ。そいつらは、自分がここにいるせいでいるんだ、自分が引き連れてきたんだとかぬかしやがってな」
「!」
飛鳥なら言いかねない、と今なら思う。自分で
「魔物の新種なんて珍しくもねえ。確かにアスカが来たとたんに見かけることが増えたが、そんなのはただの偶然だ」
「で、自分が引き連れてきた、と思ってるから
「そういうこった。だから、たまにでいい。様子がおかしい、ってなった時でもいい。ちゃんと名前で呼んでやれ」
「名前?」
「そうだ。あいつの、名前を“ちゃんと”呼んでやれ」
「ちゃんと?」
「………〝飛鳥〟だ。間違っても、アスカじゃねえ。引き戻してやれ。引っ張ってやれ」
「…………」
ドンのその言葉に何も言えないユーリ。少しばかり、言い方が違うだけだ。だが、その微かな違いが、飛鳥にとっては大事なのだろう。そう理解したユーリは
「あぁ、わかった」
と返した。それをきいたドンは今度こそ去っていった。
というわけで、ユーリとドンの会話でした!
次回は牢屋から出たところ~になります。