カルボクラム探索~になります。
・・・
ひとまず目的の
―やれやれ、マジで雨とか……ホント、好きだけど、嫌いだ。あと、疲れた。早く休みたい……
なんて飛鳥は思うもののここには魔物もいる。気が抜けないのも事実だ。しばらく探索していると、足元に大きな石板がある行き止まりにたどり着いた。どうもこの石板には何かあるようだ。しかし鍵穴も何もなくどうしようかと思っていると、ユーリが軽く蹴る。すると、すんなりと開き、首をかしげるカロルだった。
中に入ってみると
軌道を確認したところで、先ほどの
それを見たユーリは何かを使ったのはわかったが、何を、というのはわからなかった。しかし、カロルは知っているらしく「フェイタルストライク」という技だと教えてくれた。
―あぁ、結局あいつらのせいで、ああなるんだもんねぇ……頭痛いわ、マジで
飛鳥はどこか遠くを見つつ、息をついた。このところため息ばかりついているように思えて、なおさら気が重くなった。ともかく、先へ進むというユーリ達に、相変わらず最後尾についていく飛鳥だった。
そしてその後の戦闘でユーリが見事フェイタルストライクを決める。
「オレのやつ、見ているうちにみんなもできるようになるんじゃないか?」
「ムリ、ムリだって!あれは熟練した剣の……」
「そうそう!呑み込み早いユーリと違うの、うちは!」
「知ってるよ。でもカロル、アスカ。おまえらの腕も自分が思ってるほど悲観したもんじゃないぜ?」
「「え…?」」
「エステルもな」
「わたしも……?」
ということでなんとか戦闘を終えたユーリたちは再び探索に戻り、また謎のメモを見つける。もう1枚あり、3枚になった。そうして探索しているうりにエステルは夢中になって自分が本で読んだ知識と同じものを目に見て回っている。
そして引き続き探索している時だった。ふいに、ユーリはエステルに声をかける。
「聞きそびれてたんだが……」
「わたし、ですか?」
「どうして、トリム港で帝都に引き返さなかったんだ?」
「どうしてって……」
「そっか、エステルはフレンに狙われてるって伝えたかったんだもんね」
「あぁ、あの時点で、お前の旅は終わったはずだろ?」
―……フェイタルストライク、ねぇ……まぁうちは銃なはずだし……チャクラムの方、か。銃はまだ使えるもんねぇ……
色々と考えながらついていっていたせいか、飛鳥はふいに自分の身体に異変を感じる。見回すと、エステルたちもそれなりに影響があるようだ。
「な、なんだろう、さっきから気持ち悪い」
「鈍感なあんたでも感じるの?」
「鈍感は余計!……っていうか、リタも?」
「こりゃ、なんかあんな」
「はぁ……マジで勘弁ね」
「大丈夫か?」
「あはは、これが大丈夫に見えるんなら、ユーリは一回医者に目ぇ見てもらえっ」
「そんだけ喋れんなら大丈夫だな」
「まぁ、ね。まだなんとかなるよ。これくらいなら、あん時のほうが、もっと辛い」
そういって深呼吸し、再びすっと立つ飛鳥。そして扉を開ける装置にパスワードを入力し、扉の中に入ってみると。そこには大きな空間で、さらに言えば何かの
「病人は休んどけ。ここに医者はいねーぞ」
「え……?で、でも……」
―あぁ、これか……うわぁめんどそうな……
飛鳥は銃を握りつつ、様子を見る。大丈夫、このくらいなら、と自分に言い聞かせて。すると、
そして、結界に閉じ込められていた魔物とご対面。
「ユーリ、助太刀するよ」
「大丈夫なのか?」
「まーね」
そうして戦う2人。だが途中でエステルやリタ、ラピードども合流してなんとか撃破する。とはいっても殺したわけではないのだが。巨大な魔物は、エステルを見ると、そのまま去っていく。どうやら危機は脱したようだが、天井が崩れそうになる。竜使いもいなくなったことから、長居は無用とのことで、カロルを探しながら外へ出た一行。すると。
「なにかあれば、すぐにそう!いつも、いつもひとりで逃げ出して!」
「ち、違うよ!」
「何が違うの!?」
そんな風に言い合っている声が聞こえる。行ってみると、カロルの姿が。どうやら無事だったようだ。ひとまず全員が合流したため、休める場所に行くようだ。皆が行く中、カロルは立ち止まっている。
「……ボクだって」
「逃げるのは、悪くないよ、カロル」
「え?」
「うちだって、見て?こ~んなに足震えてんの。よくこれで味方に攻撃当てなかったなって心配するレベルだよ」
「あ……」
「大丈夫。誰だって怖いことの1つや2つある。うちだって、そうや。ほんとは逃げたくて、逃げたくてたまらなかった。けど、足が動かないんじゃ、逃げらんないでしょ」
「……」
「だから、無理やりにでも立たせて、戦った。ただ、それだけや。でもね、カロル。うちみたいになったらあかんで。絶対」
「え?どうして!?アスカは、戦ったんでしょ?」
「戦ったよ。だけどね、うちみたいに感情を押し込めることを、覚えたらあかん。それにまだ、カロルは年齢だけで言えば子どもだ。だから、そんな年齢のうちから恐怖を抑え込むだとか、自分の感情を抑え込むことをしてたら、本当に痛いとき。本当に、つらいとき。本当に、泣きたいとき。そんなときに、何もできなくなっちゃう」
そういった飛鳥は、どこか悲しそうで。カロルには、それが自分への後悔に見えた。そこで何か言おうとしたが、ユーリに呼ばれたため、それはしなかった。
そして、ユーリ達が街の外に行こうとすると。そこにいたのは騎士団だった。
というわけで、次はあの皆さん知ってる紫?頭の騎士さんとのご対面ですねぇ……
あの人、生理的に受け付けません……w
次回はキュモールとご対面~になります。