【トリップ】それでも、私は生きている   作:月乃夜桜

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結構間が空いてしまいましたが、投稿できそうなので!

今回はラゴウのお屋敷に突入~になります。





そのうち夢主ちゃんの技とか術とか秘奥義とか考えなきゃ……(遠い目

PSPソフトのTOWシリーズのように誰かの秘奥義を真似するのは面白くないので!




19戦目

・・・

 

宿屋で休んだユーリ達はひとまず、そのラゴウの屋敷に行ってみることにした。だが、案の定、門前払いをされる。しかし、その門番は正式な門番ではなく、傭兵とのことだった。つまり、どこかのギルドの連中である。しかし、これ以上騒げば大事になってしまう。そのため、いったんは引き返すユーリ達。

 

「献上品を持っていくか」

 

ユーリのその一言で、リブガロを探すことに。確かに、中に入れる方法があるとすればそれだけである。そのため街の人々に聞いて回っていると、宿屋の前の十字路のあたりで、フレンたちと出くわした。

 

「相変わらず、じっとしてるのは苦手みたいだな」

 

その後も少しやり取りをした後、ユーリは先に行ってしまう。残ったエステルと、何となく残った飛鳥はフレンから、ユーリがどういった性格なのかを、聞くこととなった。

 

「ユーリは、守るべき物のためならとても真っ直ぐなんですよ。そのために自分が傷つくことを厭わない。それがうらやましくもありそのための無茶が不安でもあるんですがね」

 

「ユーリは、ユーリの正義がある。譲れないモノが、ある。そんで、自分が何を守りたいのか、わかってるんだ。じゃなきゃ、あんな風に動けない」

 

「アスカ……?」

 

「うちも、うらやましいんだ、あんなに真っ直ぐと動けるユーリが。うちにはずっと、自由なんて“なかった”からさ」

 

そう呟いた飛鳥。その時の飛鳥は、悲しそうに、笑っていながら、どこか懐かしむような、そんな表情をしていて、目は、どこか虚ろで。ドコを、見ているのだろうか。フレンとエステルには、飛鳥が見ているモノがとても遠い世界を見ているように見えた。そして、どこかに消えてしまいそうな程、弱くて儚い存在に見えたのだ。

 

そんな光景を見てしまったからか、2人はしばらく何も言えなかった。特にエステルは、最初期の、敬語を使っていたころの飛鳥を知っているが故に、今の飛鳥は何かが違う、と感じていた。フレンはフレンで、騎士団にいたという、飛鳥にやはり自分の、あの既視感は間違ってなかったのだと、確信するものの、やはり飛鳥と話した記憶がなく、戸惑うばかりだった。

 

「君は、どこかに囚われていたのかい?」

 

かろうじて、飛鳥の言葉の中にあった、自由がなかったという言葉を拾ったフレン。

 

「え?うん、そうやな。あそこは、例えるなら。牢獄と、同じようなモンかな。どこに行ったって、同じなんだ。どこにいても、何をしても、決して出ることなんて、叶わない、地獄と言っても差し支えのない場所。そこでずっと過ごしてきたんだ。だから自由なんてなかった。『外』にでられた今でも、まだ怖いよ。時々、夢に見るくらいには、な」

 

「アスカ?記憶、戻ったです?」

 

「………生まれてから、騎士団に入るまで、の記憶かな」

 

「アスカ?大丈夫かい!顔色が……」

 

「残念ながら、酷い頭痛がするね。雨は――好きだけど、嫌いだ」

 

そこまで言うと、飛鳥は2人が止めるのも聞かず、そのままユーリ達を追いかけていってしまった。

 

「アスカは、どうして記憶を失ってしまったんでしょう……」

 

エステルはそのことだけが疑問で、フレンも同じだった。

 

・・・

 

あれから、街の外に出てリブガロを探していると、割とすぐに見つかった。襲ってくるリブガロに対し、何故か殺気立っていた方々(エステル、ユーリ、リタ)により、すぐさまリブガロを気絶状態にしたのだった。気絶したリブガロに近づいたユーリはツノをポキッと折ると、そのまま踵を返した。殺さないのか、とリタに聞かれても、ツノが手に入ったという理由でそれをしないようだ。

 

街に戻ると、エステルに怪我を治してもらった夫妻がいた。夫の方は剣を片手に、どこかへ行こうとしている。しかし、そこをユーリは止め、手に入れたツノを投げ渡したのだ。そして、そのまますぐに立ち去ろうとするので、エステルたちはそれに続いた。

 

―ここにきて、連続で記憶を見せられてる……何かありそうな予感もする。っつーか、マジで痛すぎ。そろそろぶっ倒れる……歩くのしんどい。

 

半分苛立ち、半分気力でどうにか立っている飛鳥はそのまま宿屋に入る一行についていく。そこで、再びフレンとユーリの話し合い。それをぼーっと聞く飛鳥。そうしているうちに、再びラゴウの屋敷に行くことになったようだ。

 

「アスカ、大丈夫か?」

 

「これが大丈夫に見える?ま、でもうちも、ラゴウさんとやらには一発入れたいところだからね。多少の無理はするさ」

 

「辛くなったら言ってくださいね!」

 

「あー、うん、本気でやばくなったら、ね」

 

これは本音である。ラゴウには本気で蹴りを入れたい。とはいえ、飛鳥には蹴りを入れられるほどの技術はないため、現状ではユーリ達に任せるしかないのであるが。どうにか門番を突破できないかと考えていると。

 

「残念、外壁に囲まれてて、あそこを通らにゃ入れんのよね」

 

男の声がした。




というわけで、次回はあの人が登場です!

次回はラゴウの屋敷に侵入~となります。

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