次はアスピオ~になります。
挿絵のところに、一応オリ主のイメ画のようなものをあげましたので、見たい方はどうぞ!
・・・
ハルルを出たユーリ達は、アスピオに着き、早速中に入っていた。
「ここがアスピオみたいですね……」
「薄暗くてジメジメして……おまけに肌寒いところだね」
「街が洞窟の中にあるせいですね」
「太陽見れねぇと心までねじくれんのかね、
そんな話をしながら門の前までくると、門番に通行許可証の提示を求められる。
「許可証……ですか……?」
「ここは帝国直属の施設だ。一般人を簡単に入れるわけにはいかない」
「そんなの持ってんの?」
どうにも通してくれなさそうな雰囲気なので、ユーリが前に出て、知り合いがいるから中に通してほしいと頼むが、それならば知り合いからの許可証があるはずだ、と言われてしまう。しかし、少しのやり取りのあと、知り合いの名前を聞かれたユーリは
「モルディオ」
と答えたので、門番が目に見えて動揺し始めた。が、やはりだめらしい。ついでに、とエステルがフレンが来ていないか、と尋ねるが些細な事でも機密事項らしく、教えられないとのことだった。だが。
「フレンがここに来た目的も?」
という問いに対し門番は
「もちろんです」
と答えたのだ。
「……ということは、フレンはここに来たんですね!」
「し、知らん!フレンなんて騎士は……」
どうやら門番はエステルの策に引っかかったらしい。そのことから、やはりフレンはここ、アスピオにきていたらしい。いったん引き返し、すぐそばの岩陰で作戦会議をするユーリ達。そして、他の出入り口がないか探すことになった。
そして、入り口を探していると、扉を見つけた。が、やはり都合よく開いてはいないらしく、鍵が閉まっていた。そのため、ユーリとエステルはどうしようか、と話しあっていた。が、そのすきにというべきか、カロルが扉の前に立ち、ごそごそと何かをし始めたのだ。飛鳥は何をしているのかを知っているのであえて何もいわずに放置していたが。
そうして開けられた扉に入ろうとするユーリをエステルが止めるのだが。結局は一緒に街の中へ入っていくのだった。そして、いろいろと聞きこみをしながら先へ進んでいく。が、中々フレンの情報もモルディオの情報も出てこず、先へ先へ進むが、ついにモルディオの家を見つけ、「絶対、入るな。モルディオ」という張り紙がしてあるにも関わらず、鍵開けをカロルに任せ、中に入るのだった(その間、飛鳥は見守るのみで何も言わなかった)。
中に入ってみると、これまたすごいことになっていた。本があちらこちらにあふれ、本棚にもぎっしりと本が入れてあった。色々と探索しているが、目的のものは見つかりそうにない。そうこうしていると、部屋の中心に小柄な人影が現れた。その人影は、すぐさま火の魔術をカロルに向けて放つ。飛鳥はエステルの近くにいたため、大丈夫ではあったが。その間に人影――少女の後ろに回り込んだユーリ。
「こんだけやれりゃあ、帝都で会った時も逃げる必要なかったのにな」
「はあ?逃げるって何よ。なんで、あたしが、逃げなきゃなんないの?」
「そりゃ、帝都の下町から
「いきなり、何?あたしがドロボウってこと?あんた、常識って言葉知ってる?」
「まあ、人並みには」
「勝手に家に上がり込んで、人をドロボウ扱いした挙句、剣突きつけるのが人並みの常識!?」
なんて、やり取りをしているが、やはり飛鳥は見ているだけだ。ただ、ユーリの行動には難ありだな、なんて思いながら。そこで、エステルがここまできた事情を説明する。そしてユーリが魔核ドロボウの特徴を説明する。が、少女は自分の名前、リタ・モルディオと名乗っただけで他には興味なさげだった。
ユーリに実際はどうなのだ、と聞かれたが一人でに考えだし、一行についてきて、と促すのだった。しかし、理由も聞いていないのについていけるわけがなく。
「はあ?おまえ、意味がわかんねえって。まだ、話が……」
「いいから来て。シャイコス遺跡に、盗賊団が現れたって話、せっかく思い出したんだから」
「盗賊団?それ、本当かよ」
「協力要請に来た騎士から聞いた話よ。間違いないでしょ」
少女はそう言い残して、奥へ姿を消す。その間、ユーリ達は話し合う。
「なぁ、アスカ。お前はどう思う?」
「え?……そう、ですね……信憑性は高いと思いますよ。なので、今は彼女についていくべきかと…」
飛鳥がそういったことで、とりあえずはリタについていくことになったユーリたち。と、そこで着替えたのか、マントを脱いだだけなのか、格好の変わったリタが現れ、行こう言ってきた。そのため、ユーリ達はとりあえず東にあるというシャイコス遺跡を目指すのだった。
というわけで、リタをパーティーに加え、シャイコス遺跡へ!
次回はシャイコス遺跡~になります。