こんな亀更新でも二桁いきました(笑)
今回は休憩が終わって~となります。
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休憩を終えて先に進むユーリ達。だが、少し先に進んだところでラピードが右手にある茂みに向かって唸りだした。そしてそのすぐあとに
「エッグベアめ、か、覚悟!」
という、震えた声と共に小さな男の子が飛び出してきた。飛び出してすぐ攻撃―おそらく奇襲だと思われる―をしようとしたが、身の丈よりも大きい武器に振り回されてしまい、その場でグルグルと回転してしまう。飛鳥はこの光景を見て、武器に振り回されるってこういうことか、と思ってしまうのだった。しかし、すぐ止まると思われていた回転も、勢いが付き、遠心力も相まって中々止まらなかった。それを見かねたユーリは剣を構え、狙いを定めたかと思うと、少年の持っていた武器に一撃を当てた。少年ははでにすっ転んだが、なんとか止まったようだ。そこで様子を見に近づいてきたラピードを見て短く悲鳴をあげ、そのまま命乞いをし始めた。よっぽどラピードが怖かったらしい。
「忙しいガキだな」
ユーリがそう呟く中、エステルは大丈夫だと言いながら近づく。少年の口から魔物、という言葉が聞き取れる。そうやら、ラピードを魔物と勘違いしていたようだ。しばらくして、ひと段落したところで、少年は自身の名を名乗った。
「ボクはカロル・カペル!魔物を狩って世界を渡り歩く、ギルド『魔狩りの剣』の一員さ!」
「オレはユーリ。それにエステルとアスカ、ラピードだ」
少年―カロルが名乗ったのでユーリが自分たちの名前を名乗るが、そのまま踵を返して立ち去ってしまう。これにはさすがのアスカもどうしようかと思っていたが、エステルが謝り、お辞儀をしたので、アスカも合わせて軽くお辞儀をして踵を返した。一方、少年の方はというと、一瞬ぽかん、とした後ユーリ達を追いかけ、森に入りに来たんだったら…と言うのだが、自分たちはハルルに行くためにここまで抜けてきたんだと言った。すると、驚いた。どうも、この少年もクオイの森に本当に呪いがあると思っていたらしい。だが、ユーリ達が森を抜けてきたと知るや否や、質問をしてきた。
「あ、なら、エッグベア見なかった?」
「ユーリ、知ってます?」
「さあ、見てねえと思うぞ」
「そっか……なら、ボクも街の戻ろうかな……あんまり待たせると、絶対に起こるし、うん、よし!二人だけじゃ心配だから魔狩りの剣のエースであるボクが街まで一緒に行ってあげるよ!」
何やら一人でぶつぶつとつぶやいた後、自分も街に戻ると決め、ユーリ達に自分は
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ユーリ達が森を去ったあ後。壊れている魔道器が
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森を抜けた一行は街を目指して歩く。戦闘もあったが、特に問題なく敵を倒して街に無事到着。しかし、街にある大きな桜の樹は花は色がくすんでしまっており、結界もない様子だった。カロル曰く、満開の時期になると結界が一時的に弱まるという。そこを魔物に襲われたらしく、魔物は倒したが徐々に枯れ始めているらしい。そこまで話すとカロルの目の前を女の子が走り抜ける。その女の子を見た途端、カロルは用事があるといって走って行ってしまった。ユーリはあきれ気味にその様子を見つつエステルにフレンを探すのかと、確認した。はずだったのだが、街の中にいる怪我人達をみて走って行ってしまうのだった。飛鳥は、とりあえずはユーリと行動するのが一番だと思っているので、何も言わずにユーリの傍にいるのだが。
ジジ……ジジジ…
「っ!?」
座り込んでいる怪我人をみていると、いきなり飛鳥の耳にそんなノイズ音が走る。そしてすぐに灰色の何かと今の景色が重なった。その灰色の何かはすぐにわかった。座り込んでいる男女の大人に、そのすぐそばに駆け寄って膝をつく、幼い飛鳥だろう子供。そのこともは必死に「お父さん!お母さん!」と言っている。が、飛鳥にそんな記憶はない。おそらく“この世界”での飛鳥の両親との記憶なのだろう。その上、ない記憶を無理やり作られ、それを「知る」ということで「思い出す」ということになっているために、飛鳥はひどい頭痛がしていた。先ほど、森でフラッシュバックした時よりもひどいものだ。しかし、吐き気がするほどのものではなかったため、得意のポーカーフェイスで無表情を貫く。
「アスカ、見覚えのあるもんとかねえか?」
「……いえ、ないですね」
そんな会話をしながらエステルのもとへ行くと、フレンらしき人の話が出ていたので訪ねてみると、ここにいたらしいことがわかる。が、もうこの街にはおらず、結界を治すために東へ向かったという。だが、ここで待っていれば会えるとわかりエステルも少し安心したようだ。そこでユーリがハルルの樹を見に行こう、と提案したので皆で見に行くことになった。
今回はハルルの樹を見に行くところまで、です。
次回はハルルの樹を見に行くイベント~となります。