生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた   作:ラーカー

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誰が出てくるか原作
読んでる人にはまるわかりですね


とある兎と悪魔の端末

              後悔する者にのみ、許しが与えられる

                                  ダンテ

 

 

 

sideゲント

 東側の中層に位置する外門の一つでぶらぶらしているときにそれは現れた。

 

「ようやく見つけました」

 

 その疲れと怒りを感じるその声を聞いた瞬間、反射的に駆け出したが。

 

「逃がしません」

 

 しかし回り込まれてしまった。

 そのまま別ルートで逃げようかと考えたがそもそも目の前の悪魔の追跡から逃れることなんぞ容易でないため諦める。そもそも話しかけられてから即座に回り込める点から確実に包囲されてるのだろうから逃げきれないだろう。

 

「なんでラプラスの小悪魔がこんな所に?観光?それとも仕事?」

 

 ラプラスの小悪魔。母体であるラプラスの悪魔の端末として箱庭随一の情報収集能力を持つ箱庭には欠かせない存在である。

 

「仕事ですね。どっかのバカな子兎が行方不明になって捜索してたんですよ。今見つけましたがね」

「それはお疲れさん。梨食べる?」

「六分割してください」

「はいはい」

 

 怒っているが梨を献上したら即座に食いつくあたり現金である。そういえばなんで梨が好物なんだろこの子悪魔は。シャリシャリと梨をかじる小悪魔たち(いつの間にか6匹に増えてる)を見て可愛いからどうでもいいかと思考をブン投げる。

 こっちの考えが伝わったのか人の頭の上や肩の上なんかに好き勝手に乗ったのを見て感じて、周りからどう見えてるのかかなり気になる。

 

「そういやなんでお前らが捜してたんだ?今から帰るところだったんだけど?」

「一週間近く行方不明になってたあなたを心配してお父さんから捜索依頼が来たんですよ」

「相も変わらず親バカだなあ。というか母さんが妊娠してからひどくなってないか?」

「そうなっても一切、自重せずにブラついてるあなたには言う資格はありません」

「ですか」

「です」

 

 外門へ向かってブラブラ歩きながら時折梨のお代りを催促されつつ進む。果汁なんかを溢さないから汚れなくて楽でいいね。絡んで来ようとしたチンピラを因縁つけさせないように無視しながら会話を続ける。

 

「そうそう。どこへ行ってたんですか?中層と下層にはいませんでしたよね?」

「なんでそう思うん?」

「行きそうなところは見張ってましたし、その他の中層下層からも目撃情報は得られませんでしたので」

「本体から行先聞いてないん?」

「母さんからは心配するなの一点張りでしたので上層の何某かに招かれていたと推測してます」

「あったことねーけど、よくわかるなおい。流石全知の悪魔さまだ。悪いこと出来ないね」

「悪戯ばかりの子兎に言われたくないでしょう」

「その悪戯する前に追いかけまわしただろうが」

「自業自得です」

「そうだな~」

 

 手持ちの梨がなくなったところで指令塔役の小悪魔以外どこかへばらばらに飛んでいくのを見てなんか他にも仕事あるんだろうなと考えながらも頭に乗ってる小悪魔との会話を続ける。

 

「それでどこへ行ってたんですか?」

「まだその話題?」

「答えを聞いてませんので」

「地獄」

「ふざけないでください」

 

 真面目に答えたら怒られた。なぜだ?

 

「ふざけてないよ。本当に地獄に行って来てたの。閻魔様お人よしだったぜ」

「ちょっと待って下さい。なんでそのことを!?いや、地獄はただの生者は入れないはずですよ!?」

「大したことじゃないよ。帝釈天(とあるバカ)に閻魔様に閻魔殺し(箱庭産の酒)を持って行ってもいいか聞いたら許可してくれたぜ。地獄めぐり付きで」

 

 あのバカは今すぐ死ぬべきですねとか呟く小悪魔をなんか怖いのでスルーしつつ、境界門のすぐ近くまで来たので、使用時間外にも関わらず迷わず近寄り使用申請をする。

 

「ところで俺は今から帰るけどなんか伝え忘れとかないよね?」

「ではひとつだけ」

 

 咳払いをひとつしてからとんでもないことを告げてから飛び去る。

 

「妹さんが生まれたそうです。よかったですねお兄ちゃんですよ」

「はい?」

 

 一人取り残された俺はいろいろなことに思いをはせ、

 

「やべえ、母様になんて謝ろう」

 

 産まれる前には帰ると約束してたことを守れなかったことをどう謝るか悩む破目になった。




母兎>子兎

しばらく休載します
ざっと二ケ月くらい

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