生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた   作:ラーカー

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男の頭に兎耳とか誰得?

side俺

 6歳になりました。

 だからなんだという話ではあるがそれはウサギの獣人に生まれ変わって6年も過ぎたということだ。そのことに関して俺は笑うべきなのか悲しむべきなのか、はたまた前の人生をくだらない人生だったと鼻で笑えばいいのかそれともくだらない人生?にならないための教訓にするべきなのか、俺にはわからないことである。まあ、そんなことを言っても前の人生の事なんぞ全く覚えていない、むしろ思い出すようなことがなかった気もするがというか思い出す必要もないくらい薄っぺらい人生を送ってきたような気もするがそれはどうでもいいことだ。道端なんかに生えてる雑草並にどうでもいいことだ。

 ど う で も い い こ と な ん だ (真顔)

 

 まあ、本音はさておき。取りあえず今の自分の状況をまとめるためにおさらいをしよう。素数を数えて落ち着くのもいいが今回は自分の事をまとめることで落ち着くことにする。どうでもいいな。なんでこんな説明臭いことしなければならないのか。いや、別に誰も俺の考えてることなんざわかるわけないが。

 

 俺は青ウサギ(暫定)という風に呼ばれてる。なんでも推定寿命八百年の月の兎(二百歳で思春期らしいのでだいたいそんなもんだろう)とやらは10歳の誕生日に正式に親などから名付けされるというよくわからない風習を持つ不思議民族(種族?)らしく、髪の色から青ウサギということらしい。

 安直な上にもっとまともな呼び名はないのかと思ったが、なんか親はお偉いさんらしくあっという間に青ウサギという名は広まったようである。迷惑な上にそんな変な呼び名(断定)を定着させないでほしいものである。

 それで俺は今6歳。というか今日で6歳である。今日は俺の誕生パーティ(笑)をするらしいが、そんなことはどうでもいい。さて俺はどこにいるか、答えバカでかい屋敷(俺の家兼コミュニティの中心・類似例ホワイトハウス)の屋根に登って夜空の星を眺めながら下からの俺を探してると思われる怒鳴り声を聞きながら現実逃避しているところである。

 なぜ現実逃避しているか?それは単純にコミュニティのリーダーという俺の父親から逃げてるからです。え?なんで逃げてるかって?骨董品って壊れやすいよねうん。それで怪我したから血で息子は預かったなんて俺は書いてないし知らないよ。俺はなにも悪くない。はい、現在の状況確認しゅーりょー。

 

 なんか下の騒ぎが大きくなってる気がするが大したことではないだろう。攫われた云々言っているが俺には心当たりないしね。本拠地で警備が整ってる最重要の場所に誰にも気づかれず侵入して重要人物(子供)を攫うなんて犯人もすごい人物だな。

 まあ、やろうと思ったらできるかもしれないがというか狡猾な奴ならできるかもしれないな。なんせ月の兎とやらの種族の特徴として天真爛漫、といえば聞こえはいいが要はバカ正直な子供みたいなもんだ。騙そうと思えば騙せる程度にはちょろいしな。それゆえに俺とは合わない、というか俺は月の兎としては異端に分類されるくらいにはひねくれてる。よく言えば大人っぽく冷静、悪く言えば冷めてるという風に。

 元々大人?または大人の一歩手前といった人間というか存在だったため、どうも子供っぽく無邪気な一族とはウマが合わない、浮いているといった風にである。

 

「くだらないよなぁ。そう思わない?そこにいる人」

「気づかれてたみたいね」

 

 いえ、気づいてなかったけどなんとなくカマかけてみただけです。というかあんた誰?


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