あぁ、土蔵で行われているだろう個人的にFateで好きな場面ベスト10に入るシーンを見に行きたいが、そんな隙を見せればランサーに殺されてしまうから出来ない。召喚の魔力に驚いて、隙が出来たがそれもすぐに消え、土蔵とこっちに9対1位で警戒している。
十分の一以下でも警戒されたら隙が全く無いって英霊マジチート、いや自分が弱いのも有るだろうけどね。
「ち、やってくれるな坊主。」
「サーヴァントは嬉しくない?お兄さんは戦闘狂っぽいのに?」
「強ぇ奴は嬉しいが、今は本気で殺り合えないんでね。」
因みにこの会話の最中アンコールに炸裂の術式を刻んだ弾丸を装填して撃ってみたが、あっさりと弾き落とされた。対人なら防弾チョッキを着てようが、着弾した瞬間魔術によって爆ぜ、致命傷を与える弾丸なのだが英霊には豆鉄砲以下のようだ。これなら投石のほうが良いかも知れない、コスト的に考えて。
蛇剣を右手に、アンコールを左手に持ち、どうすれば投石を兵器クラスに出来るかに思考を移しそうになった瞬間、土蔵から蒼い少女が飛び出してきた。
振るうのは不可視の剣、風を集め光を屈折させる宝具『
士郎も土蔵から出てきて目の前の戦いに魅入っている。
そして、発動するランサーの宝具『
神話級の戦いが目の前で繰り広げられ、庭が凄い事になっている。まぁ小さなクレーターは炸裂弾のせいだが……
ランサーが撤退し、セイバーに士郎が駆け寄る。
しかし、セイバーはまともな対応をせず、こちらを一瞥すると士郎の制止を無視して走り去る。確か、士郎の身を案じて衛宮家に駆け付けた凛を敵と見なしてアーチャーに斬りかかって、士郎が令呪を使って止めるだったっけ?
セイバーを追いかける士郎に並走する。
どうでもいいけど、セイバーのこの行動は聖杯戦争とか知らなければ、殺人鬼か通り魔のそれだよね。
マスターが士郎でなければ破綻している可能性もある、考えれば当たり前だが、生前王と言う自分の意志を当たり前のように貫けた者が、人の下につく事が上手くいくはず無いのだ。四次のライダーやアーチャーのように楽しんでいるなら大丈夫だろう。しかし、セイバーは切実で重い願いを持っているのだ。マスターが自分の思う道から外れれば、口を出さずにはいられないだろう。そこで意見が合わなければ、後は悲惨なチームワークになり、内側から崩壊するだろう。
そんな事を考えながら走っていると金属音が響いた。
「……違う?」
セイバーに追い付いたそこには、銀のガントレッドでセイバーの聖剣を受け止める
そこは、虎なししよーやロリでブルマな弟子が居る道場の真上から2つ隣の教室。今日も赤毛白衣な先生と、やる気の無い学ランなアヴェくんがいた。
「アンリ´Sきゅーあんどえー!」
「いえー、さて、この短さについて説明はあるかな、先生?」
気まずそうにする先生にアヴェくんが詰め寄る。
「本当は士郎に聖杯戦争を説明するとこまで書きたかったらしいんだけど、アーチャーの変化を印象付けたかったんだって」
「ふーん、アーチャーは英霊エミヤなんだな」
「そうだよ。装備の変化は原作のアーチャーの右腕のコートの下に銀のガントレッドを着けてるだけだよ」
赤い弓兵より男装の麗人だせと騒ぐアヴェくんに先生は躊躇いなく発砲する
「あ、そうだアンコールの弾種について説明しようか」
「人にブッぱなしてから思い付くとか…」
「アンコールの弾種は幾つかあって、出てきたのは対魔用と対人用の二種、後は対人用がもう一種と切り札があるんだよ」
ゴム弾で撃たれ、動かなくなったアヴェくんをスルーし、先生は笑って続けた。
「次回、魔術師の会合
珍しく裏も表も無いみたいだよ」