弟くんがラスボスルート   作:潤雨

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連続更新です。
誰か戦闘描写にも耐えうる文才をください


魔術の英雄2

始まった闘争は、互いに引かぬ展開となった。戦闘開始と共にキャスターは空中へと逃げ、空爆のように魔術を降らせるが、アーチャーが狙撃を行いそれを妨害する。創名はアーチャーを狙うも、士郎の攻撃に防戦を強いられる。士郎が恐ろしい早さで成長しているとは言え、殺す者としての技量は創名の方が数段上だ。それなのに士郎が優勢でいられるのは、士郎を殺せば創名の目的が果たせない、という理由で創名が手加減しているからだ。

宗一郎と凛・バゼットの戦いも膠着していた。キャスターの補助を得た宗一郎は、凛とバゼットに対し互角以上の戦いをしているが、数の利は覆せず、決定打を与えられない。逆に、凛とバゼットが有利になれば、キャスターが少し無茶してでも援護を行うので押しきれない。

アーチャーが固有結界を使おうとすれば、その度に創名のアンコールから凛を狙った弾丸が放たれ、凛を守る為に動かざるをえず、結果として互いに劣らぬ膠着状態となっていた。

「あーもう!」

創名が焦れたように右手の蛇剣を士郎に投げつけ、士郎はそれをはじく。その僅かな時間に創名は、コートからなにかを取り出す。

「雷の杖!」

「オイ、それスタン・ロッドだろ!何魔術っぽく言ってるんだよ!!」

創名が取り出したロッドに対し、士郎が叫ぶが創名はニヤリと不敵に笑う。

「魔術による改良で出力5割増し、これぞホントの魔改造ってね。」

「笑えない!」

かするだけでも意識を奪いそうな強烈な電撃を纏うロッドに士郎は冷や汗を流す。

「せいぜい足掻いてね。士郎。」

「ッ!」

士郎が防戦一方になったのを見て、アーチャーは舌打ちする。創名が攻勢に出て出来た余裕で宗一郎の援護射撃を行うようになった。アーチャーはそのフォローに回り、キャスターが放つ魔術が増えるてしまう。

「んー、そろそろかな?」

「え?」

そんな中、創名の呟きを士郎だけが聞いた。

その直後、創名に大きな隙が出来た。士郎は、創名の右腕を払い、スタン・ロッドを離させると、突き飛ばし、尻餅をついた創名の喉に、チューニングの切っ先を当てる。

「……俺の勝ちだ。」

「……」

勝利を宣言を行った士郎に創名は何か言おうとし、次の瞬間に跳ねるように士郎に飛びかかり、覆い被さった。直後、爆る地面。キャスターが創名ごと士郎を撃破せんと魔術を放ったのだ。

「創名ァ!!」

魔術を受け、創名はコートが吹き飛び、背中は焼け爛れている。士郎が創名の名を呼び、助け起こそうとするが、それより先に創名が奪われる。

「あらあら、これぐらいで音を上げるのかしら?口程にもない子ね。」

ダメージで身動き出来ない創名を転位してきたキャスターが持ち上げたのだ。キャスターが創名の背中を撫でると、煙が上がり、背中の火傷がより深刻なものとなる。

「……ぁ、がァ!…」

「可哀想に、痛いのかしら?」

「ッ、創名を離せ!」

士郎の叫びにキャスターは冷笑で答えた。

「この子を助けたいなら、セイバーとの契約を破棄しなさい。」

「何……!?」

「あら、そんなに驚く事かしら?

この子は、貴方の大切な家族なんでしょう?セイバーをくれるなら、この傷も治療してあげるわ。

断るなら、残念だけど死んでもらわなくちゃいけないわね。」

キャスターの脅迫に士郎は言葉を失う。

「士郎、駄目!キャスターは私達を生かす気なんて無い。」

「余所見は止めておけ、遠坂。」

「きゃっ!」

凛が叫び士郎を制止するが、その隙を突かれ吹き飛ばされ、そのまま起き上がれない。

怒りを瞳に宿したアーチャーが憤怒のままに弓を引くが、キャスターは射線上に創名を入れ、盾にすることでそれを封じる。

戦況はキャスターに傾いた。勝利を確信し、キャスターは笑みを深める。そして、勝利を確信した時こそ隙だらけになるのは、人間でも英霊でも同じだった。

「(そして、自分の敗北だ。と言いたいところだけど、まだだよ。士郎)」

創名からの念話に士郎は目を見開き、キャスターの後ろを凝視する。その視線につられ、キャスターが振り向こうとした瞬間、キャスターの体に激痛が走る。

「…ぐぅ、あ、貴方は……!?」

後ろを見て、キャスターが悲鳴のような声を上げる。そこに居たのは一人の少年。

魔力殺しの魔術品を身につけ、英霊を傷付けえる程の神秘が籠った短剣を突き出した体制で止まっている少年は、間桐慎二だった。

「妹を、桜を返してもらうぞ。サーヴァント!」

 




そこは、虎なししよーやロリでブルマな弟子が居る道場の真上から2つ隣の教室。今日も赤毛白衣な先生と、やる気の無い学ランなアヴェくんがいた。

「アンリ´Sきゅーあんどえー!!」
「いえーい。」
「説明する所があるとか言ったけど、どうなんだろ、文章が薄くてないかな?」
先生が肩を落として言うと、アヴェくんも肩を竦める。
「作者的には頑張ったらしいけどなー……にしても、今回はワカメがラストに出てきたな。なーんか陰謀を感じるが…」
「露骨な話題の変換だね。けどグッジョブ。陰謀気にしちゃ駄目だよ。それでなくともワカメは扱いに注意しないと爆発オチに持ってかれちゃうんだからね」
「どうなんだよ。その認識は?」
「次回、
動き出した策略
お楽しみに」

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