やはり俺のVRMMOは間違っている。《凍結》   作:あぽくりふ

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お気に入り数200越えたらいいなあーとか思って見たらすでに280を越えていた。



・・・。



アイエエエエエエ!?ナンデ!?ナンデ!?


お気に入りしてくれた皆さん、ありがとうございます!


そして評価1を付けてくれた方。失望させてしまい申し訳ありません。精進します。しかし、どこが悪いか指摘して戴けると今後の作品改善に繋がりますので、低い評価を付けるときは感想欄でいいので改善すべき点を書いてくれると幸いです。



ではどうぞ。







十四話 そして彼と彼女は再会する。

 

................あー。

 

 

「知らない天井だ......」

 

 

......さて、ネタに走るのはやめるか。

 

起き上がって辺りを見回すと、そこは最低限の家具が置かれているだけの部屋だった。そして―――

 

「んにゃ.......」

 

 

俺が寝ていたベッドの側で椅子に座ったまま爆睡しているアルゴ。

 

...........状況が把握できない。よくわからんが俺は隔離されていたのか。

 

―――俺の中の最後の記憶はボスの撃破。あの焼き鳥にアニブレぶん投げたら奴の体力がゼロになって爆発したところまでは覚えている

 

 

―――あれは俺じゃない。

 

 

あれは俺がやったことだが俺じゃない。あんなのは俺じゃない。

 

自分が何をしていたのかはわかっていたし、理解していた。―――だけど、まるで幽体離脱したかのように実感が伴っていなかった。

 

ボスの攻撃を必要最小限で回避する自分の行動を、俺は別人を見るかのような感覚で認識していた。

 

―――四肢は鋼の如く冷えきり。心は常に最適解を弾き出す永久機関。その心を炉心とする血潮は全身を戦闘機械へと造り変えていく。

 

 

―――体は剣でできている。(I am the bone of my sword.)

 

 

なぜかその言葉がしっくりきた。もとよりこの体は敵を滅ぼすために特化した戦闘兵器。故にその存在理由は戦闘、存在意義は闘争、存在証明は敵の撃滅と打倒―――

 

 

「ッ違う!」

 

 

違う。手段と目的を履き違えるな。俺はなんのために戦っている。なんのためにここにいる。俺は、現実に帰るために。

 

―――だが、自分の心の一部分が囁く。冷えきった鋼の如き理性が呟く。

 

 

―――これはお前の目指した理想ではないか、と。

 

戦闘と闘争。なにを否定する必要がある。敵を越えることは自身の存在証明となる。自分が敵より上だとすることでこの世界に立つことを肯定する。その事実に偽りなどなく、其は紛れもなき真実。

 

―――あの闘争を、お前はどこかで喜んでいたはずだ。紛い物などなく、強さのみが真実であり正義である闘争。言論による欺瞞などなく、剣のみが真実。

 

―――それは、ある意味ではお前が追い求めたホンモノではないのか?

 

 

思考が泥沼へと沈んでいく。俺は、俺は、俺は――――――

 

 

「.....ハチマン?」

 

「ッ」

 

 

―――アルゴの言葉によって現実へと引き戻される。

 

心臓がバクバクと鳴っているのを感じながら、俺は危機感を感じていた。なんだアレは。アレは誰だ。

 

ふざけるなよ―――俺は殺人鬼にも戦闘狂にもなるつもりはない。

 

 

「やっと起きたのかハチマン―――って、どうしタ!?顔色がヤバいゾ!?」

 

 

なにやら驚いているアルゴを見て少し落ち着いた。

 

「................いや、なんでもねぇよ」

 

「そうカ.......まア、七日も寝てたんダ。無理はするなヨ」

 

「ああ―――って、は?」

 

 

今なんつったこいつ?

 

 

「七日ぁ!?」

 

「あア」

 

七日。七日。一週間。

睡眠が必要ないというのに一週間もぶっ通しで寝てたのか、俺?

 

愕然としているとアルゴが肩をすくめながら呟く。

 

「ハチマンの見張りのせいでオレっちはろくに情報収集できなかったんだゼ?反省しろよナ」

 

「あ、ああ.......よくわからんが反省するわ」

 

 

「今度なんか奢レ。―――あと、丁度これから26層ボスの攻略会議があるけど、どうすル?」

 

「早くないか?七日しか経ってないんだろ?」

 

「キー坊が前線にいるからナ」

 

 

どうする?というアルゴの視線に、俺は頷いた。

 

 

「行くわ。キリト達にも色々言わなきゃいけないしな」

 

 

 

 

※※※※※※※※

 

 

 

「ハチマンっ」

 

立ち上がって、椅子をひっくり返して駆け寄ってくるキリト。おい、椅子ひっくり返ったまんまだぞ。

 

 

「あー、悪い。心配かけた」

 

「もう大丈夫なのか?」

 

「ああ。わからんが動けるし大丈夫なんだろ」

 

「ならいいけど......」

 

いいから席に戻れ、と身振りで合図するとキリトは渋々戻っていった。犬かこいつは。

 

 

「―――さて、『暗殺者(アサシン)』も戻ってきたことだ。26層の会議を始めよう」

 

「ちょっと待てやこら」

 

「どうした?」

 

 

どうしたじゃねえよ。

 

「それ俺のことなの?」

 

「正式名は『影の暗殺者(アサシン)』だな」

 

「おいバカやめろ」

 

えー?という感じで首を傾げる聖竜連合のリーダー。なに、こいつボケ担当のキャラだったの?というか司令ポーズでそれやるの止めろ。

 

 

「黒の剣士と影の暗殺者(アサシン)。攻略組の代名詞だな」

 

「本当やめて下さいマジで」

 

 

そしてキリト。お前はキラキラした目で「やったなハチマン!一緒だな!」みたいな目を向けてんじゃねえよ。犬か。一緒にすんな。

 

「まあその事は置いておくとして」

 

ゲフンゲフンと咳払いをするリーダー。こいつ絶対許さねえ。

 

 

 

「ちなみに拡散させたのはアルゴだ」

 

「てめえかああああああ!!」

 

思わず咆哮した。許さん。次会ったら殴る。

 

 

「26層ボス攻略会議を始め―――」

 

 

「―――待って下さい」

 

扉を開いてカツカツと靴音を鳴らしながら入ってきたのはアスナだった。

 

 

「アスナ......?」

 

「26層から攻略に参加させたいギルドがあります」

 

 

キリトを無視して放たれたアスナの言葉にテーブルの面子がざわつく。そりゃそうだ、いきなり入ってきて開口一番に新ギルドを攻略に参加させろだって?

 

 

「―――実力は所属している私が保証します」

 

「―――は?」

 

 

え、なにこいつギルドに入ってたの?

 

キリトなら知ってるかなーと思ったが唖然としてアスナを見ているところから知らなかったらしい。

 

 

「......見てみないことにはわからん」

 

「だそうです。団長、入ってきて下さい」

 

 

そうアスナに言われて扉を開いて入ってきたのは髪を後ろで束ねた若干長髪の赤鎧のおっさん、それと――――――

 

 

―――嘘だ。

 

 

団長と呼ばれた男の後ろに立つ人物。

赤と白のコートを纏い、腰に刀らしきものを差している。

 

 

―――馬鹿な。

 

 

凛とした立ち姿には見覚えがあった。忘れるわけがない。半年以上も見続けてきたのだ。時には憧れ、そして俺が勝手に失望した。

 

 

―――何故。どうして。

 

 

流れるような黒髪。あまりにも整いすぎているその顔。黙ってさえいれば美少女だと言ったことさえある。

 

後ろで椅子が倒れてけたたましい音をたてるのも無視して立ち上がる。攻略組の面子の戸惑うような視線が俺を貫くが、どうでもいい。なんで、どうして。何故おまえが――――――

 

 

 

―――そして目が合った。

 

こちらを見て猫のような目が大きく見開かれる。口が僅かに震えながら開かれ、そして―――

 

 

 

「―――雪ノ下?」

 

 

「―――比企谷、くん?」

 

 

 

 

 




はい、ついに出ました。やっぱりこの人がいないと始まらない。


これで1章は終わりです。これからもよろしくお願いします!

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