とある上条さんの年齢変換   作:亀さん

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吸血殺し編 2

 

当麻が出て行ってから数十分が経ったが、一向に返ってくる気配のない玄関を見ていたインデックスが叫ぶ。

 

「遅いんだよとうま~~~~っ!!」

「たぶン当麻くンは今日中には帰ってこねェぞ」

「えっ!?」

「基本的に仕事を終わらせなきゃ帰ってこないからな」

「ええっ!?じゃ、じゃあアイスはっ、アイスはどうなったの?」

 

 

「「数日後にはあるだろ」」

 

 

「そ、そんなぁ~~~~」

ガックシという音が似あうように崩れ落ちたインデックスがまるで溶けたアイスクリームのように床に突っ伏しているのに幼い子に弱い百合子が耐え切れなくなりソファから起き上がって玄関に向かう。

 

 

「オイ、インデックス。今からガキ共の見舞いに行くからちょっと付き合え」

「ホントッ!?」

「早く支度しろ。おいてくぞ」

「行く、行くんだよっ!!」

バタバタと玄関に向かうインデックスとともに帝督もゲーム機の電源を落としてから外に出る。

 

 

「なンでオマエまで来るンですかァ?」

「いや、なんとなく?百合子が出かけるなら俺も行こうかなって」

「きめェ」

「ひどっ。俺だって傷つくんだからな!?」

「二人とも早く来るんだよっ。えれべーたーが来てるかも」

二人がギャーギャーと騒いでいるとエレベーターの前で白い修道服をきたインデックスが手を一生懸命伸ばして二人を呼んだ。

 

 

「チッ・・・・・・。全員分のアイス代出せよ?」

「了解」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「あらら。閉まってるな」

今の状況を伝えるなら帝督の言葉が簡潔だった。

 

「あ、アイスが・・・・・・」

病院の道のりにあるアイスクリーム専門店に意気揚々と先頭を行ったインデックスは無情にも一向に開かない自動ドアに貼られていた『店内改装のために休業します』という張り紙にまた撃沈してしまったのだ。

 

するとそこに二人の少年が百合子たちに気が付き不思議そうに歩いてきた。

その二人はよく帝督と馬鹿話を交わしてクラスメートたちから不名誉なあだ名を付けられている。

「あれ~?上やんにテイト君やんか、どうしたん?」

「おぉ赤髪と土乃門。久しぶりだなぁ」

「久しぶりだぜい。テイト君は百合子ちゃんとデートかにゃ~?」

「なにぃ~~~~っ!?僕を置いてテイト君はリア充ライフを満喫してるん!?これは夏休み明けのクラス宗教裁判で・・・・・・」

「はっはっはっは。悪いな赤ピ。俺は先に大人の階段を登らせてもらうぜっ」

「うぜェのが増えた・・・・・・・」

「ひどい言われっぷりだにゃ~~」

赤い髪色にピアス、長身の少年と、しっかりと鍛え上げられた筋肉質の長身の少年と帝督(と百合子)がそろって夏休み中にも関わらず二代目デルタフォースが完成してしまった。

 

能力で快適な気温に保っているはずなのだがデカくて暑苦しいほどキャラが濃いのが二人も増えて気のせいか気温が上がったように感じてイライラが増した百合子が会話をバッサリと叩き切ってインデックスを連れて病院に向かおうとすると赤髪の少年が百合子たちに声を掛ける。

「ボクら今からあそこに行くんやけど一緒に行かへん?」

「あァ?」

その声に百合子とインデックスが振り向くと、赤髪の少年の指がまっすぐハンバーガーショップを指していた。

「この店は閉まってるし、こんな暑い日は冷房の効いた店の中でシェイクを飲むのが一番だにゃ~」

「シェイクッ!?ゆりこ、ていとくっ、今日のおやつはシェイクにするんだよっ!!」

走り出そうとするインデックスの服を百合子が掴もうとするが、すでに頭の中をシェイクのことで埋め尽くしたインデックスの加速力に百合子の手が空を切る。

 

「ちょ、オイッ!?・・・・・ったく、土産どうすっかなァ・・・・・」

百合子は予定していた病院への

「コンビニの駄菓子とかでも結構喜ぶんじゃないか?あの子たち実質0歳児ばっかだし」

「テメェの案だってことが気にくわねェが・・・・・・・、それにすっか」

こめかみをマッサージしながら百合子はそう言うと先に行ったインデックスの後を追う。

 

 

「で、上やん。この男の子誰?もしかして子供?」

 

 

少年の純粋な興味による質問に百合子とインデックスの米神に青筋が浮かぶ。

「男の子・・・・?」

「そのピアスとふざけた髪すべて引っこ抜かれたいらしいな赤髪くゥうううううううううううン?」

 

今にも級友を素敵なオブジェに変えそうな百合子の肩に帝督が手を回して、右手をグッとサムズアップする。

「はっはっはっは、よくわかったな赤ピ」

「死ねエセホスト」

「ゴフッ」

能力で何十倍もの威力に跳ね上がった百合子の容赦ないひじ打ちを喰らって帝督の肋がベキベキと音を立てた。

ついでとばかりに蹲った帝督を蹴り飛ばしてこの中では一番話が通じる(かもしれない)土乃門に百合子が説明する。

「ちげェよ。当麻くンの知り合いの子守してンだよ」

「なるほどにゃ~」

 

 

「上やんセンセの隠し子ですたい」

 

 

「はァ?笑えねェ冗談言ってっとドタマ吹き飛ばすぞオイ」

「だ、だって上やんセンセモテるし、まだまだヤリタイ盛りでもしかしたら・・・・・・」

「絶対ねェな、ンなもン。だって当麻くンこっちが枯れてンじゃねェか心配するほどの聖人っぷりだぜ?」

百合子がため息を吐きながら視線を下に落としたのを見て土乃門の口から思った通りの言葉が出てしまう。

 

「それは上やんの体がひんそ・・・・・・」

土乃門が思わず口を滑らした瞬間、股間にメリメリと百合子の蹴りが食い込んで、土乃門が泡を吹いて倒れた。

「ツッチーズルいでっ!!上やん僕ゴァッ!?」

どこをどう羨ましがったのかルパンダイブしてきた変態(赤髪ピアス)の顎にアッパーを食らわせる。

 

百合子はようやくゴミを片付いたと言わんばかりに手を叩くと帝督の財布を抜き取るとファーストフードショップに向かう。

「オイ、早く行くぞ」

「いいの?放っておいて」

「大丈夫だァ。そいつらそンぐらいじゃ数分後にはケロッとしてやがるからなァ」

動揺しながらもインデックスは先を歩く百合子の後に続く。

 

 

この後、インデックスは自身の持つ魔導書にも載っていない人体の神秘を垣間見ることになる。

 


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