並の軍隊より怖い、お嬢様軍団が出発してから数分後、その標的となっている青年はビルの屋上で風に当たっていた。
来客の二人から聞いたある単語。
「禁書目録
会いに来た客は知り合いの男女。
彼らが持ってきたのは決して結婚しました、というあいさつの類の物では無かった(もしそうだったのなら男の方を殴り飛ばしていた自信はあるが)。
それを繋いでいる首輪を作りなおしたいから、破壊してリセットして欲しいという依頼だった。
「まぁ今回の仕事は見つかってからだしな・・・・」
今もこの街を逃げ回っているだろう禁書目録、それは魔術という異能を知る者ならだれもが知っている物
知り合いに関する依頼に当麻は独り言を呟きながら、時計を見る。
「ま、今の時間に戻っても間にあわねえし。今日は買い物に行くか・・・・」
ある少女が14にもなって誕生日プレゼントが貰えなかったと拗ねていた事を思い出した青年は苦笑しながらもある服屋、セブンスミストに向かった。
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あれから数時間後、ついに当麻を捕まえられなかった少女達は各自解散し、思いのほか早く暇になってしまった美琴はたまたま会った友人、初春と佐天と一緒にセブンスミストに来ていた。
「いろいろまわっているんだけど、いいのを置いて無いのよね」
そう言いながら見渡しているとピンクに花柄のパジャマが置いてあった。
ちなみに美琴は小さい頃は実験等の繰り返しだった為、度が外れてこういう可愛い物が好きなのだ。
が、しかし彼女の友人はそうではない為に。
「今どきこんなん着る人居るのかな?」
「流石にこれは小学生までですよね・・・・・」
と、無自覚に美琴にグサグサと言葉のナイフを突き立てる。
「そ、そうよね。これは流石に無いわね!!」
「へ?」
「・・・?」
美琴がいきなり声を張り上げたので二人は疑問に思いながらも水着を見に行った。
「(そうよ、パジャマなんて人に見せるものじゃないし、一瞬だけ合わせて見るだけだから・・・)」
一つを手に持ち、鏡の前にダッシュする。
「よし、どうだ・・・・・・」
「美琴はそれが欲しいのか?」
鏡に映ってるのはさっきのパジャマを合わせている美琴と、追いかけていた筈のツンツン頭。
「へ・・・・?」
錆びて回りにくくなった歯車のようにゆっくり後ろを向くと鏡に映っていた通り、
よれよれの白衣を着たツンツン頭が立っていた。
「プレゼントしてやろうかって言ってんだよ。この前、お前の誕生日忘れてたせいで拗ねてたろ?」
「べ、別にこれが欲しい訳じゃないわよっ。ちらっと見ただけ!!」
このツンツン頭の前でだけは見栄を張りたかったのにもかかわらず、
多少自覚している子供趣味を見られた事でパニックに陥った美琴は回転速度が半分の頭で無理やり誤魔化した。
誤魔化そうと頑張っている美琴を見て、
こうなったら意固地になるのを知っていたツンツン頭は美琴をなだめ、逃げに入る。
「あ~、分かった分かった。じゃあ俺はあの子の付き添いだからな。また明日な~」
「あ、ちょっとっ!!」
駆けてきた小さい女の子に手をひかれ歩いて行くツンツン頭を見て少しさみしくなったが、
二人が戻ってきたのでまた一緒に回り始めた。
すいませんが物語の都合上、これから登場する原作キャラクターの性格、ひどければ性別まで変わる可能性がありますがよろしくお願いします。