とある上条さんの年齢変換   作:亀さん

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七月十九日 その二

「当麻くンは心配し過ぎなンだよ・・・・」

少女、鈴科百合子は呆れながら当麻が作った朝食を食べている。

「自分のガキを心配しない奴が何処に居るんだよ」

「それを引いても当麻くンは心配し過ぎだっつーの。オレはこれでも第一位の超能力者なンですけどねェ?」

 

「それでもお前は俺にとって可愛い女の子だよ」

「な・・・・・」

当麻の天然な口説きに百合子は赤面して固まってしまう。

 

「ん?どうしたんだ、急に固まって」

「だ、だって今当麻くンがオレの事、か、可愛い女の「おーい百合子っ!!遊びに来たぜーっ」・・・ぶっ殺す・・・」

「って、待てっ!!」

玄関から聞こえた声に邪魔された少女は青筋を立てながらその声の主を睨みつける。

 

「垣ィィィィィ根くゥゥゥゥゥゥゥン?」

百合子が青筋を立てているのにも関わらず、歩み寄ってくる百合子に少年は満面の笑みを浮かべ両手を広げた。

 

「おぉ、やっと俺の胸に飛び込んっゴハァッ」ドカァン

「ドアがぁああああああああ」

少年は思いっきり百合子の能力で本来の何十倍もの威力を誇る拳で殴り飛ばされる。

 

「死ねよ、クソメルヘン」

百合子はそう吐き捨てると、テーブルに戻る。

 

「お前に好きだと言ってもらうまでは死なねえし。あ、当麻君、俺にも飯ちょうだい」

「わかった、帝督も飲みもんコーヒーでいいよな?」

「頼むわ」

 

「ま、お前が毎日飲んでんのよかは安物だけどな」

「・・・・ここで飲むからいいんじゃねぇか」

帝督がぼそっと呟いた言葉は当麻の耳には届かず、当麻が首をかしげる。

 

「なんか言ったか?」

「なんでもねえよ」

「そっか」

当麻はそう言うと台所に向かって帝督分の朝食を作り始めた。

 

当麻が台所で朝食を作っている時、残された二人には気まずい空気が漂う。

 

「・・・・で、テメェはなンで休日毎朝ここに来るンですかァ?」

沈黙に耐えきれなかった百合子は目の前に座っている知り合いを睨みつけながら質問する。

 

「決まってるじゃねぇか。百合子に会うためだろ!!」

「キモイ」

「ぐっ、今の地味に効いた・・・・」

「あっそォ」

 

「お前等は仲良くできないのか?」

二人がそんな掛け合いをしている光景を当麻が呆れながら見ていた。

 

「俺は何時でもウェルカムだがなっ!!」

「無理、生理的に受け付けねェ」

「グハッ・・・・」

 

「ほら、帝督。そんなとこにうずくまってないで飯食べろ」

「あ、ありがと」

 

当麻がやれやれと言いながら帝督の分の朝食と三人分のコーヒーをテーブルに置く。

 

「じゃ、いただきます」

すぐに立ち直った帝督は当麻の作った朝食を直ぐに食べ始める。

 

「やっぱり当麻君のコーヒーはうめえや」

「ははっ、ありがとな。っと、もう無くなりそうだな・・・もう一皿食うか?」

「おう」

「じゃ、待ってろ」

 

意外とこだわりを持っている帝督からも絶賛された当麻はニコニコしながら帝督に新しい朝食を作り続けた。

 

 


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