IFストーリー〜もしも過去に残っていたら〜   作:幼馴染み最強伝説

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三人目と黄金世代

 

俺がこの世界に来たのはほんの二年と半年前の話だ。

 

バイトから帰ってきて、眠りについたかと思いきや、見た事もない部屋にいた。

 

最初は夢の中で寝ていた的な感じかと思ったらそうではなく、俺のいた世界とは別の世界に来ていたという始末。そしてそれがISーー通称インフィニット・ストラトスの世界と知ったとき、俺は狂喜乱舞した。

 

間違いない。これは神が俺に与えたチャンスなんだと。

 

もうこんな二次創作物みたいな展開、選ばれた奴しか経験できない。そしてその選ばれた奴である俺は確実にISを起動させ、原作ヒロインときゃっきゃうふふ学園ライフを送れるに違いない。

 

だが、だからといって、俺は調子に乗らない。こういう良くある展開では調子に乗るか否かで噛ませか主人公かが決まる。これしきの入門編で調子に乗れば、俺は主人公とかの踏み台にされる。

 

だからこそ、俺は自己研磨を怠らなかった。何気に命懸けのバトルがある作品でもあるし、強い事に越した事はない。イレギュラーが起きた時に即時対応出来てこその主人公だ。

 

そう。だからこそ、俺は既に目の前のイレギュラー。本来ならいないはずの初の男性IS操縦者にして、生ける伝説と謳われている男ーー藤本将輝に接触していた。

 

「まさか、そっちから呼び出してくるというのは驚きだ。俺にも用はあったんだが、手間がかからなくて助かるよ。八重垣龍二くん」

 

「あんまり時間かけてるとこっちが不利になるからな。有無を言わせず先手必勝だ」

 

こいつが何か妙な事をする前に早いところ、化けの皮を剥がす必要がある。

 

その化けの皮というのは至ってシンプル。その世界最強という名だ。

 

そんな馬鹿なことがあると思うか?あのブリュンヒルデーー織斑千冬よりも強いなんてな。

 

非公式の試合で、全国家代表に対して勝利を収めたらしいが……所詮は非公式。世界中の人間の眼の前でってわけじゃねえ。

 

仮にこいつが勝ったとしても、何か裏があるに違いない。それこそ、女と男のバランスをとるための道化とかな。

 

だから、こいつの化けの皮を剥がして、俺は俺の学園ライフをエンジョイする。チョロチョロされると鬱陶しい事この上ないしな。

 

「単刀直入に言うぜ……一体何が目的だ?」

 

「……なに?」

 

「とぼけんじゃねえぞ。てめえの事は全部お見通しだ。今まで何年もかけてその名前だけの張りぼての地位を築いてきたんだろ?何が目的かは知らねえ……だがな。てめえがもし何か企んでるんなら、俺が叩き潰す」

 

「……OK、そう来たか」

 

どうやら観念したらしい。深くため息を吐いて、野郎は踵を返し……って、おい!

 

「どこ行く気だ⁉︎」

 

「いや。俺の友人かと思ったが、他人の空似だっただけだ。いくらなんでも、俺の友人にネジの飛んだ奴はいなかったからな」

 

「なっ⁉︎てめ、図星だからって、ふざけた事言ってんじゃねえぞ!」

 

「何を根拠に全部当たってると思ったかわからないが………そんなに言うなら、実力行使すればいい。俺の異名が君の言う通りなら、君の拳も当たるだろう。武道をやってるんだろ?歩き方や立ち方を見ればわかる」

 

へぇ……完全な張りぼてっつーわけじゃなく、ある程度は基盤を作ってんのか。

 

「はっ。後悔しても知らねえぞ」

 

「この程度で後悔する程、俺の人生はイージーじゃない」

 

「抜かせ!」

 

俺は地を蹴り、奴との距離を詰める。

 

はっ、案の定、反応出来てねえな。

 

「らあっ!」

 

奴の顔面めがけて回し蹴りを叩き込む!ジイさん直伝の回し蹴りだ。そこらの喧嘩自慢程度の不良なら即病院送り……あ、やばっ。

 

「いきなり教師病院送りにしちまったら、俺停学になっちまうな」

 

「その心配はいらない」

 

「あ?」

 

完全にクリーンヒットしていたはずの一撃は、あろう事か手の甲で止められていた。しかも、見た感じ、全く腕には力が込められていないにもかかわらず、全然動かなかった。

 

「成る程、確かにそこらの学生にしては強すぎるな。よく鍛えてあるのがわかる……が、俺を叩きのめしたいなら、今の蹴りの五十倍の威力と速度で蹴らないとな」

 

虫でも払うかのように野郎は足を払った。

 

あ、あり得ねえ……あれは鉄も凹むような一撃だぞ⁉︎それをあんな簡単に……ISも使ってなかったっつーのに。そんな馬鹿な話があるか!

 

「てめえ……まさか、本当に……」

 

「ま、君じゃ敵わないし、俺は君が『普通に』学園生活をエンジョイするつもりなら何もしないし、楽しくできるように援助もするつもりだ………が、妙な事をするなら、その時はご退場願おう

 

「ッ⁉︎」

 

向けられたのは、底冷えする程の冷たい視線。

 

あ、あれがこいつの本心……『狂人』の本当の姿……なのか?

 

無理だ……今のでわかった。こんな野郎、例えどんな人間だとしても、勝てるわけがない。

 

野郎がその気になれば、今ので五回は殺せた。

 

それでも生きてるってのは野郎にとって、俺がまだ『生徒』で護るべき対象だから。

 

そうでなくなったら、俺は間違いなく殺される。

 

「じゃあな、早く教室に戻れよ」

 

今度こそ、野郎は屋上から出て行った。

 

「………なんか疲れたな」

 

たった一瞬で考えを改めさせられた。

 

噛ませにならないよう努力をしてきた。

 

そこまでは良かった。

 

だが、よりにもよって、変に喧嘩を売ったせいで俺は立派な噛ませ犬になった。

 

もう、普通に生きよう。

 

そういうのを考えるのが急に面倒くさくなった。

 

俺は天狗になるでもなく、鼻をへし折られ、噛ませになりきる前に噛ませになった。

 

しかし、まあ。

 

これからはあんなのを相手にする事だけはしないでおこう。

 

心の底からそう思った。

 

そしてこの時、俺の地獄への道のりが始まろうとしていた事を、俺は知る由もなかった。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が教室に着いたのは三時間目開始のチャイムが鳴ってから少しだけ経ってからだった。

 

特別、俺が授業に出席する意味はないのだが、一応実技の担当教員でもあるので、三時間目の初めに行われるクラス代表の話には参加した方が良いと思ったからだ。

 

俺が遅れて入ると、相変わらず熱っぽい視線が集中する。それに千冬は額に手を当てて溜め息を吐き、真耶は苦笑する。いや、だから俺は悪くないんだ。悪いのはこの学園の伝統だ。

 

どうにもこの学園。俺がいなくなってからも、俺が成してきた事の全てを後輩達に伝えてきたらしい。

 

もちろん、それは美化されていて、大体の子は初対面にもかかわらず、崇拝されている。なんかもうわけがわからない。

 

俺は皆に前に向くように促すと、全員が一斉に前を向き、それを確認して、千冬が言う。

 

「さて、話を戻すが、クラス代表になりたい者はいるか?自薦他薦は問わん。クラスの総意ならそれで良し。自主性があるのもそれは生徒として素晴らしいものーーほう」

 

千冬が言い切る前に、三人が勢いよく手を挙げる。

 

因みにその三人とは一夏、箒、セシリアの三人。

 

「聞かずともわかるが……お前達三人は自薦という事でいいな?」

 

「「「はい」」」

 

稀に見る積極性である。原作では嫌々させられていたとは思えないほどだ。

 

「……やっぱり、あの三人が立候補しましたね。先輩」

 

不意に隣立っていた真耶が話しかけてきた。

 

因みにまだ先輩呼びなのは名前で呼ぶと突っ込まれる可能性があるとのこと。この呼び方なら学生時代の癖が抜けてないで通るからな。流石に生徒に重婚紛いの事をしているとは言えない。

 

「まぁ、あいつらは目指してる場所が場所だからな。試合経験の積めるクラス代表は効率が良いんだろう」

 

あの三人が目指す境地はもれなく俺達人外のところ。

 

それはあの時から何も変わっておらず、ここ二年ほど、時たまにしか会えなかったが、見るたびに強くなっていた。

 

「ところで先輩は知ってます?織斑くん達の呼び名」

 

「いや、知らないな」

 

箒が『神速』とか呼ばれていた気がするが、複数形になるとわからない。何分、この学園に来たのは実質今日が初めてだからな。

 

「『黄金世代(ゴールデン・ルーキー)』って呼ばれているらしいんです。なんでも、『伝説世代(モンスター・レジェンド)』の関係者だからだそうで……あ、四組の更識さんもそうですね」

 

「……なんていうか、また大層な名前がついてるな」

 

「そうですか?私はそうは思いませんけど……」

 

伝説世代とは俺達旧生徒会メンバーと、真耶の新生徒会メンバーまでを指す総称だ。

 

人間レベルを超えた圧倒的な強さに、どっかの国のトップが皮肉を込めてモンスターと呼んだ。いや、全く。言い得て妙だ。

 

大半は一夏の師匠が俺だということを知らないが、それを抜きにしてもブリュンヒルデの弟にISの生みの親の妹、一時期イタリアの国家代表をしていた華凛の妹である簪と世間的にミハエの後釜とされているセシリアはまさしく黄金世代と言えるだろう。

 

「他は………いないようだな。では候補者は織斑、篠ノ之、オルコットの三名とする……何かいい案はないか、藤本先生?」

 

げっ……いきなり話を振ってきやがった。

 

俺っていつも思うんだが、なんで気を抜いたタイミングで話を振られるんだろうか。そんなに気を抜いてるのがわかりやすいのか?

 

「クラス代表の座をかけて試合……っていうのはどうだ?幸い三人共(・・・)、専用機を持ってるしな」

 

「だが、それでは織斑が不利になるが?」

 

「一週間の猶予があればなんとかなるだろう。俺が教える」

 

途端にまたざわざわと教室内が騒がしくなった。

 

いや、確かに一人の生徒に肩入れしすぎるのも良くないかもしれないが、今回は勘弁してほしい。同じ男だしな。………まぁ、もう一人はなかなか個性的なやつだったが。

 

「ふむ。将輝が教えるなら問題ないか………」

 

おい。今めっちゃ名前で呼んでたぞ。生徒も何人か反応してるし、公私はきっちり分けるんじゃなかったのか。

 

「では、一週間後の月曜。放課後の第三アリーナで行う。織斑、篠ノ之、オルコットの三名はそれぞれ準備をしておくように。それでは授業を始める」

 

ぱんっと手を打って千冬が話を締めて、授業が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、師匠」

 

「ん?」

 

昼休み。食券を持って並んでいると、真後ろから声をかけられた。

 

そこにいたのは一夏と箒とセシリアというクラス代表をかけて試合する三人と………大名行列よろしく、一列に並んでいる大勢の女子達。

 

「師匠も学食?」

 

「まあな。俺はお前ほど料理が好きでもないし、上手くもない……後、今は先生って呼べ。バレると面倒なことになるぞ」

 

「わ、わかりました」

 

どうやら一夏も質問攻めされるのは嫌らしく、顔を引きつらせて頷く。

 

「はいよ。担々麺定食」

 

「ありがとうございます。まだこのメニューがあったんですね」

 

「あんたは絶対に帰ってくると思ってたからね。残してやらないと可哀想だろ?」

 

そう言っておばちゃんはにかっと笑う。本当にありがたいことだ。

 

先に席取ってるぞ、と言って、俺は四名様の席を………ん?

 

不意に見知った顔を視界の端に捉えた。見間違えるはずはないだろう、ああいう髪の色をしてるのはこの学園に二人しかいない。

 

「ここ座って良いか?」

 

俺は手に持っていたお盆を机の上に置きながら問うと、ほんわかした雰囲気の子と眼鏡をかけた物静かな子はこちらを向いて……

 

「お義兄ちゃん⁉︎」

 

「わー、お兄ちゃんだ〜」

 

急にハイテンションになった……いや、後者はハイテンションかどうかはわからないが。

 

「久しぶり。簪、本音。少し見ないうちに大きくなったな」

 

ほんわかした雰囲気の子は布仏本音。のほほんとした雰囲気が特徴であるが、組み立てるという一点においては目を見張る。それ以外はあれだが……まあ、保護欲をそそられるというところか。

 

もう片方の俺を見た途端にハイテンションになった眼鏡の子は更識簪。更識家の三女で基本的に人見知りであまり話さないんだが、どうにも俺相手にはとても喋る。出会った初日に事故でファーストキスを奪ってしまったのに、よく嫌いになられなかったもんだ。

 

「でしょでしょ〜、特に胸ーーもごっ」

 

「本音。それ以上は怒る……お義兄ちゃんも、またカッコ良くなった」

 

「はは、ありがとう。ところで、一夏達も来るけどいい?」

 

「いいよ。お義兄ちゃんもいるし」

 

「おりむ〜としののん〜?いいよ〜」

 

二人の了承を得てまもなく、三人が来た。

 

「おっ、簪と本音もいるのか」

 

「一年ぶりくらいになるな。久しぶりだな、簪、本音」

 

「うん……二人共、久しぶり」

 

「おー、おりむ〜もしののんも大きくなったね〜」

 

久しぶりに会った事もあり、四人は妙に懐かしそうな素振りをみせる……いや、まあ。一年も会ってないと懐かしいもんか。

 

「それで、そこにいる子は?」

 

「お初にお目にかかりますわ。わたくし、イギリスの代表候補生、セシリア・オルコットと申します。お見知りおきを」

 

簪の問いにセシリアが自己紹介も兼ねて答えると簪が首をかしげる。

 

「イギリス……?じゃあ、ミハエさん、の?」

 

「はい。あなたもあの方をご存知で?」

 

「う、ん。私は……少し苦手」

 

あー、そういえば簪はミハエが苦手だったな。ミハエとしては普通に接していたつもりだったんだろうけど、こう、シャキッとしろ、みたいな感じが俺以外は口下手な簪には辛かったんだろう。次点でクラリッサも苦手だった。というか、軍人気質の人間が簪は得意じゃない。

 

「お名前を伺ってもよろしくて?」

 

「……更識、簪」

 

「更識とはあのイタリアの国家代表を務めていた方の?」

 

「う、ん。お姉ちゃん」

 

「そうですの。では、あなたもわたくし達と『同じ』ということですわね」

 

「……一夏や箒ほどじゃないけど、多分。私は身体を動かすのはちょっと……」

 

簪は基本的にインドアタイプだしな。しょうがないといえばしょうがない。束ほど酷くはないし、運動が出来ないわけじゃない。嫌いなだけで。

 

それにしても、さっきのセシリアが言っていた『同じ』というのは、やはり真耶が言っていたアレの事だろうか。

 

「これで五人目……というところですわね」

 

「五人目?何の話なんだ?」

 

事情を知らない一夏が問うと、セシリアが話し始める。

 

「織斑さん、篠ノ之さん、更識さん。あなた達は自分達が世間からどういう評価を受けているか、ご存知ですか?」

 

「え?うーん、七年ぶり二人目の男性IS操縦者?」

 

「篠ノ之束の妹だな」

 

「私は、そこまで認知されてないはず……」

 

三者三様に答えるが、セシリアは首を横に振る。

 

「織斑さんや篠ノ之さんは強ち間違いではありません……が、より詳しく言うのなら『伝説世代』の関係者或いは血縁者というのが正しい認識です」

 

「な、なんだそれ?」

 

「おりむー知らないの?お兄ちゃんとか楯無お姉ちゃん達の世代の呼び方だよ〜」

 

一夏以外は全員知っていたらしく、うんうんと首を縦に振っていた。俺もそれだけは知っているものだと思っていたが……妙に抜けているな。

 

「そしてその世代の関係者或いは血縁者は総じてこう呼ばれています『黄金世代(ゴールデン・ルーキー)』と」

 

「なんだ、その大層な名前は。私達はまだ何もしてないぞ」

 

「ええ。まだそんな大それたことはしていません。ですが、『伝説世代』の中心人物は軒並み世界に名を轟かせています。ましてや、一人一人が国家兵力レベルの存在。わたくし達がその弟子というのは世間に知られてはいませんが、もし知られれば、このような呼び名では済まないでしょう。特に織斑さんの場合は」

 

「なんでだ?」

 

「一夏。数年前に俺がしたこと。忘れたわけじゃないだろう」

 

俺がそう言うと一夏は納得したように手をポンと叩いた。

 

俺は今でも世界の大部分には『亡国企業』を壊滅させた英雄としての反面、俺が脅すために演じた『狂人』としても認識されている。

 

世界で一番敵に回してはいけない存在、特A級の危険人物である俺はなかなかに海外旅行に興じれたりは出来ないのである。騒ぎになるから。

 

そしてその英雄でもあり危険人物でもある俺は世界から一挙手一投足まで警戒されている。その俺が弟子を取って、育てているなんて世界が知れば、もう泣くかもしれない。危険人物が更に増えるとか言って。

 

「質問、いい?」

 

「どうぞ」

 

「一夏と箒、私とあなた。四人しかいないけど、さっき言った五人はどういう、意味?」

 

「その事ですが、実はドイツにも一人。わたくし達と『同じ』軍人の方がいますの」

 

「軍人って事は……クラリッサさんの?」

 

「そうですわね」

 

ドイツで軍人って………もう一人しか思い浮かばないんだけど。

 

ここまできたら、絶対にあの子しかいないじゃん?そうなると原作と立場が逆転してらっしゃるわけだが。

 

「未だ専用機が完成していないので、完成次第こちらに来るそうですわ」

 

「その調子だと、鈴もその『黄金世代』に入るんじゃないか?あいつは束の弟子だしな」

 

「篠ノ之博士にお弟子さんがいらっしゃいますの?」

 

「ああ。訳あって中国に帰ったが、一夏の事もある。そのうちここに来るだろう」

 

そのうちと言わずにすぐに来る。原作の流れを考えると、第三世代のISは完成間近だろうし、なにより中国に同世代で鈴より優れた人間はそういないだろう。あいつもあいつでこちら側を目指している人間だからな。

 

………それはそうと。

 

「お前ら。早く昼飯食べないと時間ないぞ」

 

「「「あ」」」

 

一夏、箒、セシリアの声がハモった。

 

残る時間は十分。料理はまだ八割がた残っている状態でだ。

 

遅刻したら出席簿は落ちてこない(体罰ダメ絶対)が、それ相応の罰が待っている。

 

因みに俺は飯を食べる事を優先していたので余裕。簪と本音も余裕だ。

 

「急げよ〜。次の授業は織斑先生だ。遅刻したら待ってるのは地獄だぞ〜。あははは」

 

「なんで、そんなに、楽しそうなんだよ、師匠⁉︎」

 

「一夏!文句を言っている暇はないぞ!遅れれば死より酷い罰が……」

 

「優雅さの欠片もありませんわね……」

 

文句を言いながらもなんとか時間内に食べ終えて授業に間に合った三人だが、終始顔色が悪かったのは言うまでもない事だった。どれだけ鍛えてても食後の全力疾走は辛いよな。

 

 

 




三人目。まさかの勘違いや調子に乗り切る前に叩かれる。

出る杭は打たれる、ではなく、出る前に抜かれました。これはひどい。

三人目がこれからどんな人生を歩むか!乞うご期待!

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