きんいろモザイク ~THE GOLDEN STORY~ 作:legends
今回は、以前にきんモザと人気漫画及びアニメがコラボしたとの事で、この小説でも、との事でオリジナル回を含めた番外編という形でコラボしました。本編で分かると思いますが答えは後書きの方で!(白目)
後、若干のキャラ崩壊を含んでいます。ご注意下さい。
Episode extra 休日の邂逅
「……暇」
休日の昼の一時、不意に口から一言出る。
俺は現在、絶賛フリーな状態だ。何故なら、朝は普段通りに起き、そのまま課題をやり済ませた後、昼食の準備をして姉さんと一緒に昼飯を食べた。その後、食器を洗い終わった次第、今に至る訳だ。
姉さんは勇さんと勉強しに行って、更にはカレンは何やら『ちょっと旅に行ってくるデース!』とか言って、二人は家におらず、話し相手もいない。べ、別に友達いない訳じゃないからね!
だから精々スマホでゲームするか、もしくは静かに読書をするかどちらかだ。別にそのどちらかで時間を過ごすのも構わないのだが……
「あ、久し振りに“あそこ”行くか」
不意に思い立った。よくよく考えれば今言った場所でまったりと読書をすればいいじゃないか。そういう所でゆっくりと時間を過ごすのも悪くない。
そうと考えたら思い立ったが吉日、財布と鞄を持ってその場所へと向かった。
☆☆☆
「……着いた」
家から出て約数十分後、目的の場所へと辿り着いた。店の名前が、喫茶店『ラビットハウス』と言う。
実は何気に、俺はここの常連だったりする。きっかけはぶらりと良い喫茶店を無いかと探している時、木組みの家と石畳の街が広がる地域で偶然この店に目が留まった。
以前ここで飲んだコーヒーが美味かったんだよなー。
外見は外国みたいな洋風建築で、店の前にはカップを持ったうさぎのような看板がある。
「ちわーす」
シックな感じの扉を開け、カランコロンと小気味良い音を立てる。そしていざ入ってみると、何処か質素だけど風味がある良い店だと毎回思う。
「あ、いらっしゃいませー!」
店のカウンターに立っていたピンクベージュ色の髪の女の子がこちらに気付き、笑顔で対応してくれた。
取りあえず、適当に空いている席に座ると、先程の少女がメニュー表を渡してくる。
「健君来てくれたんだね、ありがとー」
「なんの」
ニコニコと笑う少女に、俺も笑みを返す。
彼女はこのラビットハウスでバイトをしているらしく、名前をココアと言う。俺と同じく高校一年生らしい。
え? 何でお互いの名前を知っているのかって? そりゃあ何度も来ていつの間にか常連になってたから互いの名前を知っちゃったんだよ!
……といった事はさて置いて、メニュー表を見る。様々なバリエーションのコーヒーがあって選ぶのがちょっと楽しい。
「取りあえず、アイスカフェオレを一つお願いできるかな?」
「かしこまりましたー」
俺がココアに注文すると、そう言いながらカウンターへと戻っていく。今日はたまたまカフェオレが飲みたい気分だった。
別にコーヒーが飲めない訳ではないからな? ってさっきから誰に対して言ってんだ俺は……。
彼女が戻って行ったカウンターには、ココアの他に黒髪ツインテールの少女と青髪ロングの少女―――順番にリゼとチノだったような気が。毎回チノの頭の上に載せてる物体の正体が気になる……
取りあえず待っている間が暇なので、持ってきた本を鞄から取り出し、読む。
「あの~、それは、何の本でしょうか?」
「え?」
いざ読もうとすると、俺の後ろの席に座っていた女性―――傍から見て、椅子を除けば背中合わせのような形で話し掛けてきた。
い、いつの間に……結構真面目に気付かなかったぞ。
振り返ると、眼鏡をかけた髪がベージュ色の女性が此方を横目で窺っていた。逆に女性の方は万年筆を持ち、机の上には原稿用紙がある。小説家だろうか?
「えっと、推理小説ですけど……」
取りあえずそう答えておく。俺は推理小説だけじゃなくて、他の本も読んだりする。だからといって文学少年という訳でもないんだけど。
「そうでしたか。私、小説を書いているんですよ。閃きを求めて……」
「という事は、小説家さんですか?」
「はい」
おっとりとした感じで話す女性。どうやら俺の目は一応狂ってなかったらしい。
しかし、“閃きを求めて”、というのは放浪してるみたいな言い方だな。
「小説家ですか、凄いですね。じゃあペンネームとかあるんですか?」
「はい、“青山ブルーマウンテン”と言います」
……不思議な名前だ……
「今、不思議な名前だと思いました?」
「えっ、いや、てか何でそう思ったんですか?」
「顔に出てました」
「……マジっすか」
てっきり心読まれたのかと。どんな顔してたんだよ俺。
と、俺が自己落胆してた時だった。
「チノちゃん大変だよ!」
カウンター付近でココアの声が響く。何があったんだ?
「ミルクが足りなくなっちゃった!」
「なんでやねん!」
ハッ! ついいつものノリでツッコんじまった。しかも関西弁風で。
てか、ミルクって喫茶店で確実に必要だろうよ! それが足りなくなるって一体何したらそうなるんだよ!
「まさか、ラテアート作りすぎてそうなったんじゃ……」
「多分そうだろうな……」
チノとリゼが冷や汗を掻きながら推測していた。
って、いやそうじゃなくて! 冷静に考えるんじゃなくて誰かツッコんであげましょうよ! まだ客が俺と青山さん二人だから良いものの、これ以上だったら結構やばかったぞ!
しかもラテアートって……明らかに仕事から外れた趣味だよね!?
「微笑ましいですね~」
「いや何和んでるんですか!? そこは注意とかをですね……!」
青山さんが何故か和んでいた。この人もしかして天然?
「いやあ、リゼちゃんみたいに戦車を書こうとしたらちょっと上手くいかなくって……」
「戦車!? 何でラテアートで戦車書こうとするの!? てか書いた方も書いたほうだよ!?」
随分大層な事をしようとしたなオイ!
―――更に。
『皆! 大変よ!』
「千夜ちゃん!?」
突然扉をバーンと開けて和服姿の少女が入ってきた。
いや、何で客が居るのにさも当然のように入ってくるの!? いつもこういうノリなのか!?
「ど、どうしたんだ!」
「試作品のコーヒーあんみつをシャロちゃんに食べて貰ったら酔っちゃった!」
「あへぇ~」
千夜と呼ばれた和服少女が制服姿の金髪少女を引き連れ、明らかに酔ってますって言った感じの表情。
もうやだこの空間……
「千夜! シャロはカフェインで酔うはずだったろ!」
おおっ、リゼが代わりのツッコミを入れてくれた。あなたが神か。いや癒しか。
「あっ、素で忘れてたわね」
「テヘペロしながら言うな!」
ワタシもう、ツッコミし過ぎて息が荒くなってるぞ。
「そんなにツッコんで疲れませんか?」
「疲れますよ! ていうか見てたなら少しぐらい助けて下さいよ!」
「私、ツッコミの才能は無いので……」
「そういう問題!?」
終いには、青山さんの言葉にすらツッコミを入れる始末だった。
結局その後、無事に注文した品はくれたものの、落ち着いて本は読めないのだった。
休日が、疲れた日になってしまった……
青山さんの口調が分からない……
という訳で、コラボしたのは『ご注文はうさぎですか?』でした。いやあ、いいですよね、ごちうさ。二期も始まっていつもぴょんぴょんしてますwww
ああ、それを書きたい衝動ががが……
次回は恐らく年明けかと思われます。