俺の名は塩野瞬二!!   作:床太郎

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始まりの刻

 

 

はい、どうもこんにちは。

先日いろいろやらかしまくった塩野瞬二です。

 

 

いやぁ焦ったね~まさかあんなところに東京喰種きっての最凶さんに会うとはね~。

 

見つけた瞬間、あっ詰んだって思ったね。

ほんと生きてて良かったぁぁあああ!!

今なら命の尊さを語れるね。ざっと二、三十秒くらい…。

 

 

あっでも高槻泉のサイン会にはもういけない。

何でだと思う?

それは俺がやらかしまくったからさ♪

相手が弱ってるってわかってチョーシにのった俺はボロクソ言いまくった挙げ句、

恩着せがましい発言+キメ顔をおみまいしちゃったのさ。

 

どうしてあんなこといったんだろ(泣)

今はただあの頃の俺を全力で殴ってやりたい……。

 

次あったら全力で殺しにかかってくるよぜったい。

まだ原作始まってないけどもう既に詰みですわ。

泣きたくなってきた……。

 

 

ま、まあ気を取り直してげんじょーほうこくをしますと、なんかね母さんが病んじゃいました…orz

 

父さんが死んでから全然元気がなくてあんなに楽しそうに行ってた生け花のレッスンも、もう二週間はいってない…。

 

 

そんな母さんのためにしてあげれることを考えました。

そしてさんざん悩んだ挙げ句、思い立ったのは"ご飯を作ってあげる"でした。俺マジ平凡、でも優しい!!

おいこら誰がマザコンじゃぁぁあああ!!

至って普通?の中身おっさん中学三年生です☆

 

 

 

そんなこんなで俺、力作カボチャオムライスの完成さ

それを母さんに渡す。

 

「ありがとう。ホントにダメねぇ私って、捜査官の夫を持ったとき覚悟はしてたんだけどねぇ。いざそれが現実になるとこうも落ち込んじゃうなんて……」

 

「でも母さん近いうちにぜったい立ち直るからもう少し待っててね」

 

母さんは大丈夫そうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その次の日母さんは自宅で首を吊っていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校の帰り道俺は一人で歩いている。

 

〔ねえ聞いた?お隣の塩野さん、家の中で首を吊って自殺したんですって。〕

 

違う。母さんは自殺なんてしない。

 

〔知ってる知ってる。その前に旦那が死んですごく落ち込んでたんですって。〕

 

〔でも塩野さんもひどいわねぇ、息子一人だけ残して死ぬなんて……私だったら考えられないわ。〕

 

ガンッ

 

気付いたら家の塀をおもいっきり殴っていた。

ビクッとしてさっき話してた近所のおばさんたちが振り返る。

 

「母さんは自殺なんてしない!!」

 

そうだ考えられない!!

母さんは落ち込んではいたけど、立ち直ろうと頑張ってたんだ!!

 

じゃあどうして?誰かが殺したのか?なんのために?

 

そんな思考に浸っていると近所のおばさんたちのひそひそ声が聞こえる。

 

〔何?あのこ?〕

 

〔ほら塩野さんとこの息子さんよ。きっとこの不幸な出来事を受け入れられないのよ。可哀想に…。〕

 

俺は無性に悔しくなって走りだした。

とにかくこの場にいたくなかった。

 

自分の家の中に逃げ込むようにして入る。

鍵をして耳を塞ぎ崩れ落ちるように玄関に座る。

 

そしてあの日警察の人にも言われたことを思い出す。

 

【君は少し混乱してるんだよ。いずれ時間と共にわかってくるさ。辛いこともあるかも知れないけど頑張りなさい。】

 

俺が間違えているのか?

こんな不幸な出来事が続いて受け入れられない、だから変な妄想で逃避しているのか?

 

分からない解らない判らないワカラナイ。

 

モウナニモワカラナイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある一軒家そこに何人もの黒い衣類を身に纏った人たちが入っていく。

その標札には塩野という名前が彫られている。

 

 

 

 

俺は何をしているんだろう。

なんの感情もないただの機械のように自分の役割を全うする。

また一人家に入ってきた。

よく小さい頃家に来て一緒に遊んでくれた叔父さんだ。

 

「今日は御忙しい中ご足労いただき有り難うございます」

 

「久しぶり瞬二くん。辛かったね。お父さんが亡くなってすぐにお母さんまで…」

 

 

などと典型的な挨拶を終え、たんたんと作業を続ける……。

 

次々と進んでいく…。

あれ?おかしいな。

なんか感情がなくなったみたいだ。

なにも感じない。

父さんの葬儀はあんなに泣いたのに何で涙が出ないんだろう?

 

そうして何事もなくお通夜が終わり

みんな帰っていく。

俺は叔父さんの家に預けられることになった。

 

 

 

 

その夜、俺はおもむろに外に出た。

やっぱりおかしい。なんで俺は泣かないのだろう。

こんなに悲しいのに……。

 

夜道を歩く。

近くの公園につくと手頃なベンチに座り夜空を眺める。

 

ポツッポツッ

 

雨が降ってきた。

そういやあの日もこんな雨の日だったなぁ。

 

あの日、隻眼の少女とあった時のことを思い出す。

彼女も今の俺と同じような、どこか欠けているそんな目をしてたな。

なんて考える。ホント俺はもう狂っちゃってるな。

こんな時にもし彼女にあったらなんて考えている自分がいる。

 

 

やっぱり彼女と俺は同類なんだろうか?

隻眼ってだけじゃなくいろんな意味で。

 

 

「はははっホント狂ってる」

 

「いや狂ってるのはこの世界だよ瞬二くん」

 

そこに立っていたのは傘をさしてこちらに微笑みかける初老の医師、嘉納教授だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘉納先生?」

 

 

「この世界は囚われている。大きな鳥籠に。だから世界は歪み、狂い、すべてを惑わす。私はそんな鳥籠を壊し、世界を救いたい。そして創り変えるんだ。それが私の目標だよ。塩野瞬二くん、そのためには君の力が必要だ。私に力を貸してくれないか?そうすれば君の憎しみや苦しみは全部私が消し去ってやれる」

 

すべてを惑わす、ついていきたくなるカリスマ性、そんなものをこの人は持っているのだろう。

 

なんでこんなに冷静なんだろう。心が落ち着いている。

彼女のこと以外なにも考えていなかった筈なんだけどな…。

 

そう思いながらも少しだけ感情を表に出す。

 

「そんなことのために母さんを殺したのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ!?」

一瞬理解が遅れた。いや理解出来なかった。

最高のタイミングだったはずだ。気付くはずがない!!

そんな私に追い討ちをかけるように彼は再び口を開く。

 

「今の発言、あたかも狙っていたかのような最高のタイミング、自殺するはずのない母さんの自殺、それらを合わせると真実が見えてくる」

 

「何を言っているんだい?私が君の母を殺した?そんなはずないじゃないか!!」

 

「もう遅いよ。俺の発言に対してあんたの心拍音が一瞬上がった」

 

「なんでそんなことがわかるんだい?」

 

「わかるよ。あんたがそうしたんだろ?こんな体に」

 

ッ!? 

やっと理解した。もう何を言っても無駄だと。

 

「そんなところまで気付いていたのか。いつから私を疑っていたんだい?私は君の命の恩人であり、ある程度の信頼関係は築けていたはずだ…」

 

純粋な疑問をぶつける。

 

「……最初から」

 

ッ!?彼はごく当然のようにそんなことを言ってのけた。

そんなバカな!?彼は最初から知っていながらも近づいてきたというのか?

 

「一体どうやって知ることができたんだ!?」

 

「おまえには絶対教えない」

 

そういいながら、彼の左目は赤く染まっていく。

 

「くっ!?潔くここは引いておこう」

 

私は物陰に喰種化計画の過程で産み出した失敗作の中で戦闘能力が高かった2体を潜ませていた。

 

それをこちらに呼び、こいつらが足止めしている間にこの場を去る。

まさかこんな結果になるなんて。計画を造り直さねばならない。

やってくれたね塩野瞬二くん……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後原作10巻に出てきた実験体みたいなハゲのおっさん二人と退治する。

ちっ逃がしたか。

まあそれよりもこいつらを倒すほうが先決だね。

といってもやり方はすごく簡単だけど。

 

俺は鞄から父さんが護身用にとCCGからくすねてきたハンドガン形Qバレットを取り出す。

 

すると二人いっぺんに攻めてきた。

でも俺から半径一メートル以内に入った途端、膝をつく。

俺の体質のせいだ。

 

俺は拳銃の銃口を相手の頭に向ける

 

「お前たちもそんな生き地獄のような生活は嫌だったろ?」

 

「安らかに眠れ……」

 

夜の公園に銃声が二度、響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから俺は別段なんなく成長していった。

高校の時に編集プロダクション、まあ読んで字のごとくいろんな編集をする場所だ。説明めんどい。でアルバイトをやった。

高校を卒業してからは、アルバイト時代の実績を見てスカウトしに来た出版社に入って働いている。

 

まあ俺は前世も編集者をしていたからな。

当然さ。ドヤッ

 

今は期待の新人として働いてるのさ!!

 

今年で19歳!あと一年で二十歳だぜ( ̄▽ ̄)ゞ

まあ前世足したらもうすぐ50歳。

お爺ちゃんやん……。

 

今の家は比較的危険の少ない20区にあります。

叔父さんの家が20区だったのさ。叔父さんグッジョブ!!

 

まあそんな感じで叔父さんと二人で暮らしてます。

え?叔父さんに家族はいないのかって?

言ってやるな。察してやれ。

前に一生独り身でいるの?って聞いたら、ショゲテ励ますの大変だったよ……。

 

はい、現状報告終わり!

 

今日は新人賞を受賞したって言う作家さんがこの出版社に原稿の持ち込みをしに来るのさ。

楽しみだぜ!!

 

 

 

 

コンコンノックの音がする。

来た!!

 

「どうぞ入ってください」

 

「失礼します」

 

そう言ってドアが開き入ってくる。

 

少し長めの髪、癖ッ毛なのだろうか。ところどころはねている。身長は150センチ前半だろう。小柄だ。

ん?なんか見たことあるような?

 

そんな彼女は俺に向かって笑いかけながら口を開いた。

 

「借り、返しに来たよ……」

 

 

 

 

 

 

片や昔、精神的な傷を負い何かが欠けてしまった少年と、

片や人間に憎しみを持ち、一人ぼっちの孤独な少女。

 

もし仮にこの二人を主役に作品を書くとすれば、

それは悲劇か、それとも……。

 

 

 




これで一応、序章が終了です。
次回から原作に入ります。
でも、テスト週間になちゃったので更新ペースが落ちると思いますが、ご了承ください。m(__)m

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