カウントダウン~A HAPPY NEW DAYS~   作:幻想の投影物

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今回は本当に短いです。
次はじっくり濃くするつもりですが。


まさかの

「君とナフェちゃんはこっち、そのリアカー…? は……」

「ああ、いいっすよ自分で運んで繋げとくんで」

「それは助かる。それじゃ此処は危険だから、その車に乗ってすぐに移動しよう。海のアーマメントが全部散ったとはいえ、安全なところなんて無いんだからね」

「はーい……(ねぇ)」

(きくな、俺も何でこうなったか分からん)

 

 コードプロジェクト12。

 それによって編成された「PSS」と呼ばれる対エイリアンの軍隊組織が存在する。それは「UEF」と呼ばれる組織の傘下に在り、その上からの報告を受けて民間人の確保、地球に点在するアーマメントの破壊、戦力増強によって打倒エイリアンを掲げて訓練など、真に人類の危機だからこそ必死で誠実な組織として活動している。

 だから、それに属して居る者たちは教官や同僚の存在が良い事もあって、誠実であったり、戦う事に必死ながらもどこか底抜けに明るい印象を持っている人間ばかりだ。もちろん、汚い人間は本当にいないと断言できるわけではないが。

 

 そして、彼とナフェはそのPSSに保護されていた。

 その理由は簡単。PSSの軍が偶然にも(・・・・)異常発生したアーマメントをここぞとばかりに倒しに来ていたのだが、その横を人知を超えたスピードで例の一行が通り過ぎ、やっとヨーロッパ州到着だ! と喜んでいたところを逃げて来た民間人だと思って保護してしまったからである。

 そして彼らは大幅に世界旅行計画を変更することになり、人類最後の砦「モスクワ」へと向かっているのであった。

 

「……こいつが走った時の方がいいなぁ」

「あれ? ナフェちゃん何か言った?」

「べっつにー」

「ああ、何か遅く感じる俺って一体……」

 

 保護された二人はどこか変な思考回路をしながらも大人しく連行(?)されていた。

 そうとも知らず、運転している人物は気軽に話しかけてくる。

 

「しっかし、良くあんなに食料が在ったな。世界を回ってたんだって?」

「まぁ、はい。ソーラーパネルとモーター充電、それから風力発電で冷蔵庫だけは動かせましたし、10数年でそこら中に畑からはみ出て自生した野菜とかもありましたから」

「そりゃぁ良い事聞いた。今度本部の上にその事話しておくよ。これで当面の食料問題は解決だな。あんた等のだけで1年は持ちそうだし」

「それは、まぁ良かったんじゃないでしょうか」

「なんだよソレ。あ、そう畏まらなくていいぞ? 上下関係気にしてたら生き残れないだろうしさ」

「そうか、じゃあ頼むわ」

「変わり身早っ」

 

 そうツッコミを言いつつも、運転を続けるPSSの隊員。これだけの遠出をしているためか、いろんな電子機器が取りつけられている装甲車を運転している彼は、走行しながらもそう言った電子機器を時折いじったりして通信や調整を行っている。よほど聞きの扱いに長けた訓練をしてきたのだろう。

 

「そういやそっちの名前は聞いても、自己紹介がまだだったな。ロスコル、ロスコル・シェパードだ。間違っても犬なんて言うなよ」

「ああ、シェパード・ドッグだっけ?」

「いきなり言ったよこの子っ、というか、君たちも随分風変わりだなぁ。世界を回っているにしてはアーマメント手術受けてるし」

 

 このように普通に連行される理由。たったいま、彼が漏らした「アーマメント手術」と言う言葉。これが、ナフェがエイリアンとして認識されていない事に起因していた。

 この世界はアーマメントという機械が攻めてくるだけあって、当然それの鹵獲をして研究を進めている。そしてアーマメントは人体に適応する事が出来ると分かった瞬間、人々の医療技術は唸りを上げていた。

 戦いに次ぐ戦い。そのなかで当然ながら腕や足を損傷して失くしてしまった人物も多く、そのような人たちはアーマメント手術を受けることによって新たな機械の腕や足を得ている。まぁ、敵のアーマメントから技術を横流ししているだけなので不格好な形が多いのだが。

 

「それにしても、ウサギの耳なんて洒落てるな。…あの()が生きてたら、こんなに可愛かったかなぁ」

「親族か?」

「姪っ子なんだけど、目の前でね」

「ふーん、死んじゃったんだ」

「うわっ、駄目だ。この子絶対にあの子と被せられないわ。君はどんな教育したんだ」

「あった時からコイツはこうだよ」

 

 それから数日間、モスクワのUEF本部に到着するまでは三人が駄弁り、時折別の場所に向かうPSSメンバーの討伐隊とすれ違うなどして毎日を過ごした。「彼」の驚異的な身体能力やナフェの価値観の違いにロスコルは驚いていたものの、それもこのトンでもない世界で培われたものだと信じて疑わず、人類も頑張ればできるものなのだと感銘を受けていた。

 

 そうして遂に、三人は人類最期の砦になる予定の場所「UEF本部」へとたどり着いた。

 

「……そう、保護してきたんだ。女の子と青年……野郎は好みじゃない? ばーか、数少ない同士だろうに……ああ、それじゃ開けてくれ」

 

 

 ロスコルが通信を取ると、目の前の重厚な門がゆっくりと開けられ、新たな生き残りを祝う数百人の人が集まって来ていた。この世界に来てから始めて見た人類のその数に、彼は大きく目を見開いて驚愕する。

 

「ようこそ、UEFへ!!」

 

 最期の砦が、異星人の侵入を許した瞬間である。

 

 





さぁ、作者達にも予想外のUEF到着!
……本当にどうしてこうなった。

これから異星人とそれに目をつけられているとも知らない人類はどうなるのか!
はたして、その結末やいかに――――――
ご愛読、ありがとうございました!








終わりませんけどね。

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