妖怪の賢者と龍の子と【完結】   作:マイマイ

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異常気象の元凶らしき雪女と対峙する龍人達。
吹雪に支配された白の世界で、龍の子は自らの力を行使する。

……ある兆候が、現れ始めている事も知らずに。


第111話 ~終わりの兆候~

 世界が白に染まる中、龍人と士狼は同時に動いた。

 それぞれ炎の剣と呪狼の槍を持った2人は、この異常気象の原因であろう雪女に向けて先手の一撃を繰り出す。初めから加減などしない一撃、ほぼ同時に放たれたその一撃は雪女の身体へと叩き込まれようとして。

 

「なっ!?」

「うおっ!?」

 

 その前に、2人の身体が後方へと吹き飛んでいった。

 相手に何かされた、それは理解したが何をされたかは判らず、2人は近くの小屋まで吹き飛ばされる。

 衝撃で小屋は粉砕し、木片が2人の身体に降り注ぐが、構う事無く再び攻め込もうと立ち上がり。

 

「何っ!?」

「こいつは……」

 

 士狼の右腕が槍ごと凍らされ、龍人に至っては左腕と右足が凍り付いてしまっていた事に気づいた。

 あの一瞬でこうも簡単に肉体を凍らされた事実に、2人は驚きを隠せない。

 とはいえ人ではない2人にとってこんなもので決定打になる筈もなく、けれどすぐに戦線復帰は難しい状況に立たされる。

 

 その隙を、雪女は逃さない。

 虚ろな瞳を2人に向けながら、雪女は徐に右手を前に突き出す。

 瞬間、空気が凍りつき巨大な氷柱が計十八本、生成されると同時に必殺の速度で2人に向かっていく。

 

「やべっ……」

「ちぃ……!」

 

 凍りついた箇所に意識を割いている余裕はない、2人は迫る脅威に対処しようとして――その全てが、粉々に砕け散った。

 2人を救ったのは、既に全身に肉体強化魔法を施した白蓮。

 彼女は雪女との間合いを一瞬でゼロにして、強化した右の拳を情け容赦なく相手の顔面へと叩き込んだ。

 

「っ……」

 

 全開の彼女の拳は、鬼の一撃に匹敵する。だが攻撃を与えた白蓮は顔をしかめ、追撃を仕掛けられるというのに自ら雪女から間合いを離してしまった。

 

「……厄介ですね」

 

 呟きを零しつつ白蓮は自身の手、完全に凍りつき動かせなくなった右手へと視線を向ける。

 直接攻撃ではこちらの身体が凍りつく、ならばと白蓮は一度飛翔し体内の魔力を一気に開放させた。

 彼女の周りに浮かぶ四枚の光翼、その一つ一つに強大な魔力が凝縮されており、矛先が向かう場所は当然雪女只1人。

 

「南無三……!」

 

 両手を大きく羽根のように広げ、白蓮は凝縮された魔力を一気に開放する。

 光翼から放たれるのは、あらゆるものを呑み込まんとする巨大なレーザー砲。

 白銀に輝くその光は、避ける事もできない雪女を一瞬で呑み込んだ。

 吹雪を消し去りながら白い光は空へと消え、先程まで居た場所から雪女の姿も消えていた。

 

「……やったと思うか?」

「さあな。白蓮、その腕戻すからこっちに来てくれ」

「はい、お願いします」

 

 地面に降り立ち、龍人の元へと駆け寄る白蓮。

 すぐさま龍人は“炎龍気”の力を用いて自分達の凍った箇所を解凍していった。

 ……まだ戦いは終わっていない、確かに白蓮の一撃は効いたとは思うが決定打ではないだろう。

 雪女の姿が見えなくなっても吹雪の勢いは微塵も衰えていない、その事実が龍人にまだ戦いが終わっていないと警戒心を抱かせていた。

 

「っ、飛べっ!!」

「くっ……」

 

 叫ぶと同時に、3人はその場から大きく跳躍する。

 刹那、先程まで龍人達が居た場所から巨大な氷柱が地面から突き出てきた。

 あのまま何もしなかったらあの氷柱に風穴を開けられていた、背筋に冷たい汗を伝わせる3人に更なる脅威が迫る。

 

「くぅ……っ」

 

 更に強まる吹雪が、3人の身体に襲い掛かる。

 否、もはやこれは吹雪などではなく絶対零度の嵐だ、現に3人の身体は徐々に凍りつき始めていた。

 白蓮がすぐさま防御魔法を展開するが、それでも尚止める事ができない。

 

「このままじゃ……」

「おのれ……こんな状態では相手の姿はおろか匂いすら追えん……!」

「それだけじゃない、これをすぐに止めないとこの村全体が凍りつく!!」

 

 しかし、士狼の言う通り視界は塞がれ相手の居場所が見つけられない。

 この嵐そのものに相手の妖力が編み込まれている、それを辿って感知する事も難しい。とはいえこのままでは全滅する、自分達だけでなく村の者や……漸く白蓮達が再会できた、星とナズーリンも。

 

「……そんな事、させるかよ!!」

 

 数百年という年月の果てに、大切に想う者同士が再会できた。

 それを消させるわけにはいかない、まだ彼女達はこれからの未来を幸せに生きる義務がある。

 だから龍人はその為にならば己の力を使う事を躊躇わない、たとえ()()()()に行き着く結果に繋がろうとも。

 

「――白蓮、すぐにみんなの所へと戻って全力の防御魔法を展開しろ」

「えっ?」

「士狼、俺がどうにか相手を引き摺り出すから、お前は必殺の一撃の準備に入ってくれ」

「……わかった、頼むぞ」

 

 突然の言葉に困惑する白蓮だが、士狼はすぐに頷きを返しその場で槍へと妖力を込めていく。

 

「白蓮、早くしろ。いいか? 全魔力を使って防御しろよ」

「い、一体何を……」

「早くしろと言った筈だ!!」

「わ、わかりました!!」

 

 龍人の剣幕に圧され、すぐさま星達の元へと向かう白蓮。

 それを見届ける事はせず、龍人はすぐさま右足に“龍気”を込めていった。

 自らが生成するものだけではなく、大気中に漂うものも込めていく。

 

「……龍人、お前」

「頼むぞ士狼、“これ”を放ったら多分俺はまともに戦えなくなる、後は頼むぞ?」

「…………わかった。詳しい事はこの際問わん、後は任せてくれ」

 

 頼むな、もう一度士狼に言って龍人は既に臨界を越えた力に更なる力を集めていく。

 黄金に輝く龍人の右足、強大すぎる力は荒れ狂う嵐とぶつかり合い尚も勢いを強めていった。

 彼が次に放つのは神龍の一手、あらゆる者を叩き潰し消滅させる龍の尾。

 

 一度上昇してから、龍人は黄金の右足を振り上げたまま地面に落下していく。

 ……次の一撃は、相手に当てる必要がない。

 というより相手の場所を捉えられない以上、当てる事は不可能だ。

 だから強引にこの世界を破壊する、彼が次に放たんとしている“奥義”はそれを可能としており。

 

「――――龍尾撃衝(ドラゴンテール)!!」

 

 力ある言葉を放ちながら、彼は地面に向かって右足を振り下ろし。

 地表が、否、惑星全てが激しく揺れ動く程の衝撃と共に、白の世界を黄金の光が瞬く間に霧散させていった。

 

 これが狙い、この世界によって相手の姿が捉えられないのならば先にこの世界を破壊する。

 彼の目論見は見事に的中し、黄金の光が嵐を吹き飛ばし――雪女の姿を、視界に捉えた。

 同時に、士狼は全身の筋肉と妖力を用いて呪狼の槍を雪女に向けたまま掲げ。

 

「貰ったぞ……!」

 

 大きく上体を反らし、全ての力を込めてその一撃を投擲する……!

 呪狼の槍が、空を、空間を、自分の軌道にあるもの全てを薙ぎ払いながら雪女へと向かっていく。

 投擲による一手は今泉士狼にとって文字通りの全力の一撃ではないものの、それでも放たれたそれはあらゆる者を貫き粉砕する破壊の一手。

 

「――――」

 

 虚ろであった雪女の表情が、驚愕のまま固まる。

 当たり前だ、士狼の一手は雪女が身構える前に彼女の身体を貫いたのだ。

 ――決着は、それで着いた。

 ごぼっと口から血の塊を吐き出しながら、雪女は空から地面へと落ちていく。

 

 その姿を見て、士狼は飛んでいった呪狼の槍を自らの手元へと引き寄せながら。

 地面に激突する前に、雪女を優しく受け止めた龍人の姿を見たのだった……。

 

 ■

 

「――成る程、そんな事があったの」

「ああ、幸い誰も死なずに帰ってこれたよ」

 

 そう言って、龍人は用意されたお茶をゆっくりと飲み始める。

 一方、北の大地から戻ってきて事の顛末を龍人から聞いた紫と藍は、呆れたように溜め息を零していた。

 

――戦いは龍人達の勝利で終わり、村の者達を守る事ができた。

 

 それだけならば文句の付けようの無い、大円団で終わる話であるが……世の中そんなに甘くはない。

 確かに龍人達は雪女に勝ち、異常気象を終わらせ村の者達を救った。

 しかしである、彼が氷の嵐を消し飛ばす為に放った龍尾撃衝(ドラゴンテール)のせいで、村は完全に崩壊。

 ただでさえあの技は神龍爪斬(ドラゴンクロー)を超える破壊力を持っているのだ、そんなものを加減などせずに全力で放てば村の1つや2つ消し飛ぶのは道理であった。

 

 結果、住む場所を失ってしまった村の者達を、幻想郷へと連れてくる事になったのはいただけない。

 あの地で眠る事を決めていた者達の願いもあり、村を元通りにする羽目になったのだ。溜め息の1つも出したくなるのは当然であった。

 まあ村の者達は誰もが寛容で、龍人の仕出かした事にも笑って許してくれたのでこれ以上の面倒事には発展しないだろう。

 

「それで……人狼族を幻想郷に住まわせる話だけど」

「もう話は付けているわ。でも向こうが里ではなく“迷いの竹林”で暮らしたいと申し出てきてね、こちらとしてはどちらでも構わないから好きにさせる事にしたわ」

 

 どうでもよさそうにそう告げる紫に、龍人は眉を潜める。

 だが今の紫にとって、人狼族の事など二の次三の次にしたい気分であった。

 何故か? それは勿論……さも当たり前のように同じ部屋で冷たい飲み物片手に寛いでいる雪女のせいである。

 

 龍人達との戦いを経て、この雪女……レティ・ホワイトロックは正気を取り戻した。

 暴走していた理由は本人曰く「わからない」というなんともふざけた理由ではあるのだが、本当に覚えていないのならば仕方がないと割り切る事に。

 それで済めばそこまでだったのだが……何を思ったのか、レティは龍人についていきこの八雲屋敷にやってきてしまった。

 連れてきた龍人に対しても文句の1つや2つはあったものの、彼の性格を考えると放っては置けなかったのだろう、なのでこの際それは置いておいてだ。

 

「おいレティ、離れろよ」

「いーや、うふふふ……」

「……さっきから、どうして龍人に引っ付いているのかしら?」

 

 額に青筋を浮かばせながら、紫はどうにかこうにか内側から爆発しそうな怒りを抑えつつ、龍人の肩に自身の頭を乗せのんびりとしているレティへと問うた。

 因みに、紫の傍に立っている藍の表情も、主人と同じく怒りに満ち溢れたものになっている。

 そんな2人を見て龍人は困り顔を浮かべ、元凶であるレティは紫達を小馬鹿にするような笑みを浮かべながら。

 

「いいじゃないの。だって私……彼の事が気に入ったのだもの」

 

 挑発するように、レティは龍人の腕に自身の両手を巻き付かせた。

 瞬間、屋敷全体の空気が一変する。

 怒りを爆発させた紫と藍の妖力が屋敷の壁や柱に亀裂を走らせていき、殺意を持ってレティへと襲い掛かった。

 

「野郎オブクラッシャアアアアアッ!!」

「何その叫び!?」

「おい紫、藍、やめろって――」

 

 止めようとする龍人だが、もう遅い。

 レティに向かって吶喊する紫と藍、そんな2人を真っ向から迎え撃つレティがぶつかり合い。

 

 その日、八雲屋敷が全壊した……。

 

 ■

 

「あははははははっ!!」

「……龍人、今回の事はあなたにも原因があると思うわ」

「えっ!?」

 

 永遠亭の一室にて、龍人は先程起こった『八雲屋敷崩壊事件』を今夜の寝床を貸してくれた永琳と輝夜へと話していた。

 すると輝夜は腹部を押さえながら大笑いし、永琳は呆れつつも少しだけ龍人を責めるような口調で上記の言葉を口にする。

 自分にも原因があると言われ驚く龍人に、永琳はますます呆れながらも言葉を続けた。

 

「あなたと紫は夫婦なのでしょう? だというのに他の女を連れてきて怒らない妻が何処に居るというのかしら」

「そんなつもりじゃなかったんだけど……」

「だとしても、紫が面白くないと思うのは当然でしょうに」

 

 龍人の反応に笑い転げていた輝夜も、彼を軽く睨みつつ責めるような言葉を放った。

 

「もうあなたと紫の関係はただの友達なんかじゃない、お互いを愛し合う夫婦なの。

 なら相手に対する接し方も変えないといけなくなる、そうしないと……無意味にあの子の心を傷つける事になるのよ」

「………………」

 

 輝夜のその言葉で、龍人は先程の自分の行為が如何に罪深いかを漸く理解した。

 傷つけたくない彼女の心を傷つけた、龍人にとってそれは決して許されない大罪に等しい。

 ……謝らなければ、別室にて不貞腐れている紫の元へと向かおうとする龍人を、輝夜が止めた。

 

「ちょい待ち、謝る必要なんかないわよ。確かに今回のはちょっと龍人が無神経だったのもあるけど、紫の反応も大人げないものだったのだから今回はどちらも悪いわ」

「でも、俺が紫を傷つけたのは事実だろ? 謝って済む話じゃないかもしれないけど……」

「龍人はちょっと重く考え過ぎよ、まあそれだけ紫が好きなのでしょうけど」

「ああ、俺は紫が一番好きだ」

 

 恥ずかしげもなく、躊躇いもせずにそう言い放つ龍人に、輝夜と永琳は少しだけ居心地が悪くなった。

 

「でも、ならなんで藍まで紫みたいに怒ったんだ?」

『…………』

 

 ああ、やはりこの男はこういった面では()()()()()足りない。

 そんな理由など今までの会話の中で理解できるだろうに、2人は心の中でそっと藍に対して合掌を送ったのだったとさ。

 

 ■

 

「ふぁぁ……」

「眠いのならもう寝なさい、寝室の場所は判るわよね?」

「ああ……そうだな……おやすみ輝夜、永琳……」

 

 立ち上がる。

 と、ぐらりと視界が揺れた……ような気がした。

 

「…………」

「龍人?」

「……なんでもない、おやすみ」

 

 部屋から出て、割り当てられた寝室へと向かって廊下を歩いていく。

 ……身体に、痛みが走った。

 最初は小さな、けれど秒単位でその痛みは大きくなっていく。

 

「なん、だ……っ、がっ?」

 

 口からくぐもった悲鳴が飛び出した。

 痛みは激痛へと変わり、龍人の身体を容赦なく蝕み始める。

 呼吸をするだけでも痛みは押し寄せ、立っている事すらできずに龍人はその場で蹲ってしまう。

 やがて呼吸もできなくなり、痛みは脳を焦がし意識を混濁させていった。

 

「は、っ、が……!?」

 

 痛い。

 痛い。

 痛い。

 

 ぐちゃぐちゃに掻き回された意識の中で考えるのは、身体に走る痛みの事だけ。

 おもわず叫び出したくなるほどの苦しみが絶えず襲い掛かってくるが、そんな事をすれば皆が異変を察知し駆け寄ってくる。

 それだけはしたくない、心配を掛けたくないと龍人はただただその痛みに耐え続けた。

 

 月の光が照らす下で、芋虫のように蠢き苦しみ続ける龍人の姿は、異常の一言に尽きる。

 いつまでこの痛みは続くのか、このまま苦しみ続けて死んでしまうのか。

 思考が焼き切れかけ、彼の命の灯火は確実に小さくなっていく。

 ……それから、どれだけの時間が流れたのか。

 

「…………は、ぁ……ぁ……あ」

 

 身体だけでなく魂すら傷ついているのではないかと錯覚してしまうほどの痛みが、消えていた。

 ゆっくりと立ち上がり周囲を見て、自分以外の存在が居ない事を確認して安堵する。

 先程のような姿を誰かに見られては困る、特に紫に見つかれば……また彼女の心に余計な負荷を与える事になるのだから。

 

「……動く、まだ動ける……」

 

 忘れてしまった動作を思い出そうとするように、龍人は身体を動かし異常がない事を確認する。

 そう、異常はない。

 異常などある筈がないのだ、自分の身体はいつもと同じく無駄に元気で頑丈で。

 

「そうだ、どこもおかしい所なんてない」

 

 自分に言い聞かせる、そうしなければ……考えなくていい事を考えてしまう。

 けれど、全身から噴き出している汗と記憶にこびり付いた痛みがその行為に何の意味もないと訴えていた。

 

「…………参ったな」

 

 自嘲の笑みが、龍人の口から零れ落ちる。

 誤魔化しなどできない、彼は自分の身に何が起きたのかを充分に理解していた。

 突然襲い掛かった謎の痛み、それは()()()()()()だ。

 

 ……かつて、彼は地獄の女神であるヘカーティア・ラピスラズリから決して抗えぬ未来を聞かされた。

 今の生き方を続ければ、龍人族として戦いを続ければ苦しみの果てに死を迎えると、宣告された。

 その始まりがやってきたのだ、思ったよりも早く……そして思っていた以上の苦しみと共に。

 

「大丈夫だ。まだ……きっと」

 

 その呟きは、都合の良い未来を夢見る愚者のものだ。

 それでも龍人はそう思わずには居られない、そう願いたかった。

 けれど、そう願い度に龍人の中の冷静な部分が顔を出す。

 

 もう戦うな。

 もう力を使うな。

 もう、誰かを守ろうとするな。

 

 出来る筈がないのに、自分自身がそう訴えかけてくる。

 死にたくないのならば今の生き方をやめろと、叫んでくるのだ。

 

「……無理だよ、それは」

 

 変えないと誓った、変えたくないと心が思った。

 ならばそんな訴えには耳を貸せず、頷く事なんてできなかった。

 そして同時に、その未来を受け入れるつもりもなかった。

 

「死なないさ、俺は……絶対に、死なない」

 

 新たな誓いを建て、龍人は天を見上げる。

 黒い空を白く照らす月は美しく、それを瞼に焼き付けるように凝視しながら。

 

「――負けないさ」

 

 うわ言のように、そう呟いた。

 

 

 

 

To.Be.Continued...




次回からは新しい章に入り、後半戦となります。
ここまで読んでいただきありがとうございました、続きも読んでいただけると嬉しいです。

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