GANTZ 変な特典をもらった男の物語   作:鼻眼鏡26号

28 / 75
勢いで書いた後悔はない。






和泉の宣言+新宿のガンマン

その夜、竜伍のケータイが着信音を鳴らす。

 

 

「来たか。………もしもし、何か用か?」

 

 

知ってはいても一応自然を装いながらも電話を出る。

 

 

「有馬落ち着いて聞いてくれ…今学校に居るんだが教室にお前と同じ顔をした奴が居るんだ。………多分、前の奴だ。」

 

 

予想通り和泉は俺に偽報告をして来た。にしても、演技うまいな。

 

 

「何だと!?そいつ今、どうしている!!」

 

 

我ながらいい演技をしたものだ。

 

 

「落ち着け……今は寝ているようだ。だが、お前も来てくれ警察に証拠が必要だからな。」

 

 

中々考えてるな。確かにこうすれば必然的に俺を呼び出せるな。

 

 

「………わかった。お前も気を付けろよ。」

 

 

電話を切って俺はすぐさまスーツに着替えその上から制服を着た。

 

 

学校への道のりは電車を使うが姿を消してスーツの機能を使えば電車で行くよりも速く行ける。

まぁ、これをやると和泉により確信を持たせる事が出来る。俺には爆弾が入っていないため心配する必要は無い。

 

 

あっという間に学校に着いた。

夜の学校は以外と怖いものだが俺としては星人の方が怖いな。

つーか、和泉はこんな中で1人で待ってるのかよ。すごいなあいつ。

 

 

そうしている間に教室に着いて中に入ると和泉が1人だけで立っていた。

 

 

「………和泉、俺に似た奴は何処だ?」

 

 

「この速さ………やっぱりお前あの部屋の住人か。」

 

 

どうやら和泉は驚きと興奮で自分が演技していた事を隠さなくなっていた。

正直、面倒くさいから俺もバラすか。

 

 

「………まぁ、知っててここにやって来たからな。………ご名答だよ。」

 

 

「スゲェ……有馬、俺はお前が羨ましい。あの部屋の住人だなんて。」

 

 

「そうか、珍しいなお前。あんな地獄に行きたいだなんて。」

 

 

「俺は今の人生が不満でなあの高揚感、普通じゃ出来ないからな。だからこそ、俺はあの部屋に戻る。」

 

 

和泉は右手に持っていた野球ボールくらいの大きさの黒い玉を机に置いた。

 

 

「?………何だそれは。」

 

 

一応、知ってはいるが演技の為聞いてみた。

 

 

「俺があの部屋から持ち帰ったものだ。」

 

 

「昨日、その玉にある文字が浮かび上がった。」

 

 

 

 

 

部屋に来たいひとは

できるだけ

いッぱい人を連れて

来て下ちい

 

 

 

「ガンツは俺に条件を出しているんじゃないのか?」

 

 

「………」

 

 

なるほど、前回俺が1人だった事で今回は和泉を利用したという事か。

 

 

「多分、人手不足なんだろう。」

 

 

和泉も分かっているようだ。

 

 

「それで、お前は何がしたいんだ?」

 

 

「俺は来週の日曜!……あの部屋に戻る!!場所は新宿だ。」

 

 

和泉は高々と宣言しだが。

 

 

「………ふーん、それで?」

 

 

竜伍は特に考えもなしに答えた。

正直、ここで和泉を殺すと未来が変わるのだが俺にとって都合が悪いため特に気にしてはいなかった。

 

 

「は?………今のを聞いて止めようとは思わないのか?」

 

 

「………逆に聞くがお前は俺に何を望んでいるんだ?ここでお前を殺すとお前はあの部屋に行けるかどうかの賭けになるんだぞ?」

 

 

俺は淡々と言うが和泉は驚きを隠せてはいなかった。

 

 

「お前、おかしいだろ。」

 

 

「その言葉そっくりそのまま返してやるよ。」

 

 

「俺を殺さないのか?」

 

 

「……………………ここで死なれても困るしね。」

 

 

俺の言葉に和泉は訳がわからないという顔になっていた。

 

 

「そんな訳だから日曜日頑張れよ。」

 

 

「後悔するぞお前のせいで大勢が死ぬ。」

 

 

「勝手に俺のせいにするな。」

 

 

俺はドアから出て行きそのまま帰った。

和泉は竜伍を見ていて呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は飛んで日曜日 午前10時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とは言いつつも、一応新宿に居ないとな。」

 

 

竜伍は駅が見える窓際席でコーヒーを飲んでいた。

 

 

「あんたさ、結構な事を仕出かしてるよね。」

 

 

隣には御言も居る。

 

 

「原作通りに進めないと面倒だからな。未来を変えてもそこで死んでしまう何て事にはなりたく無いからな。」

 

 

「ほんっと……嫌な性格ね。………あっ、始まった。」

 

 

御言の視線の先には逃げ惑う人と銃を乱射する黒人肌の真っ暗な服を着ている男がいた。

 

 

「さて、どう進むのかな。」

 

 

竜伍はコーヒーを飲みながら窓から外を見ていた。

 

 

因みに竜伍はカッコつけてコーヒーを頼んだはいいが思いの外コーヒーが苦くちびちび飲んでいた。

 

 

 

 

 

 

和泉side

 

 

 

 

 

 

俺の名前は和泉 紫音。

現役高校生だ。

スポーツは万能で勉強も出来る友好関係もいいし可愛い彼女もいる。

かなりいい人生を送れるだろう。

 

 

だが、俺は人生に不満を持っている。

何をやっても満たされない。

それは、過去にある体験をしてしまったからだ。

 

 

そうそれは、あの部屋にいた事。

星人と戦い命のやり取りをする高揚感それを取り戻すために今!

 

 

新宿で大量虐殺をしている。

 

 

「ああああぁぁぁ!!」

 

 

「逃げろ逃げろ!!」

 

 

「キャァァァァァ!!」

 

 

悲鳴と銃声だけが鳴り響いている。

俺はこれですらまだ不満を持っている。

これじゃ無いこんなんじゃ無い。そう思いながら銃を発砲し続ける。

 

 

「!!?」

 

 

それは、突然現れた。

 

 

 

タタタタタタタッ!!

 

 

銃声と

 

 

パスッパスッパスッパスッ

 

 

死体を盾に歩いて来る大男。(風 大左衛門)

 

 

ブンッと投げられる死体は和泉に覆いかぶさり銃の発砲を防ぎ鉄山靠を打ち込まれる。

 

 

和泉は飛びはしたがそれほどの威力では無いのとゴミ袋がクッションとなり怪我をしなかった。

 

 

「しまった!!銃を前にして技が鈍ったかッ!!」

 

 

大男は叫びながら走る。

和泉も起き上がり新しいマシンガンをバックから取り出し発砲する。その弾道は大男の拳に殴られ地面へ向いたもののすぐに正面に戻し腹に3発だけが当たった。

 

 

腹を打たれたが大男は止まらなかった。右腕で首を掴まれ和泉の体が持ち上がったのだ。

 

 

ググググググッ

 

 

「カハッ………カハッ……ハッ…………」

 

 

窒息寸前それでも大男は力を緩めず締め付ける。

 

 

だが、首を締め付けて持ち上げるという事は必然的に上を向いてしまう。

 

 

 

ダダダダダダダダダッ

 

 

 

和泉のマシンガンは大男の足を撃ち続ける。

 

 

「ぐァァァァァァッ!!」

 

 

ゴキッゴキッゴキッゴキッ

 

 

両足の骨が撃ち砕かれ膝から下はあらぬ方向へ曲がっていた。

 

 

「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

「………ハッ…ハッ…終わりだ。」

 

 

地面に足を着いた和泉は大男の顔面に銃口を向け。

 

 

ダダダダダダッ

 

 

発砲した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜井side

 

 

 

 

 

 

 

 

「先に行って!……足を挫いちゃったの。」

 

 

新宿で突然起きた大量虐殺。

俺と一緒に逃げていたトンコツ(名前不明の女子)と偶然会った坂田師匠。逃げる中トンコツが人とぶつかり足を挫いてしまったのだ。

 

 

「師匠」

 

 

「ん?…なんだ?」

 

 

「俺らであいつを止められませんか?」

 

 

俺らの超能力でなら銃弾位なら止められると思い口に出した。

 

 

「ハァ?何言ってんだよ。危ねぇからさっさと逃げるぞ。」

 

 

「俺らの超能力なら出来る。それは可能なはーーー」

 

 

パシッ

 

 

突然、坂田師匠の手が俺の前に出ていて何かを掴んでいた。

 

 

「イッテェ〜。」

 

 

掴んだ手を開くとそこには銃弾が握られていた。

という事は。

 

 

「クソッ、結局こうなるのかよ。」

 

 

乱射魔が3人(トンコツは死んだふり状態)の前に居た。

 

 

「やっぱり、師匠はスゲェよ。止められるじゃないですか。」

 

 

「仕方ねぇ。桜井、弾は俺が取るから俺の後ろに着いてそこから弾の威力を抑えろ。…視える所まで来たら俺が殺る。」

 

 

「はいっ。」

 

 

俺は指示通り坂田師匠の後ろに付いた。

 

 

ダダダダダダッ

 

 

師匠が歩き出すと同時に乱射魔もマシンガンを撃ってきた。

 

 

パシッ…パシッ…パシッ…パシッ…バスッ…

 

 

俺は直撃する奴だけを威力を落とし直撃しない弾は無視の識別をするため集中力を異常に使った。

 

 

だが、集中力を異常に使ったため体の限界がすぐに来た。

 

 

「グッ!」

 

 

俺の目に痛みがはしり一瞬だけ目を逸らしてしまった。

 

 

それがいけなかった。

 

 

その一瞬で飛んできた弾は師匠の眉間を貫いた。

 

 

「し………師匠!!」

 

 

坂田は即死だった。

だが、俺の頭はすぐに切り替わった。

 

 

「殺してやる。」

 

 

俺は師匠が殺られてしまった事によって怒りを露わにしていた。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

俺は走り出し弾を止めながら乱射魔にタックルをかました。

 

 

しかし、乱射魔はすぐに横に避け腹に蹴りを入れた。

 

 

「…ゔぉえ。」

 

 

腹から空気が抜けるようだった。

 

 

その場でうずくまる。乱射魔は俺の頭に銃口を突きつけた。

 

 

「!?…何ッ!!」

 

 

乱射魔の体は徐々に浮かび上がり

 

 

「頭打って死にやがれ!!」

 

 

高く高く持ち上がり俺が落とそうとした時

 

 

パンッパンッ

 

 

「え?」

 

 

2発の弾丸がおれの頭と顔を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

竜伍side

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ、ガンマン勝負ってどうするの?」

 

 

コーヒーを飲み終わり店を見渡すと誰もいなかった。

 

 

「……実を言うと…Xガンにもう和泉をロックオンしてあるんだ。」

 

 

「うわっ!セコい!!人間のクズだ!!!」

 

 

御言は俺に罵声を浴びせる。まぁ、当然だとは思うこの事件も事前に防げる立場だったからな。

 

 

「しかし、これも物語を進める為だからな。」

 

 

俺にだって譲れないものはあるさ。

どんなに冷静でも死にたくはない。

 

 

ピピピピピピッ

 

 

俺の電話が鳴った。

 

 

「………和泉からのメールだ。」

 

 

「??そう言えば原作だとたえちゃんみたいな彼女が人質になるけど、どんなメール送るんだろ。」

 

 

「……………マジかよ。」

 

 

そのメールの写真には和泉が眠っている自分の彼女に拳銃を突きつけている画像だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都庁第一展望台

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか、有馬」

 

 

「正直、驚いてるよそこまでしてあの部屋に行きたいというその執念。」

 

 

「スーツは着てないだろうな?」

 

 

「手に持ってるだろ。」

 

 

和泉が俺にしてきた要求は2つ

 

 

・スーツを着てこないこと

・警察を連れてこない事である。

 

 

「まずは、スーツを捨てろ。そしてシャツをはだけて見せろ」

 

 

竜伍は和泉の指示に従った。

 

 

「銃は持ってきたな。」

 

 

「ああ、これも捨てるのか?」

 

 

「いや、捨てなくていい………西部劇見た事あるだろ?」

 

 

「…………撃ち合いっていう訳か。」

 

 

「理解が早くて助かる。………カウント始めるぞ。」

 

 

そう言って2人は構えた。

 

 

「10……9……」

 

 

和泉は焦っているのか緊張しているのか汗が凄い。

 

 

「8……7……6……」

 

 

対象に竜伍は汗ひとつかいていなかった。

 

 

「5……4……3……2……」

 

 

そして動きだす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いーー「ギョーン」………は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1秒早く動いた竜伍はもう撃っていた。

 

 

パァンッ!!

 

 

弾けとぶ和泉の体。

 

 

「正直、面倒くさいよ。つーか、約束なんて守る訳ねぇだろ。」

 

 

頭だけとなった和泉を見る竜伍の目はとても冷たかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今週は休みなんであと1話くらい書けると思います。

勉強の合間に少しずつなので遅いです。

感想待ってまーす。

作者の心だけは折らないでね(´・_・`)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。