GANTZ 変な特典をもらった男の物語   作:鼻眼鏡26号

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「さーて、始まりますよ。」


作戦は上手くいくとは限らない

「スゥゥゥゥ………フゥゥゥゥ……よし。やれる。」

 

 

竜伍は寺の真ん中で一人棒立ちしていた。

 

 

(作戦通り行けばここで仕留める事が出来るが、最悪俺が死ぬ事になるがなんとかなるだろう。)

 

 

作戦はいわゆる囮作戦だ。

今現在1番負傷していて攻撃がなかなか出来ないから囮を買って出たのである。

他の3人は竜伍を中心とした3方向から狙撃を行う。至って普通の囮作戦だ。

 

 

待つ事数分。

緊張感がある中敵はやって来た。

ゆっくりと寺の階段を降りる千手観音像。

 

 

「頼むぞ。皆んな。」

 

 

竜伍はそう呟くと爆発的に一歩を踏み出し一瞬にして千手観音像の前までやって来て。

 

 

「ハァァァァ!!」

 

 

竜伍は掛け声を出して千手観音像の顔面を蹴り抜く。

吹き飛ばされた千手観音像は地面にバウンドをしながら地面に倒れた。

 

 

「今だ!」

 

 

竜伍は大声を上げて合図を出した。

 

 

ババババババババン!!

 

 

千手観音像は幾つも爆発を起こし散り散りになった。

 

 

「よしっ!後は再生の元を破壊するだけ―――」

 

 

ギュル ギュル ギュル

 

 

竜伍の声を遮るように音がなる。

 

 

「!あった!あの円盤だ。」

 

 

竜伍が見た円盤は回転して行き少しずつ千手観音像が元に戻っていく。

竜伍はこの事を想定していた。

千手観音像から逃げる時に発射したXガンで千手観音像を破壊したはずなのにレーダーには2体残っていて、それに疑問を持った竜伍が推測の結果、再生する力を持っている事を予想して今回の作戦を発案した。

 

 

「悪いが再生は終わり―――」

 

 

ピュン

 

 

「うおっ!あぶねぇ。」

 

 

竜伍の言葉を遮るように千手観音像の手に持っていたガラスの箱みたいな物から熱線を発射したのだ。

 

 

間一髪竜伍は避けることが出来たがXガンが熱線に当たり真っ二つに切れてしまった。

 

 

ピュン!

 

 

再び発射される熱線は竜伍の方へ

 

 

「ん?」

 

 

向かわず他の場所へ発射した。

 

 

「!?あの方角は!」

 

 

竜伍は一瞬遅れて気づいた。

熱線の発射先は日焼け女性の方角へと向かって行ったのである。

 

 

「こ…こいつどこから撃ってきたのか分かってやがる。」

 

 

「加藤!!岸本!!一旦隠れろ!!!」

 

 

竜伍は大声で2人に危険を知らせ竜伍は円盤破壊へと千手観音像に走り出した。

 

 

「キョーーー!!!!」

 

 

千手観音像は声を上げて無数の手の中にある一本の剣を振りかぶる。

 

 

「当たらねえよ!」

 

 

竜伍は軌道を見て素早く避けて千手観音像に近づいた。

 

 

バシャ!

 

 

今度はビンから溶解液を飛ばすが。

 

 

「遅い!」

 

 

ビンを蹴り上げ溶解液を千手観音像に当てた。

 

 

ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ。

 

 

「キョーーー!!!!!!!」

 

 

ギュル ギュル ギュル

 

 

円盤を回転させて再生しようとすると。

 

 

「だからやらせねえって言ってんだろ!!」

 

 

バキン!

 

 

竜伍の蹴りが円盤を砕いた。

 

 

しかし、蹴りを振り抜いた竜伍の一瞬の隙で

 

 

ジョンッ!

 

 

「ぐあ!」

 

 

竜伍の足を切り落とした。

 

 

「竜伍君!」

 

 

「竜ちゃん!」

 

 

竜伍の下へ急いで駆けつける二人だが。

 

 

「敵から目を逸らすな!!!」

 

 

ピュン!

 

 

「危ない!」

 

 

竜伍の言葉にいち早く反応出来た岸本が加藤に飛びつき熱線から避けた。

 

 

「また来る!」

 

 

加藤が言った通り熱線は発射されるが。

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「「「!?」」」

 

 

熱線は千手観音像の隣に飛んでいきそこから叫び声が聞こえた。

 

 

「い…今の内に」

 

 

「っ…すまない。」

 

 

「帰ったらご飯よろしくね。」

 

 

「フッ…分かったよ。…ありがとうな。」

 

 

岸本は竜伍を連れて行き加藤と一緒にある程度敵と距離を取った。

 

 

「竜ちゃん!早く止血しないと。」

 

 

「加藤も…すまなかった。」

 

 

「…なに言ってんだよ。竜ちゃんは皆んなを生かそうと頑張ってた。それだけだろ。」

 

 

「…ありがとう。」

 

 

「なぁなぁ、僕の存在を忘れないでくれよ。」

 

 

「「「!?」」」

 

 

突然の声、驚き振り向く先には。

 

 

「驚いてるね〜」

 

 

人間の言葉を自在に操る千手観音像がそこにいた。





「次回決着をつけさせます。」

「感想、指摘ヨロシクゥゥゥゥゥぅぅぅぅ!!」

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