俺の提案で小屋で3人でパーティーをしていたがワルキューレが怒って?先に離脱してしまったので残された俺とエキドナは酒を飲みながら盛り上がっていた。(まあエキドナに強制的に付き合わされただけだが)
「この酒サイコー!!」
「いやあわかってるねぇマスターは」
最初のうちは眠いし一杯ぐらいでさっさと切り上げようと思ってた俺だったが、酒がいい感じに体に回ってきてしまいすっかりいい気分になっていた。
エキドナのほうも顔を赤くしてすっかり酔っ払っている。
「…………」ゴクゴク
「…………」ゴクゴク
飲み始めのほうはワルキューレのことや今までのエキドナの体験談などを話していたが、もう特に話すことがなくなったので2人とも黙って飲んでいた。
「…あっ、そういえば」
突然俺の頭にある気になることが浮かんだ。
「ん?」
したを向いていたエキドナが顔をあげる。
「あのさあ、少し気になったんだけどさ」
そういって俺はスマホを取り出し、パズドラの画面を開く。
「なになに…んっ?これあたしじゃん」
画面を覗き込んだエキドナは画面に写っているのが、自分の画像とステータスだと気づく。
「これがどうかしたの?」
「ああ、ここここ」
俺は画面の一部を指差す。
「…威嚇、それは私のスキルだけどそれがどうかしたの?」
エキドナは不思議そうな顔をして俺に尋ねる。
「うん、このスキルの効果としてしばらくの間敵の動きを封じることができるってあるけど、どんなことやってるのかなぁーってさ」
「そんなたいしたことしてないわよ、ただちょっと怖い顔をするってだけ…」
エキドナは恥ずかしそうに言う。
「えっ、何それみたいみたい!」
すっかり酔っ払ってしまっている俺はこの後起こる恐怖を予想だにもしなかった。
「別にダンジョンでみれるからいいでしょ?」
「いやあその前に一回見ておきたいんだ」
「…でもこれ結構恥ずかしいのよ」
エキドナはこんな表情をするんだってほど恥ずかしがっていた。ちょっとかわいいな。
「ちょっとだけ、ほんのちょっとでいいからさ」
俺は手を合わせてお願いする。
「…わかったわ、本当はこれは人間にやるものではないけどそんなにマスターが言うなら少しだけ…」
「うんうん」
俺は期待した目でエキドナを見つめる。もし過去に戻れるのだったらここで止めとくべきだった。この時の自分をぶん殴りたくなるのはいうまでもない。
「…じゃあいくわよ…………………」
「おう!」
「…………………………」
「……………!!!………」
「…………………」
「………………」
「……………」
「………………………………」
「ってマスター大丈夫!?」
「………い、いえ、だ、だ、だ大丈夫です。」ガタガタ
「はあ、やっぱり……でもこれはマスターからの提案であって私は悪くないですからね、これでもマスターが人間だから抑えたほうなので」
「!!」
まじかよ。これで抑えたほうって普段モンスターにはどんな顔をしてるんだよ。敵ながら同情するわ。
「ほんと軽いノリで言ってしまってすみませんでした。」
「でもいい経験になったんじゃないかしら。私を怒らせると怖いって」ニコッ
「!!」ビクッ
エキドナが微笑む。だが今の俺にとってそんな笑顔も恐ろしく感じた。
これでひとつ俺の心のなかで確信が持てた。この人には絶対逆らってはいけないと。
実際威嚇ってどんなことをしてるんだろう。
エキドナはまじでやばい。
今だにお世話になってます。