もう春がきてると思い始めている作者です。
ガチャ
「あー、やっと帰れたー 意外と距離あったなー」
ダンジョンをクリアして仲間も加わった俺たち一行は家に帰宅したのだった。
「そんなに歩いてませんよ?」
「いやいや、お前らが寄り道とかするから、かれこれ2時間は歩きっぱなしだったぞ」
「たった2時間じゃないですか」
「もうマスターったら」うふふ
俺はもう歩き疲れたというのにワルキューレとエキドナは全然ピンピンしていた。こいつら化け物か? あっ…モンスターだからか。
「ひゃっほーう、やっぱベッドさいこー!!」
俺はベッドに飛び込む。すると2人は不機嫌そうな顔で
「ちょっとー、パーティーはどうなったのよ」
「そうですよ、やろうって言ったのはマスターですよ?」
「そうだったな、ごめんごめん」
なんかもう疲れていてパーティーとかどうでもよくなっていたけど、言い出しっぺの俺がやらないとか言ったら何されるかわかったものじゃない。だから素直にやることにした。
「あーでも今疲れてて動けないしなー、誰かやってくれないかなー」ちらっ
そういってワルキューレを横目で見る。
「またそれですか、まったくこれだからマスターは………分かりました、じゃあ食事を作ってくるので2人は待っていて下さい」
俺がこんなことを言っても何かしら言ってくるが結局はなんでもやってくれる彼女は本当に優しい。
「えっ、私も手伝うわよ?」
「いいんですよ、このパーティはエキドナさんのためのパーティでもありますから私にまかせてください!」
「…そう? じゃあお願いしようかしら」
エキドナはそれは悪いなと思うものの、ワルキューレが自信満々の顔をするので頼むことにした。
「フーフー、ワルキューレさん素敵ー!」
「か、からかわないでくださいマスター!」
そんなやりとりを見た俺がからかったらワルキューレはみるみる顔が真っ赤になり、それを見られたくないかのように台所に向かって行った。まったく、かわいいもんだ。
「あー、疲れたなー」
「ねえマスター」
ワルキューレが台所で支度をしている間、リビングでダラダラしているところをエキドナが話しかけてくる。
「んっ、なに?」
ベッドの上で寝ようとうつ伏せになっていた俺はエキドナの方を向く。
「あの子とはうまくやっていけてるの?」
エキドナが台所を方を横目で見ながら言う。
「まあまあじゃね、なんで?」
「いや、モンスターの間でもいろいろといわれてたからね………で最近見なくなったから心配してたのよ」
「なんだ、そんなことか。それなら心配ないさ。うまくやっていけてるよ」
俺もワルキューレの方をみる。
「なら良かったわ。これからも私も含めてあの子をよろしくね」
「いやいや、むしろお世話になってるのはこっちのほうだって。今やあいつは俺の頼れる相棒だよ」
「……そう…ふふ (こんなマスターに出会えて良かったわねワルキューレ)」
「ん、なんか俺おかしいこと言ったか?」
俺は首をかしげる。
「いえ、なんでもないわ」
「そうか」
「でもマスターって変わってるわよね」
「なにが?」
「普通銀の卵が2回も出たらやめるわよ。でもあなたはやめなかった」
「……」
言われてみれば確かに2回とも銀の卵というのは少し運が悪いのかもしれないが俺は辞めようなどとは1ミリも思わなかった。
「そりゃあせっかく引き当てたモンスターはちゃんと育てなきゃダメだろ」
そうそうましてやこんな可愛い2人を消すなんてもってのほかだ。
「立派ね。私もいろんなところでお世話になったけどこんなマスターは初めてだわ」
「それほどでもねーよ、おっ!?」
エキドナと話してるうちにワルキューレの方も食事が出来上がったらしく台所から料理を運んできた。
「お待たせしましたー!」
「うおおお!!すげえ!」
「すごいわ」
そこには豪華な料理がたくさん並んでいた。俺とエキドナは思わず驚きの声をあげる。
「それじゃあ食べましょうか」
「ああ、そうだな。じゃあ新しい仲間とダンジョン攻略を記念して、、、カンパーイ!!」
「「かんぱーい!」」
俺はご馳走にかぶりついた。うん。味付けも完璧だ。やっぱサイコー!!
そうやってみんなで楽しく食べていると隣から、
「はいマスター、あーん」
エキドナが箸でものを食べさせようとしてきた。これがいわゆるアーンってやつか。
くー、現実でもやってもらいたいものだ。
「お、おう」ぱくっ
「おいしい?」
「お、おいしいれす」
やベー、友の気持ちがわかるわー。ああ、早く彼女欲しいよぉ〜。さいこーすぎる!
そんなことを思いながらにたにたしてると、ワルキューレがジト目でみてきた。
「どした?」
「いえ、なんでもありません。」
そういってぷいっとそっぽをむく彼女。なんで怒ってるんだ?
「またまた〜素直じゃないわね。あなたもやってあげればいいじゃない」
それをみたエキドナが意地悪そうな顔で言う。
「そんなこと出来るわけがないじゃないですか! 」
ワルキューレがまた赤くなる。
「いや、俺もワルキューレにしてほしいなー…なんて」
「マ、マスターまでなにいってるんですか!もういいです、わたしはもう寝ますので後は2人で盛り上がってください!」ばたん
そういうとワルキューレは違う部屋に行ってしまった。
「…俺が悪かったのか?」
「いや、マスターは悪くないわよ。あの子が素直じゃないだけ」
「まあ確かに恥ずかしがり屋だからな (まあからかう分にはすごい面白いけど)」
「私が改善させてみせるわ」
「おう、頼んだ………ふあーあ」
あくびがでたので時計をみるともう夜中の12時をまわっていた。
「そろそろ俺らも寝るか」
そういってベッドの方に向かおうとしたら、後ろからがしっと肩を並べる掴まれた。
「なにいってるの、夜はここからよ。さあ飲みましょう」
一升瓶を片手に持っているエキドナはもう完全におっさんそのものだ。
「しょうがないなあ、ちょっとだけだぞ」
断ったら酔っ払ってる彼女に絞め殺されそうなので付き合うことにした。
まあちょっとで済むはずもなく、2人ともでろんでろんになるまで飲み続けたわけだが。
今後どういう展開にしようか迷ってます。
だから少し更新が遅くなるかもしれませんがご了承を。