パズドラがバーチャル化?   作:ぷーすけ

23 / 26
久々です。 いろいろあって遅くなりました。 (まあ実際今後の展開のことなんですが…)

かなり期間が空いて文章が稚拙になってる点はご了承をー。


番外 夏といったら‼︎ ⑤

 

 

「いやー、やっぱり夏、海、と言ったらこれをやらずには終われないよ!」

 

そういって水メタが取り出したのは木の棒と丸くて大きなスイカだった。 結局俺らが勝負に負けたわけだが最後までイベントは続けるらしい。

日も傾き始めて地平線に太陽が沈もうとしている。

俺もやる気以前にもう疲れてクタクタだった。といっても大した活躍もしていない訳だが…

 

「これを両チームで同時にやってもらい先に割ることのできた方が勝ちとなりま〜す!」

 

「え、でも木の棒は1つしかないじゃない」

 

「ごめんね〜2本必要だってことをすっかり忘れてたものだから、そこはそちらで代わりとなるものを用意してもらえるかしら」

 

「わかったわ」

 

それぐらい用意しとけよ!とか思いつつ、俺たちは代わりとなるものを探してみる。

 

 

「うーん…意外と見つからないもんだなー」

 

「そうですね…」

 

俺とヴァルキリーの2人で砂浜周辺を探してみたがそこには綺麗な白い砂ばかりで棒どころか石さえもなかった。まあ余計なものがないって点では綺麗で完璧ではあるが。

 

「ないわね〜、…仕方ないわ! じゃあこれを使うしかないわね!」

 

そう言ってエキドナが手に持って上にかざしたものは見覚えのある武器だった。

 

「…それは」

「私の武器ですね」

「……あーなるほど」

 

すかさずヴァルキリーが反応する。まあ自分の武器だから当然か。

んーまあスイカ割に使うには少し物騒ではあるけど良く切れそうだし、いい代わりにはなるんだろうけど…

 

「いやでもさすがに愛用しているものでやるのはどうかな、って思……」

「さすがエキドナさん! 是非そうしましょう!」

 

 

あ、別にいいのね。じゃあいっか。

 

 

「普段愛用しているこのソードを使えば負けるはずがありません!!」

 

「今度こそボコボコにするわよ!!」

 

「腕がなるわねー!!」

 

 

 

「……おー」

 

なんかすごい温度差を感じる。まあ今に限ったことじゃないのはわかってるけどな。つーかこいつらどんだけ気合い入ってるんだよ。

 

 

「じゃあそうと決まったら早速始めよー!」

 

 

……………………

 

 

てな訳でスイカ割り対決が始まった。 まあルールは至ってシンプルで一人が目隠しをしてそれ以外の人がスイカまで誘導して先に割った方が勝ちといったものだ。 俺チームはヴァルキリーが、水メタチームは水メタが割る役に決まった。

 

 

「それじゃあいくわよ? スイカ割り対決〜〜…………始め!」

 

水メタの掛け声とともに約20メートル先のスイカを目指して2人が誘導の声を聞きながら徐々に近づいていく。

 

「右!右! あ、ちょっと曲がってるよ! もう少し左に寄ってー!」

 

「いい感じいい感じー、そのままゆっくり慎重にいこう!」

 

スイカ割り独特の掛け声が両チームから掛けられる。俺は少し離れたところから見ていたが昔子供の頃にやっていた懐かしさを感じていた……ん、まあヴァルキリーが手にしているのは最も普通ではありえないようなでかいソードだけどな。そこが唯一の違和感ではあるんだが。

 

ま、俺は休憩も兼ねてヤシの木の木陰で少し昼寝でもするかな。つーかなんか分からんけど疲れてるし。

 

……………

 

 

 

 

しかしそんな安らいだ時間もかん高い声によって即座に壊されることになる。

 

「マスター! 起きて!!」

 

「…ん?」

 

なんだよ。人がこれから快適な眠りにつこうとしてる時に。

 

「マスター!早く!」

 

「うるさいな。少しやすませてくれよ、俺少し疲れたから」

 

「もう! ぐずぐずしないで! 死んでもしらないよ!」

 

「は?」

 

死ぬってなんだよ。大袈裟すぎるわ。でもこれ以上うるさくされるのも嫌だしな、ということで目を開けて周りの状況を確認したところとんでもないものが目に飛び込んできた。

 

「ちょっとヴァル! そっちじゃないわ! さっきから左って言ってるじゃない!」

 

「ふえぇ……それってメタトロンさんから見た側ですか?それとも私から見た側でしょうか? というよりメタトロンさんどこにいるんですか? もうわかりません〜!」

 

「ち、ちょっと! そう言って剣を振るのやめなさいよ! 危なくて近づけないわ!」

 

それは方向音痴、というよりかただ単にメタトロンの言った情報を整理できずにパニックになっているヴァルキリーが手当たり次第に持っているソードを振り回している光景だった。しかも徐々にスイカとは真反対の俺のところに向かっていてもう1〜2mの距離しかなかった。

 

 

「あらあら、大丈夫かしら」

 

メタトロン達も心配そうに見ている。ってか向こうのチーム、スイカをもう割り終わって食べてるよ! もうこっちの負けじゃん!

 

「一回落ち着いてヴァルキリー! 長年戦い続けていた貴方ならスイカの気配を見つけられるはずよ!もうこれしかないわ!」

 

「!!」

 

するとヴァルキリーはピタッと動きを止めた。

 

 

「…………………」

 

「…………………………」

 

「…………………………………」

 

「…………………………………………」

 

 

…おお………凄まじい集中をしているのがこっちにも伝わってくるほどヴァルキリーの周りの空気はピリピリしている。

するとしばらくしてヴァルキリーが剣を構えた。

 

「……見つけたわ」

 

おお、スイカの気配を読み取ったようだな。

 

 

「ここです!!」

 

 

………ヒュン

 

 

俺の頬を一迅の風が通り過ぎる。

 

「うお! あぶねぇ! なんの気配を読み取ったんだお前! 俺を狙うな!」

 

「むむ! またここから殺気が!」

 

「スイカに殺気なんて……ヒュン………ないだろ……ヒュン……うが!!」

 

 

間一髪で何故か俺に剣を振るってくるヴァルキリーからの攻撃?を避ける俺。

 

「いいわよー!ヴァルキリー! そこよそこ!」

 

メタトロン後でぶっ飛ばす。

 

「むー! しぶといスイカめ!!ちょこまかと!」

 

 

 

スパっ! ズシン!!

 

 

 

「やりました!!」

 

手応えを感じたヴァルキリーはとっさに目隠しを取り確認をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

そこには根元から切られて横たわっているヤシの木と隣で呆然と立ち尽くすマスターの姿があった。

 

 

「いや!あれ?じゃねーよ! あぶねーな!お前!俺をスイカに見立てて攻撃するな! 死ぬとこだったわ!」

 

「ええ!?それは申し訳ございません! でもメタトロンさんたちがこっちでいいって」

 

 

俺がメタトロンの方を見るとニヤニヤと笑みを浮かべていた。 誘導もしてたのかお前ら。

 

「じゃあ私が切ったものって」

「それだよ」

 

そういって俺はヤシの木を指さす。最後の攻撃を避けた時に後ろにあったヤシの木が切れたわけだ。しかし決して柔くないヤシの木をもぶった斬るその剣の威力半端ねえ。

 

「その調子でスイカもスパッと切ってくれれば良かったのに」ハハ

 

「……はい」

 

「どした。元気ないな」

 

「…故意でなくともマスターを傷つけようとするとんだ無礼を働きました……そんな私になんなりと罰をお与えください…」

 

「なんだよそんなことか。それはあいつらが悪いから気にしなくていいの! あいつらにはしっかりお灸を据えないとな」

 

「でも……」

 

「でももへちまもない! そんなことより俺らもスイカを食べようぜ! まずくならないうちにな!」

 

 

「………はい!!!!」

 

「おーい! こっちこっち!ふたりともー!」

 

俺とヴァルキリーはもうスイカに手をつけているメタトロンたちのところに駆けていく。

夏の太陽がが段々と傾き始めて、空が赤くなり始めていた。

 

 

 

 




これからもペースは不定期になると思いますが許してください…

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。