パズドラがバーチャル化?   作:ぷーすけ

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譲れぬ場所

 

 

「よしそれじゃあ準備はいいか?」

 

俺がエキドナとヴァルキリーに確認をとると2人は頷いた。

 

「それでは…新しい仲間を祝って……」

 

「「「かんぱーい!!」」」

 

3人が元気良く宴の挨拶をする中メタトロンは状況がつかめずキョトンと佇んでいた。

 

 

 

「…これは一体何かしら」

 

「何言ってるんだよ。 メタトロンの歓迎会に決まってるだろ」

 

「さあ座って下さい!」

 

「そうよ。あなたのために準備したんだから」

 

 

「歓迎会…」

 

 

 

メタトロンは過去を思い出してみる。

 

今までいろんなパーティを回ってきたが歓迎会などあっただろうか。

 

いや勿論ない。 むしろ喜ばれるどころか無反応の時が多かった。

 

でも私はそんな事を気にしなかった。

何故なら私達はマスターという人間に仕えるモンスター。 そのような扱いを受けることは仕方ない、いや当然のことだと思っていたからだ。

 

だから逆に今の日常によくある状況がメタトロンにとっては凄く違和感があるように思えた。

 

「やっぱり変わってるわね」

 

メタトロンはそう呟いて席についた。

 

「よっしゃー! さあ食べろ食べろ! そして飲め飲め!」

 

「え、ええ…」

 

「マスター酔っ払ってませんか?」

 

「うるへー、気にするな!」

 

そういってヴァルキリーが気にかけるのを無視して俺はメタトロンに酒を勧める。 メタトロンは少し戸惑いながらも酌を受け取った。

 

「ささ、ぐいっと!」

 

「はあ…」ゴクッ

 

メタトロンは俺に勧められるがまま酒を飲む。

 

「どう?」

 

「ええ、美味しいわ」

 

「おお、そっかそっか! それは良かった! んじゃこっちのご馳走も」

 

「はい」パク

 

「………美味しい…」

 

「たりめーよ、何たってうちには何でもできる頼れる主婦がいるからな!」

 

「あら、そんな褒めないでよ。 照れるじゃない」

 

「いやお前じゃねーから。 つーかお前は酒を控えろ」

 

「私だってやってるわよ! 皿を並べたり片付けたり…」

 

「いやそれぐらい俺でもできるから!」

 

「はっ、舐めてもらっちゃ困るわ」

 

「何を!…」

 

 

「もう! 2人ともいい加減にして下さい!」

 

俺らのくだらない言い合いが活発になるまえにヴァルキリーはそれを一喝する。 でもその顔は何故か嬉しそうだった。

 

 

そしてまた飲んだり食べたりの喋ったりの歓迎会らしい雰囲気に戻った。

 

 

でも思うように盛り上がらない。

俺もヴァルキリーもエキドナもメタトロンに話題を振るもほとんど「ええ」や「はい」の曖昧な返事ばかりで会話が続かなかった。

 

まあ確かに今まで最低限の会話しかしてこなかったメタトロンにいきなり喋れといっても無理な話だ。

 

 

「…ええっと〜」

 

俺は次の話に入るふりをしてヴァルキリーとエキドナと小声で話し合う。

 

「(次お前喋れエキドナ!)」

 

「(ええっ! もう私の面白い話のネタは尽きちゃったわよ。 しかもあまり笑ってくれないし…)」

 

「(いや全然面白くねーからあれ! だったら他の話題でいいから!)」

 

「(そんないきなり思いつかないわよ!)」

 

「(はあ⁉︎ せっかくの歓迎会が台無しだろ!)」

 

「(で、では私が喋ります!)」

 

「(おお! ありがとおかん!)」

 

「(おかんじゃありません!)」

 

3人はメタトロンの方に向き直る。

 

 

 

そしてヴァルキリーが喋り始めようとした時

 

 

「ひとつ聞いてもいいかしら」

 

とメタトロンの方から話しかけてきた。

 

今までずっとこっちから話していて向こうからくるとは思ってなかった俺たちは少し驚きながらもメタトロンが話す内容に耳を傾ける。

 

 

「まだこのチームのパーティ編成と戦略を聞いていないのだけれど教えてもらえないかしら」

 

「そういえばまだ言ってなかったな」

 

俺はメタトロンに説明した。 説明といってもリーダーはヴァルキリーであることとチームの方針は無茶はしないであまりにも危険だったら撤退するってことぐらいだが。

 

それを聞いたメタトロンは少し目を閉じ、そしてまた俺たちの方を向き直るとこう言った。

 

 

「それについて私に提案があるわ」

 

「おお! それはどんな?」

 

 

 

 

「リーダーを私にしたほうがいいわ」

 

 

 

 

「え?」 「‼︎」 「は?」

 

メタトロンの思わぬ発言に俺たちは驚く。

 

 

「そ、それは…どうしてですか?」

 

 

「貴方より私の方が強いからよ」

 

ヴァルキリーはおそるおそる尋ねたのに対しメタトロンはすっぱり答える。

 

「あなたまだそんなこと言って…」

 

エキドナが突っかかろうとするのをヴァルキリーは止める。

 

 

「確かに神である貴方とそうでない私との実力の差は歴然です。 ですから普通だったらそうするのが妥当、というより当たり前です。 でも私は………」

 

 

 

 

 

 

 

でも私はこの場所を譲る訳にはいかない。

 

譲ることでマスターから離れていってしまう気がするから。

 

 

 

 

 

 

「メタトロンさん」

 

「何かしら」

 

「私と勝負して下さい。 リーダーの座を掛けて」

 

「……いいわよ」

 

 

 

「………はっ!? いやいや待て待て!!」

 

「マスター」

 

いきなりこんな状況になって慌てる俺をエキドナが抑える。

 

「これは女同士の真剣勝負。 マスターが首を突っ込んではだめよ」

 

「いや、でも‼︎」

 

 

そういって少し不安になった俺は小屋から出て行った2人を追いかけた。

 

 




メタトロンのキャラ設定が難しい‼︎

ぶれていったらごめんなさい!

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