パズドラがバーチャル化?   作:ぷーすけ

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少し間が空いてしまいました。

今後も更新速度が遅くなりますがご了承を(ーー;)


ヴァルキリーの不安

 

 

「これで終わりだ!!」カラカラカラ……ポンポンポン……

 

パズルの回す音の後に続いてコンボする音がダンジョン内に響き渡る。

 

「よし! 8コンボ!!」

 

「すごいです! マスター!」

 

俺はガッツポーズをする。

これは運じゃない。 最近パズルが心なしかうまくなっている気がする。

 

「よし! とどめだ!!」

 

「「やあぁぁぁー!!!」」

 

進化してパワーアップしたエキドナとヴァルキリーの攻撃が次々と敵にヒットしていく。 今回の敵も決して弱い訳ではないが2人の怒涛の攻撃に耐えられるはずもなく消えていった。

 

「よし、クリアーだ! 2人ともよくやってくれたな」

 

勝利のファンファーレがダンジョン内に鳴り響く。

俺は2人の元に歩み寄って頭を撫でてあげる。

 

「「//////」」

 

戦闘中はキリッと引き締まった顔をしていた彼女達も撫でられると一気に表情が崩れた。

 

 

 

「さて、帰ると………おっ?」

 

ひと通り撫でてあげた後ダンジョンを出ようとした時、俺はボスのいたところに宝箱が置かれていることに気づいた。

 

 

 

…これってもしかすると

 

そう思いながら箱を開ける。

 

「おお〜やっぱりこれか!」

 

そこには以前と同じように一つの魔法石が入っていた。

俺はそれを手に取り眺める。

 

「おめでとうございます! やりましたね!」

 

ヴァルキリーはそれを見て手を叩いて喜んだ。

 

「ああお前たちのおかげだよ。本当によくやってくれた」

 

「そんな///私達はやるべきことをやったまでです」

 

「そ、そうよ。 当たり前よこんなもん」

 

2人はそう言うも顔は嬉しそうな表情を浮かべていた。

 

「よし! これで新しい仲間が増えるぞ!!」

 

「やったー!!」 「え…」

 

 

すると俺がそういった瞬間、エキドナはさらに喜んだのに対してヴァルキリーの笑顔が一瞬固まった。

 

「ん、どうかしたか?」

 

「あ…い、いえ。何でもないです」

 

「あれ? ってゆーかガチャが引ける石ってこれであってるよね?」

 

「あ、あってますよ。 大丈夫です!」

 

 

慌てて彼女は笑顔を取り戻す。 だがそれは何か寂しげだった。

 

 

 

 

〜帰り道

 

 

 

早くガチャが引きたい俺はダンジョンの攻略で疲れているはずなのに自然と速歩きになったので、その後ろからエキドナとヴァルキリーが追う形になった。

 

 

「まったく、マスターったらあんなにはしゃいじゃって…まあ確かに私も楽しみだけどさ」

 

「…………」

 

「いやー次の仲間は誰かな〜。 男かな?女かな? はたまたドラゴンかな? いやドラゴンはちょっと勘弁かなー。 ヴァルキリーは誰だと思う?」

 

「……………」

 

「ヴァルキリー?」

 

反応がないのでエキドナはヴァルキリーの顔を覗き込む。

 

「な、なんでしょう?エキドナさん」

 

「どうしたの? そんなに落ち込んじゃって」

 

「いえ…何でも……」

 

ヴァルキリーはそう答えたが本当は何かあるようだった。

 

「…困ってることがあったら私に言いなさいよ。 私達コンビでしょ?」

 

「…………」

 

エキドナがそう言ってヴァルキリーは黙り込む。 そしてしばらくして口を開いた。

 

 

「エキドナさんは不安じゃないんですか?」

 

「何が?」

 

「マスターがガチャを引くことが…」

 

「仲間が増えていいことじゃないの。 それの何が不安なの?」

 

ヴァルキリーが深刻そうなのに対してエキドナは至って呑気だ。

 

「新しい人が来たら私達…」

 

 

 

 

「…見捨てられてしまうかもしれない…」

 

ぼそっとヴァルキリーは言った。

 

それを聞いたエキドナは驚いた顔になるが、すぐに噴き出す。

 

「ぷっ、 あははははは!」

 

「な、何がおかしいのですか!?」

 

ヴァルキリーは真剣に打ち明けたことを笑われたことに少しムカッとする。

 

「あはは…そりゃおかしいわよ。 だってマスターがそんな事するわけないじゃない」

 

「…そうでしょうか…」

 

「そうよ。 今までいろんなマスターに仕えてきたけどあんなに優しいマスターに出会ったのは初めてよ」

 

 

 

…確かに、とヴァルキリーは思った。 私と出会った時もそうだった。 あんなに暖かく喜んで迎えてくれた。 そして今も……

 

 

それに…とエキドナは続ける。

 

「今の貴方は十分強いわ。 だからもっと自分に自信を持ちなさいな」

 

 

そうか。 リーダーがこんなに不安になってどうするんだ。

ましてや、新しい仲間のことより自分のことを優先するなんてリーダー失格だ。

 

 

そうですよね、と言ってヴァルキリーは顔を上げる。

 

「エキドナさん!!」

 

「うわっ、何よびっくりしたなあ」

 

「私達も新しい仲間を迎える準備をしましょう!」

 

「おっ、やっと元に戻ったわね。 それでこそ我らのリーダーよ」

 

「そうとなったら早く戻ってご馳走を作らないと!」

 

ヴァルキリーはそう言ったかと思うと走り出した。

 

「やれやれ。 なんてテンションの変わりようなの」

 

エキドナも苦笑いをしてそれを追いかける。

 

 

沈みかけの太陽が走っていく2人の後ろをいつまでも照らしていた。

 

 

 




新しいモンスターを決めるのに悩んでいます。

まあ回復タイプにはしようかなと思っています^ ^

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