パズドラがバーチャル化?   作:ぷーすけ

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なんかパズドラじゃなくなってきてる?

いや気にしない気にしない!!


城の実態

 

 

入っても敵が全然出てこないことに若干の疑問を抱いたが、モンスターに襲われてなんとかエキドナたちと合流して突破した俺たちの後に待ち構えていたのはたくさんの敵だった。

 

俺たちは若干それを見て焦った。

俺たちが一度に戦えるのは5体が限界なので、一度に襲いかかられたらひとたまりもないからだ。

まあいつものダンジョンだったらそんな心配しなくてもいいのだが、先ほど襲われてから少し不安があった。

 

 

だけどそこのところは モンスター達はきっちり五体ずつ出てきてくれて残りは後ろで待機という状態だったので大丈夫だった。 その後ろで待ってるモンスターが少しかわいく見えた。

だが五体ずつを相手にするのもなかなかキツイものであり俺たちは苦戦を強いられた。

 

 

 

 

 

 

「うおっ、危ねえ!」

 

敵が俺めがけて攻撃してくる。 俺はなんとかそれをかわす。

 

「マスター大丈夫ですか!?」

 

戦っているワルキューレがこちらを振り返る。

 

「ああ、大丈夫だ」

 

そういって俺が起き上がろうとした時

 

「マスター!上!」

 

エキドナが俺の頭上を指差し叫ぶ。

そこには空中から攻撃してこようとする敵の姿があった。

 

「くっ、」

 

これは避けられないだろう。 だったら…

俺は素早くパズルを揃えた。火の1コンボ。

これでいってくれ!

 

「エキドナ、頼んだ!」

 

「任せなさい!」

 

エキドナは口から炎の玉を飛ばす。

 

「!!」

 

それが見事命中して敵は炎に包まれていった。

 

 

 

「ふう」

 

目の前の5体を倒して俺はため息をつく。

何故敵は俺を狙ってくるのかわからない。 今はエキドナとワルキューレがいるのにそれでも俺を優先してくる。 いったいなんなんだ。

 

「次の奴はどいつだ?」

 

俺は辺りを見渡す。 周りには誰もいなかった。

 

「何とかひと段落ついたみたいね」

 

倒れている敵を見ながらエキドナは言う。

 

「ふう、なんとか倒しきったか」

 

「危なかったですねマスター」

 

「ああ、なんとかな…」

 

もしあそこで素早く対処してなければ俺は攻撃を食らっていたかもしれない。 今思うとゾッとする。

 

「ありがとうエキドナ。助かったよ」

 

「あなたの判断がよかっただけよ。私はそれに従っただけ………それでそのことなんだけど……」

 

エキドナが指を合わせてもじもじしている。

 

「ん?」

 

「頑張ったから頭を撫でてくれないかなー……なんて……」

 

エキドナが顔を赤らめながら言う。

 

「ああー! エキドナさんだけずるいです! マスター私にもして下さい!」

 

そのやりとりを見ていたワルキューレも俺の近くに寄ってくる。

 

「それは終わってからの約束だろ。今はダメだ」

 

 

「…ケチ」「残念です…」

 

2人は不満そうにほっぺたを膨らます。その姿が可愛かった。まあでも今はこの緊張を解く訳にはいかないから我慢してくれ。

 

 

 

 

「じゃあ気を引き締……」

 

ギィー

 

俺が2人に話しかけようとした時、奥の扉の開く音が聞こえた。

俺たちはその音に反応して身構える。

 

「いやあお見事お見事」

 

静かな城内に低い男の声が響き渡る。その声は扉が開かれた場所から聞こえたものだったが薄暗くてよく見えない。

 

「誰だ」

 

俺は扉の方に向かって言う。

 

「おっと失礼。暗くて姿が見えませんかな? ならばもう少し近くに行きましょう」

 

そう言ってその言葉の主は俺たちの方に歩いてきた。

俺たちはさらに身構える。

 

その男は俺たちの5m先で止まった。すると見えなかった姿が蝋燭の光によって照らし出された。

 

青白い長い髪で黒いマントを羽織り赤いサーベルを手にしていた。

 

「お察しの通り私がこの城の主であるヴァンパイアロードというものです」

 

やはりそうか。なんかそんな気がした。さっきの敵たちとはまるで違うオーラを放っている。

 

「いやあ参りましたねぇ、私の精鋭部隊が全滅させられるとは。 ここまで来た者は久しぶりですね」

 

ヴァンパイアはハハハと笑う。

 

「ここまで来れたことは褒めてあげましょう。ですが貴方たちもここまでです」

 

そういってヴァンパイアは腰にさしてあるサーベルを抜いた。

それを見てワルキューレとエキドナも戦闘体制に入る。

 

「1つ聞いていいか?」

 

俺はヴァンパイアに問いかける。

 

「なんでしょうか」

 

ヴァンパイアは首を傾げる。

 

「ここに来るまでに俺たちはたくさんの敵と戦ってきたわけだがどのモンスターも俺を中心的に狙ってくる。 普通ではありえないのだが、ここの秩序はいったいどうなってるんだ? 危なくてしょうがないぞ」

 

その言葉を聞いてヴァンパイアはまたハハハと笑った。

 

「何がおかしい! そんなことしていたら運営に目をつけられるぞ!」

 

俺はその態度に少し苛立ちをおぼえた。

 

「ハハハ、運営? そんなもの目じゃないですよ」

 

「何?」

 

「ここは運営が手をつけられなくなった、いわば無法地帯。まあ要するにこのダンジョンのボスである私が取り仕切っているわけですよ」

 

「……」

 

俺は言葉が出ない。ヴァンパイアは話を続ける。

 

「そこで私は自分なりのルールを定めたわけです。 まあ例えば “モンスターより人間を優先的に狙え” とかね」

 

「そんなことしたらマスターが危ないじゃないですか! 何かあったらどうするんです!」

 

ワルキューレは怒ったような口調になる。

 

「何言ってるんですか。それでいいんですよ」

 

ヴァンパイアは当然の顔をして言う。

 

「そ、それならマスターが死んでも構わないと…?」

 

 

「ええ、なんども挑まれるのは少々面倒くさいのでね。 そうした方が手っ取り早いかと」

 

フフッとヴァンパイアは笑ったが目は笑ってなかった。

俺はそれに得体のしれない恐怖を感じた。

 

「…それじゃあ、ここでパズドラを辞めていった人たちっていうのは……」

 

今まで黙っていたエキドナも口を開く。

 

「まあ仮で辞めた形になっているのでしょう。 だって本当は私達が殺したのですから」

 

「…非道ね」ギリッ

 

「ゆ…許せない……」

 

2人は怒りで震えていた。

 

「マスター、パズルを回して下さい。 こんな奴さっさと倒しましょう」

 

「ああ」

 

ワルキューレがこちらを向く。 こんなに怒っている彼女は初めて見る。

 

だが俺も同じ気持ちだ。 こんな奴放っておくわけにはいかない。

 

 

 

俺はパズルに手をかけた。

 

 

 




なんかシリアスな展開になってきちゃいましたね

ほんわかいきたいんだけどなー笑

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