命が尽きるまで   作:練火

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珍しく、更新(第?回)


第13話

『オイオイ!囲まれたのか!?』

 

ショウマが焦りながら言ってくる。

言わなくても解っている。本拠地を囮にしてあの戦艦バイクやゲドラフの最も戦えるポイントまで案内されたのだろう。

内心で舌打ちをするカズ。

戦艦バイクが突っ込んでくる!!

 

『来るわよ!』

 

「ここからは作戦2!!囮は頼むぞレーア!!」

 

通信を回すと全員は了解と頷き、戦艦バイクを中心に左右二手に別れて散開した。

 

『援護は任せてくれ!』

 

「期待してる…よッ!!」

 

バヂィンッ‼ザシュザシュザシュ‼‼

 

ショウマの言葉を返しながら迫り来るゲドラフの一機を切り裂いた。周囲には十数機のゲドラフが牽制をしながら、二機を囲んでいる。

 

「あのバイクより先に、周りのMSから倒すぞ!」

 

『へへっ任せてくれよっ!』

 

ビュンッ‼!

 

Ζプラスのビームライフルがゲドラフに直撃したように見えるが、

 

『ってあれ!?効いてないのか!?』

 

そんなものもお構い無し真っ直ぐにΖプラスに向かう

 

「チィッ!ビームコーティングか!」

 

アルテミスがΖプラスとゲドラフの間に入り、デファイアント改ビームジャベリンを交差にしてゲドラフの車輪を受ける。

 

「ショウマ!」

 

『ありがとうなカズッ!』

 

Ζプラスがゲドラフの目の前にグレネードを投げ込んだ。

 

ドゴンッ!

 

「そらよっと!!」

 

ザシュッ!!

 

動きが止まった瞬間にその横っ腹へビームジャベリンの片割れを突き刺した。

 

「ショウマ、コイツを使え!」

 

『ツインショットガン……良いのか?』

 

「何、俺にはコイツがある」

 

ビームジャベリンを見せ付けるアルテミス。

 

『あっそうか。カズだもんな』

 

……後でその言葉の意味を知りたいものですねぇ!?

そう思いながら、左右から迫るゲドラフを見つつ、

 

「ショウマ、ちゃんと息を合わせろよ!!」

 

『任せろって!』

 

左のゲドラフをアルテミスが連続で切り裂き、

右のゲドラフをΖプラスが横に避けた瞬間、コックピットにゼロ距離でショットガンを放った。

 

ザシュザシュッ!‼ドンッ‼‼

 

 

 

 

レーアとフェズは迫り来る戦艦バイクをかわし、ゲドラフを落としたりはしているが、終わりが見えない。

 

「せめて、あの戦艦をどうにか出来れば…」

 

『やっぱりちょっと手強いねぇ』

 

戦艦バイクにはビームを撃ち込んだり、シャイニングフィンガーを喰らわせたりとしているが車輪部部や下部の装甲は分厚く、殆ど傷がついていない。

ならばと思い、致命的な急所である操舵室を狙いに行くが、弾幕が厚く容易に近付く事が出来ない。

 

「ああ!もうっ!カズ達はまだなの!?」

 

今作戦を始める前に決めた囮作戦。対一の攻撃が得意なフェズとレーア、対多の攻撃を慣れているカズ。それに、少しでも生存率を上げるためにショウマが援護に入る。

それが作戦2の内容なのだ。

作戦が囮に成ってから既に十数分が過ぎようとしていた。

レーアはカズ達が居るであろう方向を見ながら、そう言った。

瞬間、フェズから通信が入った。

 

 

 

 

『馬鹿ッ!!!前を見ろッ!!!』

 

 

 

 

 

ーーーーーそれは間違いだったのかも知れない、目前に巨大なタイヤが迫っていたのである。

 

 

 

 

 

 

「えっーーーー」

 

 

 

 

 

反応は間に合わない。本能的にそう感じた。

 

「ーーーーまだ、私には……!」

 

レーアは両腕を顔の前で交差しながら呟いた。

 

『ーーーォォォオオォォラアァァァァァァッ!!!!!』

 

 

ギィンッ!!ガガガガガガガッ!!!!

 

紅いアルテミスが寸前で間に入り、ゲドラフの時と同じようにビームジャベリンでタイヤを受け止める。

 

 

 

 

 

『カズ!レーアが!!』

 

ショウマの通信で目の前の最後のゲドラフと戦いながらもレーアの方を見ると、戦艦バイクが迫っているのに身じろぎを一つもせずに何処かを見ているガンダムエクシアの姿であった。

 

「何やってんだよ!?」

 

ザシュッ!!ビュウゥゥゥンッ!‼

 

目の前のゲドラフを切り捨てると止める間も無く、アルテミスをガンダムエクシアに向け走らせる。

 

「間に合わない…!!もっと早く!!」

 

カズに答えるが如く、覚醒現象に入ったアルテミスの機体が紅く染まり、更に倍の速さでガンダムエクシアの元へたどり着いた。

 

「オォォオオォォラアァァァァァァッ!!!!!!」

 

叫び声を上げながら、デファイアント改ビームジャベリンで目前のタイヤに肉薄する。

 

ギイィィンッ!!ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!

 

ゲドラフとは質量が違い過ぎて、後二分も持たない間に砕け散るだろう。

 

「レーア!」

 

『ッ!ありがとうカズ!』

 

レーアが直ぐ様、離れていった。それを横目で見ながらカズは良しと思いながら、直ぐ様思考を目の前に戻す。

 

「限界まで上げるぞ、持ってくれよーーーアルテミス!!」

 

アルテミスの機体が紅く更に紅く染まっていく。

 

「ガアァァァッ!!!」

 

ギイィィンッッ!‼‼ドゴンッ!!!ジャジャジャッ!!!

 

横に反らし、戦艦バイクは走り去っていく。

 

『何だって!?たかがMS一機でこのアドラステアを……!?』

 

「鬱陶しいんだよォ。くそったれがアァァァッ!!」

 

アルテミスはヒビの入ったビームジャベリンを捨て、ビームサーベルを二本持って突貫する。

 

『撃て!相手はたかが一機!撃ち落とせェッ!』

 

ビュンッ‼ビュンッ‼ビュンッビュンッビュビュンッビュウゥゥゥンッ!‼

 

体勢を立て直したアドラステアから放たれる主砲や側面に配置されている砲門からの一斉射撃。

その射撃を全て紙一重でかわしながら、アドラステアの操舵室に向かう

 

『あれを回避するだと!?このーーー』

 

操舵室の艦長席に座っている男が目を剥きながら叫んだ。

アルテミスは両腕を微かに後ろに下げ

 

「耳障りなんだよ。失せろッ」

 

『ーーー化け物めっ!!!』

 

バチュンッ!!ボガァンッ!!!

 

操舵室を刺し貫いた。

そのまま後ろに下がりつつ、二本のビームサーベルを引き抜くと、アドラステアが爆炎に包まれていった。

 

「……化け物で結構だとも」

 

それを冷めた目で見つめながらカズは呟いた。

 

 

ーーーーーテメェ等、連合を滅ぼすためならな……




しょうがねぇだろ?基本読み専なんだから……

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