彼の生い立ちや背景には余り触れていなかったので、今回で(手遅れにならない内に)多少明かしたいと思います。
スキル
≪投擲≫:物を投げる為のスキル。投擲物の威力が高まる。投擲用のソードスキルが使用できる。
≪魔法感性≫:魔法を使用する為の必須スキル。このスキルがなければ魔法は使用できない。
≪射撃減衰≫:射撃攻撃の威力を低減するスキル。物理・魔法問わずに射撃属性全てに効果を発揮する。
アイテム
【不詳の干し肉】:何の肉か定かではない干し肉。硬く、塩の味が強い。だが、その歯ごたえは飢えをよく満たすだろう。
【アリシアの肖像画】:バランドマ公爵の屋敷に飾られている肖像画。美しい女性の肖像画であり、彼の妄執そのものである。彼の狂気の源泉は純粋な愛か、それとも邪な欲望か。
【骸骨戦士の槍】:終わりつつある街の周辺でさ迷う骸骨戦士の槍。彼らはかつて大いなる敵から民を守る為に戦った兵士であったはずが、その死後は闇の者に使役され、民を害する亡者と化してしまった。
『何でおじぃちゃんは牛さんを飼ってるの?』
『売る為だ。アイツらは食肉用だ』
おじぃちゃんは何でも包み隠さず、ハッキリと物を言ってくれて、そしてオレをとても可愛がってくれた。オレが5歳の時に寝小便をして親父に怒られた時、平然と親父は10歳まで寝小便をしていたと擁護してくれたし、クリスマスになると毎年のようにサンタの格好をしてわざわざ2階にあったオレの部屋の窓から入ってプレゼントを枕元に置いてくれた。もちろんプレゼントには『サンタより』ではなく『おじぃちゃんより』というカードが添えられていた。
オレは正月になると必ずおじぃちゃんに会いに行った。おばぁちゃんの作る団子や饅頭は……いろいろと個性的だったり自然的過ぎたりで口に合わなかったけど、おじぃちゃんが作る鍋は最高に美味かったからだ。
あれはオレが6歳で、春から小学校に行く事になって、深緑色のランドセルをお披露目に行った時だ。おじぃちゃんはオレを連れて山に出かけた。おじぃちゃんが所有しているという山は、古くから恐ろしい怪物が住んでいるという伝承があった。
『いいか、篝。儂は今じゃ牛飼いをやっているが、この血は古来よりこの地を守った山の守人にして狩人のものだ。儂らはヤツメ様を祀り、畏れ、そして山を下りて人を害さんとすれば命を賭して戦い、お鎮まりになるように祈る。そうしてきた一族の末裔のものだ』
おじぃちゃんは愛用の猟銃を持ち、血統は分からないが異常にでかい猟犬の3代目コゴローと共に猪狩りに出かけた。オレはその付き添いだった。普通の家庭なら、まだ6歳のオレが同行するなど反対するだろうが、親父は笑いながら行って来いと送り出した。ちなみに帰ったら母さんの赤い手形が親父の頬には刻まれていた。
山を登りながら、オレにおじぃちゃんは流れる血のルーツを教えてくれた。それはきっと、どんな家族にでもある、だけど多くが語り忘れてしまい、いつしか失われてしまった物語のようなものなのだろうと、オレは幼い心で感じていた。
『ヤツメ様って怖いの?』
『儂には怖くない。なんせヤツメ様は大層な美人の姿で現れる。じゃが、山に儂ら一族以外の者が立ち入ると世にも恐ろしい姿になって人の心臓を喰らう。山を下りて村を襲う時はもっと恐ろしい姿になる』
『へー。つまんないね』
『つまらんのぉ。どうせなら儂らの前にもとびっきり恐ろしい化物の姿で現れてほしいもんじゃ』
『だよねー』
ヤツメ様におじぃちゃんは会った事があるのだろう。だから、オレも会いたいと望んだ。代々女好きらしいオレ達を惑わす為にヤツメ様は美人の姿で現れるらしいが、ならば絶世の美女で現れてほしいと、ガキの癖に望んだ。
やがて、おじぃちゃんは息を潜めて猟銃を構えた。3代目コゴローはまるでおじぃちゃんと意識が繋がっているかのように、足音を立てる事無く茂みの中に消えた。
1発の銃声が響くと、眉間を撃ち抜かれた猪が転がっていた。だが、不思議な事に猪は胸に大きな傷を受けていて、元から死にかけだった。おじぃちゃんがしたのは、この猪にトドメを刺した事なのだと理解した。
だが、猪にはまだ息が合った。血を流しながら、3代目コゴローに咆えたてられながら、もはや消えかけの命に縋りついていた。
『篝。お前がトドメを刺せ。人は何かを食って生きてる以上、必ず命を奪って生きてる。お前が毎年食ってた鍋の肉は猪だ。こうして儂が撃った、この山の命だ。そして、いずれこの山はお前の物になる。だからヤツメ様に証明してみろ。お前は「狩り、奪い、喰らう」側だとな』
狩猟用のナイフをオレに押し付けたおじぃちゃんの顔は、とても優しかった。いつもと何ら変わらなかった。でも、目だけはいつもと違って、まるで人ではない、よく見かける『アレ』のように不気味だった。
そして、オレも何かが違った。ナイフを手にして、その鋭利な先端をオレは猪の首の硬い肉に押し付けた。だが、オレの幼い力では分厚い皮を微かに破る事しか出来なかった。
だが、まるで幻のように美しい真っ白な女性の手が横から伸びてナイフの柄頭を押した。呆気なくナイフは猪の首を抉った。
その後の事は憶えていない。オレはおじぃちゃんに山に設けられた社に残され、3代目コゴローと一緒におじぃちゃんが猪を処理するまで遊んでいた。
『やっぱりお前は儂の孫だ。あの馬鹿息子共とは比べ物にならん! こりゃ将来楽しみだな!』
おじぃちゃんはあの白い手の事は何も言わなかった。オレの見た幻だったのかもしれないし、もしかしたらおじぃちゃんにも見えたヤツメ様の手だったのかもしれない。だが、真実なんてどうでも良かった。
オレはおじぃちゃんに認められて嬉しかった。もしかしたら、ヤツメ様にも跡取りして認められたのではないかと思うと興奮して堪らなかった。
『ねぇ、ヤツメ様ってどんな恐ろしい姿で人を襲うの?』
オレが気になったのは、ただ1つの答えだった。オレがおじぃちゃんの目に感じた『アレ』の正体が、ヤツメ様の気がしてならなかった。
夕暮れの中でオレの手を引くおじぃちゃんは、ぞっとする程に楽しげに笑って答えを教えてくれた。
『蜘蛛じゃ。蜘蛛こそがヤツメ様の本性じゃ。そして儂らの先祖はあろうことかヤツメ様と狩人が交わって生まれたガキなんだと』
オレは何となくだが、そんな気がしていた。おじぃちゃんのあの時の目は、まるで蜘蛛のように、人としての在り方を捨てたかのような、そんな真っ暗な目だった。
ナイフを手にした時、オレも同じような目をしていたのだろう。
だが、それで良いと思った。おじぃちゃんと同じ血が流れている。そう思うと誇り高くて仕方なかった。いつか、オレもこんな風に、誰にも脅かされないような、神様を祀りながらも戦う事だってできる、そんな狩人の男になれたら最高に恰好良いとすら思った。
Δ Δ Δ
「まぁ、所詮は子供の頃の話だけどな」
「目覚めて一言目がそれって意味不明過ぎね。はい、ディアベル特製ブレンド」
「どうも。ただの夢の話だ」
上半身を起こし、欠損状態だったはずの左手を握ったり開いたりして調子を試しながら、オレは半目で鬱陶しそうな視線を送るシノンからマグカップを受け取る。
頭は不思議な程にクリアだ。ディアベルに睡眠薬を盛られた(というよりもナイフで強引にデバフにされた)事までは憶えているが、それ以降はずっと意識は暗闇の中で、ふわふわとした夢を見ていた。
「どんな夢を見たんだい? 6時間以上も退屈な見張りをしていた俺達に是非とも教えてくれ」
ディアベルの何処か棘のある言い方から察するに、オレが寝ている間に何かあったのだろうかと思ったが、飲んだ珈琲の不味さが尋常ではないので、大方ブレンドが大失敗した腹いせだろう。
「ガキの頃の話。おじぃちゃんとの思い出さ」
「へぇ。貴方っておじぃちゃん子だったの? なんだか意外ね」
「失礼な! オレは滅茶苦茶可愛がられてたんだぞ! まあ、今にして思えばおじぃちゃんの教育方針が今のオレを作ったって言うか、オレの血筋自体が下手したらイカれてるかもしれないとか、そんな話になるから昔話は割愛するけどな」
「増々気になるな。是非聞かせてくれ」
ディアベルにせがまれるが、オレは無視してゲロマズ珈琲(味は珈琲の欠片もないが)を飲む。
SAOに入るまではオレの目標はおじぃちゃんだった。だが、SAOで初めてプレイヤーを……人間を手にかけた時、もうオレはおじぃちゃんに成れないと分かった気がした。
おじぃちゃんが命を奪うのは、言うなれば食べる為だ。だが、オレはSAOで積極的にプレイヤーのHPを削り、ゼロにし、殺した。相手はいつも人の命を何とも思っていない悪質なオレンジやレッドばかりだったが、オレのやり方はどんどんエスカレートし、いつしか好んでPKKをするようになっていた。
現実に帰還し、オレがSAOで何をやったのか全てを知っている家族を前にして、何も喋れなかった。母さんはオレが無事に帰って来て泣いて喜んでくれたし、親父はオレを責めようともしなかった。仮想世界でのデスゲームというイカれた環境が息子を狂わした。そう思ったのだろう。オレ自身もそう思いたかった。
だが、おじぃちゃんだけは違った。おじぃちゃんだけは、いつもの優しい声で、いつもと同じような口調で、オレに言った。
『ごめんなぁ、篝。お前は儂よりも血が濃かったようじゃ。お前はまさにヤツメ様じゃ。狩り、奪い、喰らい、そして畏れられる、美しき者じゃ』
おじぃちゃんの目にあったのは、狩りをする時の蜘蛛のような目でも、孫を見る優しい目でもない、化物の姿を持つ神様に対する畏怖と信仰だった。
オレの知っているおじぃちゃんは、オレ自身が変わった事で、もう会えなくなった。
「だから、オレは自分の顔が嫌いなんだよ……」
ただでさえ女顔で嫌いなのに、その上でおじぃちゃんはオレにヤツメ様を重ねている。常に美女として現れる神様に。お陰でSAO攻略後に3倍増しで自分の顔が嫌いになって錯乱した挙句、入院中に思いっきり顔面に傷をつけてしまった。どうせなら雄々しい傷跡が残ればいいのに、無駄に腕の良い医者のせいで綺麗に治ったのもいただけない。
「それよりも、オレが寝てる間大丈夫だったのかよ? モンスターに襲われたりしなかった……か?」
呑気に寝ている暇はない。そう思ってオレは周囲を見回し、明らかに光景がダンジョンではない事に気づく。
木製の調度品や古ぼけた箪笥、曇った鏡。天井で揺れるランプ。いずれも典型的な宿のインテリアだ。オレ自身も横たわっていたのは、DBOでかつて体験した事がない程にふかふかなベッドだ。
状況が呑み込めないオレに対し、シノンが言い難そうに語り始める。
「……貴方が寝ている間に、あるパーティに出くわして、脱出を手伝ってもらったのよ。対価としてマップデータを提供する事になったけどね」
「暫定的な安全地帯とはいえ、このDBOにはどんなトラップが仕掛けられているか分からない。彼らの提案に乗るのも悪くないと思ったんだ」
……危ねーな。オレは漏れ出しそうな声を呑み込んでおく。このDBOはPK推奨だ。安易に他のプレイヤーを信じてはならないのは鉄則のはずだ。にも関わらず、この2人はよりにもよってダンジョンで出くわしたパーティの申し出を受け入れたらしい。
だが、その原因になったのはオレだから仕方ない。文句を言う筋合いはない。それに、オレの警戒はハッキリ言って過剰な部類のはずだ。そもそも他のプレイヤーを一切信じない、協力しない、なんて攻略上無理だし無謀だ。
この辺りで他プレイヤーと交流を持つ。それも悪くないだろう。それに、わざわざ死地にいるオレ達を救った段階でPK狙いな訳ないんだし。
「おっ! 目覚めたようだな!」
と、オレが1人脳内会議をしているとドアが開いて、気の良いおっちゃんといった感じの30歳後半くらいの大柄の髭男が入って来る。
まるで熊だな。オレがそう思っていたら、プレイヤー名も『グリズリー』だ。どうやら自覚があるらしい。
「彼はグリズリーさん。クーを背負ってくれた方だ」
「あ、ど……も」
そして、やはり遺憾なく発揮されるオレのコミュ症スキル。初対面の人間は怖いんだよ! 仕方ねーだろ!
今にも壊れそうな勢いで椅子に腰を下ろしたグリズリーは、にっこりと人の良さそうな顔で笑う。ああ、確かにこれは悪人じゃないな。確実に悪人に騙されてPKされる側の人間だ。これが演技だったらヤバい気もするけど。
警戒し、オレは右手にまだ鉤爪が装備されている事を確認する。セットしている薬はレベル1麻痺薬だ。この位置ならば、まず毛布を使って目潰しをして、その内に背後に回ってバックアタックが最適だろう。
「はははは! 警戒する必要はないぞ! ここは安全圏だ。存分にくつろいでくれ」
オレの緊張を見抜いたのか、グリズリーは肩を叩いてオレに告げる。スゲェ痛い。間違いない。コイツ、STR偏重だ。
というか、コイツ今何か聞き捨てならない事言わなかったか?
「あ、安全圏? ど、どういうことだよ!?」
「私から説明するわ。ここはグリズリーさん達のパーティが所有する、終わりつつある街にある彼らのホームハウスよ。『プレイヤーが所有している敷地内』は安全圏となる。このDBOで初めて確認された、プレイヤーへの救済処置ね」
シノンは自分で言いながら、信じられないといった様子で口元を綻ばしていた。それは当然だ。オレ自身も到底簡単に信じられない。
だが、グリズリーはまるで自分を殴れと言うかのように胸を叩く。オレは明確な攻撃の意思を持って、十分にHPを削れるだけの威力を乗せて拳を振るう。
オレの拳がグリズリーの胸に命中した時、現れたのは紫色のエフェクトだった。それが意味するのは『攻撃の無効』。
「ほ、本当に……安全圏、なの、か。夢じゃ……ないのか?」
へなへなと脱力したオレに、グリズリーは力強く頷いてオレの手を握る。仮想世界なのに、確かな人の体温を感じる。それはSAOでは当たり前だったはずなのに、とても不思議だった。
「ああ、夢じゃない。もうキミのような女の子が無理して戦わずとも安全に居られる場所はある。これからキミの身は我々『ZOO』が責任を持って補償する!」
なるほど。コイツらはパーティ名まで持ってるわけか。『ZOO』って事は何か? メンバーは全員動物の名前なのか?
いやいやいやいや、今はそんな事どうでも良い。
コイツはもっと重大な事を口にした。それを聞き逃すわけにはいかない。
「今……なんて?」
「ん? ああ、すまん。先程リーダーと話し合ってな。キミの身柄を我々で保護する事になったんだよ。実はウチのリーダーがリアルじゃ教師で……」
「そこ、じゃ、ない」
睨む。オレは無言でグリズリー越しにディアベルとシノンを睨む。
「うーん。このブレンドもイマイチだな。どう思う、シノン?」
「コッチのブレンドが少しだけ珈琲の香りに似てるかな。これをベースに開発を進めたら?」
テーブル越しに座ってディアベルが珈琲を飲んでやがる。完全にオレを無視してやがる。
単純に話す機会がなかったのか? それとも敢えて話さなかったのか? どちらにしても、オレがすべきことは決まっている。素晴らしい事にここは安全圏だ。幾ら攻撃しても死ぬ事はない。
「あー、何だ。実は俺の娘もキミと同じくらいの年齢でね、なんか捨て置けないって言うか……」
「へぇ。ちなみに何歳くらい?」
「今年で14だ。これがまた可愛い娘でね。カミさんに似て本当に助かったよ。あ、でも親馬鹿抜きで言うとキミの方が可愛いかもなぁ……なんちゃって!」
なるほど。
つまり、オレは、14歳くらいの……
「女の子に見えたわけですかねぇえええええええええ?」
「ん? 違うのかい?」
悪意0パーセントの、まるで赤信号は『止まれ』じゃないと言われたかのようなグリズリーの表情に、オレの何かが切れた。
先程は攻撃の意思50パーセントの拳。今度は殺意130パーセントで華麗なアッパーをグリズリーに決める。派手な紫色のエフェクトとヒット音が響き、ノックバックしたグリズリーに間髪を容れずに跳び膝蹴りをかます。
「ぐほぉ!?」
「何で! どいつもこいつも! オレの! トラウマを! 抉る事に関して! 上手いんだよ! この! DBOの! プレイヤーは!」
オレの連撃でノックバックし続けたグリズリーは壁に叩き付けられる。その様子をディアベルとシノンは目を逸らしていたが、後でコイツらにも事情を訊いた上で制裁を下さねばなるまい。
スタミナ切れになるまで徹底的にグリズリーに苛烈な蹴りをお見舞いし続け、オレはすっかり怯えたグリズリーに、猫被りスマイルを向ける。最も、今の彼にはそれすらも恐怖の対象のようだが。
「オレ、こういう者です」
そう言って、オレは自己紹介用のプロフィールデータをグリズリーに送信する。
それを読んだグリズリーは血の気が引いた顔で、震える唇を動かした。
「じゅ、19歳……男?」
「はい、そうです。オレは【クゥリ】。正真正銘の日本男児です。次に女の子扱いしたら、リアルに戻ったらお前の金玉を娘の前で抉り取るからな? 覚悟しとけよ、糞が」
「……か、畏まりました」
まったく、何が何やら。オレは溜息を吐いて垂れた前髪を掻き上げ、鏡に映る我が身を睨む。
仮にオレの先祖がヤツメ様と交わって生まれたガキならば、オレの姿はヤツメ様なのだろうか?
いいや、違うな。オレって母さん似だと思うし。
≪残念なお知らせ≫
いきなりクゥリが神様パワーを発揮してデスゲームを攻略する事はありません。
全くありません。
欠片もありません。
きっちり丁寧にプレイヤーの方々には絶望と苦悩と恐怖の3点セットをお届けした上で死んでいただきます。
ご了承ください。
今回は血のルーツみたいな、人間ならば誰しもが持っている家系の歴史や伝承みたいなものを書いてみました。別にクゥリが人外というわけではありません。彼は100パーセント人間です。
ただし、人間は血の宿命から逃れることができないと思うのが筆者の持論です。
そして、そうした宿命は物語の題材として料理し易いとも、身も蓋もない事を言っておく事にします。
では、第12話でお会いしましょう。