異空生物―喰種―イクーセイブツ―グール―   作:中2病人間M

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空腹

「退院おめでとう!!」

「ありがとうございました」

 

 

僕は傷が治り病院を退院したのだった。

 

 

僕は高校生だが地元から離れて私立高校に通い下宿所で下宿をしていた。

 

 

 

 

 

僕は下宿所の部屋へ戻るとベットに入り込んだ。

 

 

「……珈琲(コーヒー)飲みたいな……」

 

 

僕はお湯を沸かし前に買っていたインスタントコーヒーを淹れてみたのである。

 

 

「まさか珈琲(コーヒー)まで吐かないよな……何、僕は珈琲(コーヒー)飲むのに緊張してるんだろ、アハハ……」

 

 

そうだよ、きっと、食べ物がまずいのだって、一時的なことだよ、きっと。

 

 

僕はその珈琲(コーヒー)を恐る恐る飲んだ。

 

 

「普通だ……てか、苦い、よし、砂糖いれちゃえ」

 

 

僕は珈琲(コーヒー)に砂糖を入れるとそれを思いっきり飲んでみたのだ。

 

 

「!!」

 

 

そして、僕はその珈琲(コーヒー)を吹き出したのだ……気持ちの悪い甘味に苦味が合わさりやはり嘔吐神経が過剰に刺激されたのである。

 

 

「いったいどうなってるんだ……それになんで珈琲(コーヒー)だけ飲めるんだ」

 

 

僕は不安から冷蔵庫にある食べ物を口に放り込んだが全て吐き出した。

 

 

「そんな……僕の舌はどうなってるんだ……」

 

 

君は喰種(グール)だ、空腹を満たすにはヒトを食べるといい。

 

 

「……誰」

 

 

頭の中に声が聞こえてきたのだ。

 

 

「……はっ!!この声は……」

 

 

頭の中に聞こえてきた声には聞き覚えがあったのである。

 

 

「……僕の心臓を食べた」

 

 

そう、俺は喰種(グール)、君も立派な喰種(グール)になるにはヒトを食べなきゃ。

 

 

喰種(グール)ってなんだよ!!」

 

 

 

 

 

そして、次の日の朝。

 

 

「腹へった……」

 

 

僕は昨日丸一日何も食べれなく腹が鳴り続けていた。

 

 

「今日、学校か……」

 

 

学校へは行く気分ではなかったが行くことにしたのだ。

 

 

 

 

そして、学校では、

 

 

「ソラっ!!元気か!!」

「ああ、ダイチ、もちろん、元気だよ……」

 

 

嘘です……

 

 

「なっ、ソラ、ファミレス行かね」

 

 

ファミレス……

 

 

「……」

「どうした、ソラ?」

「あ、ああ、遠慮してくよ、ちょっとまだ気分が……」

「そうか、でも、ソラ、お前飯はちゃんと食えよ!!」

「えっ……」

「どうした?」

「いや、なんでもない」

 

 

そうだよ、ちゃんと食べないと、彼もそう言ってるからさ遠慮なく彼を食べなよ。

だまれ!!

ほら、そこにいるヒトもあそこのヒトもとてもおいしそう。

やめろ!!

ほら、あのおデブちゃんなんて脂ののり最高だぜ。

やめろ!!

 

 

「ソラ?」

「あっ……」

「本当に大丈夫か?」

「平気さ」

 

 

しかし、何を隠そう僕は何も食べれなかったのである。

 

 

 

 

 

そして、僕は何も食べれなくなってから3日経過したのだった。

 

 

「腹が……まずい、本格的にやばくなってきた」

 

 

そして、僕はふらつきながら鏡を見た。

 

 

「!!そんな……」

 

 

僕の左目は白目が黒く瞳孔は赤くなっていたのだ。

 

 

「なんだよ、この目……」

 

 

それが喰種(グール)の目、それが赫眼(カクガン)さ。

 

 

また、声が聞こえて僕は改めて自分がその喰種(グール)になってしまったことを実感し絶望してしまったのである。

 

 

「……この目じゃ……学校に行けない」

 

 

僕は赫眼(カクガン)を隠すため左目に眼帯をし学校へ行くことにした。

 

 

しかし、

 

 

「……眼帯なんてないぞ」

 

 

仕方がなく僕はサングラスをして薬局まで眼帯を買いに向かったのだ。

 

 

 

 

その後、僕は医療用の眼帯を買うと家へ帰ろうと歩いていたのである。

 

 

「ん?」

 

 

どこからかほんのりの甘い香りが漂ってきた。

 

 

「この匂いは?」

 

 

おいしそうな匂いだな。

 

 

「本当だ……おいしそうな……匂い……」

 

 

食べたい?

 

 

「うん、食べたい」

 

 

食べに行きなよ……

 

 

「うん、いくいく」

 

 

そして、僕はその匂いのする方へと走り出したのだった。

 

 

 

 

そこには、

 

 

「ほら、金よこせ!!」

「やめてくれ……」

 

 

オヤジ狩りが行われていたのだ。

 

 

僕はオヤジの血の香りに寄せ付けられていたのか……

 

 

「そんな……」

 

 

うわぁぁ、見ろよ、あの血、舐めまわしたいな。

 

 

「いやだ……」

 

 

どうした?

 

 

「僕は……人肉なんて食べたくなぁぁい!!」

 

 

なんで?豚や牛は食べるのに君は人肉だけ食べればヒト以外の命は消費しないですむぞ。

 

 

「それでも嫌だぁぁ!!」

 

 

そして、僕に気がついたヤンキーどもが口封じのために僕に近づいてくるも僕はそのヤンキーを吹っ飛ばし近くの壁を殴り続けたのである。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

君、結構力あるんだね。

 

 

 

 

 

そして、食事が出来ないままもう1週間が過ぎた。

 

 

「ソラ!!どうしたんだよ」

「ダ……ダイチィィ……」

 

 

僕はとうとう限界になり学校の教室でうずくまっていたのだ。

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!ニク、ニクゥゥ!!」

 

 

 

 

 

その頃、とあるモニターに何か反応したのである。

 

 

「ミウラ部長!!喰種(グール)の反応です!!」

「赫子を出したのか?」

「いいえ、空腹による反応です……!!ミウラ部長、このRc反応は数日前、ミトさんが交戦した喰種(グール)と同一のものです」

「はっ?でも、奴は心臓がなくなった死体を回収した筈ですが」

「ミト捜査官、クモン捜査官は至急現場へ」

「了解、行こうミト君」

「はい、クモンさん」

「……空腹なら落ち着かせるために肉を持っていけ」

「はい、ミウラ部長」

「急ぐぞ、ミト君」

「はい!!」

 

 

2人の捜査官が出発するとミウラ部長は表情を険しくしていた。

 

 

あの喰種(グール)の死体には心臓と赫包がなかった……まさか、悪い予感がする。

 

 

 

 

 

その頃。

 

 

「ソラ!!」

「ニクゥゥ……ニクゥゥ……」

 

 

ほら、君の友達……食べちゃいなよ。

 

 

「食べなよ……

食べちゃう……

食べなって……

食べよ……!!嫌だぁぉ……そんなのヒトの肉なんて……

ヒトの肉を食わなきゃ強くなれねぇ……」

「ソラ!!」

「ダ、ダ、ダイ……

お前が食べないなら僕が食べるよ……」

 

 

そして、赫眼を隠していた眼帯が外れ赫眼がむき出しになったのだ。

 

 

「!!………ソラ……」

 

 

その目を見た周囲の人間たちは悲鳴をあげダイチ以外はみんな距離をとったのである。

 

 

「みんなお前を喰種(グール)だと思ってる、そう喰種(グール)はヒトを喰らうんだよ!!お前、もう空腹で限界だろ!!

本当だ、ダイチ、おいしそう……ホントにおいしそうだ……僕が食べてあげるよ……ダ、ダ、ダ、ダ、ダイチ……」

 

 

そして、僕は食欲に負けてダイチに飛びかかろうとした。

 

 

その時

 

 

「やめろ!!」

 

 

突然、ドクロのマスクとエルム街の悪夢のフレディを模したような顔のマスクを着けた男が2人、僕とダイチの間に割り込み僕を吹っ飛ばしたのだ。

 

 

フレディ(クモン)さん、あの赫眼」

「ああ、シニガミ(ミト)、隻眼だね、部長の予感が的中したか」

喰種(グール)の心臓が人間の中に入り込む、そんなことがあるんですか?」

「詳しい検証はあとだよ、シニガミくん、肉は出すんだ」

「クインケを……」

「クインケはあとだ、殺す訳じゃない、まずは空腹を止めるんだ」

「わかりました」

 

 

シニガミと呼ばれた男は何やら大きいトランクケースを僕の前に置きケースを開いた。

 

 

「ニクゥゥ……」

 

 

トランクケースの中にはたくさんの肉があったのだ。

 

 

「ニクゥゥ!!」

 

 

僕はトランクケースに駆け寄り中の肉をつかみ食べようとしたのである。

 

 

「……嫌だ……やっぱり、ヒトの肉なんて食べたくない!!僕は僕は……怪物じゃない人間なんだぁぁぁ!!」

「クモンさ……失礼、フレディさん、こいつ人間なのでは……」

「かもしれんな……安心するがいい、それは、鳥と豚と牛の肉だ」

「えっ………嘘だ、喰種(グール)はヒトしか食べれないって聞いたぁぁ」

「それは違うよ」

「嘘だぁぁ!!」

「シニガミくんの言う通りだ、たしかにヒトの肉は喰種(グール)を強化する栄養になるが生きるだけなら他の動物の肉でも食べられる、だから、安心して喰うといいぞ」

「……」

 

 

僕はその肉を一口食べたのだった。

 

 

「……うまい……」

 

 

そして、僕は勢いよくトランクケースの中の肉を食べすぐに全ての肉を食べきった。

 

 

「落ち着いたか……」

「……はい」

「シニガミくん、彼を連れて本部に戻るぞ」

「はい、本部に付いてきてくれるか、君のことを調べたい」

「あなたたちは……」

「異空生物対策局喰種対策部の捜査官だ」

「異空生物対策局……」

「詳しい説明は本部ですればいい、ほら、シニガミくん、ヘリが来てしまったぞ」

「すいません、フレディさん……君、来てくれるか?」

「……はい」

 

 

僕は2人の捜査官と一緒にヘリコプターに乗るのだった。




と、久しぶりです、あー眠い…他の小説多くてねーむい…じゃ、今日はここらへんで

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