異空生物―喰種―イクーセイブツ―グール―   作:中2病人間M

22 / 26
生屍

NI地区ではとある噂話が出回っていた。

 

 

それは死人のような人が徘徊しているという話だ。

 

 

NI地区の警備省の捜査官である桐谷(キリタニ)小林(コバヤシ)はその真相を捜査してきたのである。

 

 

「キリタニさん、死人の話、どう思います?」

「……さぁな、変質者かもしれないな」

「まぁ、そうですね……そういえばこの近辺で喰種(グール)が暴れてるって報告もありますね」

「……そうだな、それは喰種(グール)処理省の捜査官の仕事だ」

「まぁそうなんですけど、今回のゾンビ、喰種(グール)と何か関係があるのかなぁと思いまして」

「……どうだろうな」

 

 

そして、コバヤシとキリタニは目撃者の元へとやって来た。

 

 

「どうも、警備省のコバヤシてす」

「……同じくキリタニです」

「はい、実は……」

 

 

目撃者いわく、夜道を歩いていると人影がありその人影が近寄ってくるとそれは死体のようであり襲われそうになったそうだ。

 

 

 

 

「キリタニさん、さっきの話どう思います?」

「……実物を見ねぇと何とも言えねぇな」

「そうですよね」

 

 

その時

 

 

コバヤシとキリタニの上空をヘリコプターが飛行していたのである。

 

 

「あのヘリコプターは?」

「……喰種(グール)処理省のヘリコプターだ、喰種(グール)の捜索だろうな」

「あっちも僕らも大変ですね」

「……そうだな」

 

 

 

 

その後、何人かの目撃者と接触したが全員同じようなことを言っていた。

 

 

「本当に死人が歩いているみたいな供述ばかりですね、まるで生屍(ゾンビ)

「……ああ、そうだな」

 

 

その時

 

 

「「!!」」

 

 

近くに死体が転がってきたのだ。

 

 

「死体!?」

「……あいつだ」

 

 

そこには羽赫の赫子を出したカサイがいたのである。

 

 

喰種(グール)ですね」

「……喰種(グール)が暴れているらしいがその残党だろう、処理省に連絡するぞ」

「はい」

 

 

その時

 

 

「「!?」」

「来やがった……」

 

 

カサイの背後から大勢の死人のような人間がやって来た。

 

 

「なんだあいつら?」

「……まさか、あれが通報のやつか?」

「来るんじゃねぇ!!」

 

 

カサイは羽赫を乱射し殺していったのだ。

 

 

「なにしてんだ!!」

 

 

コバヤシはカサイに拳銃を発砲したのである。

 

 

「……まて、その銃弾じゃ喰種(グール)は傷つけられない」

 

 

キリタニは喰種(グール)用の銃弾を拳銃に入れた。

 

 

その時

 

 

「なっ!!」

 

 

生き残っていた人間がコバヤシの腕に噛み付いたのだ。

 

 

「コバヤシ!!」

 

 

キリタニは噛み付いてる人間を蹴り飛ばしたのである。

 

 

「……ありがとうございます、キリタニさん」

「……ああ、大丈夫か?…………それにしてもなんだあいつら」

「あいつら言葉も通じない、人に噛みつくしか脳がねぇみたいだ、まるで生屍(ゾンビ)だ」

 

 

そして、カサイは再び羽赫を乱射した。

 

 

その時

 

 

「キリタニさん」

「なにっ!?」

 

 

さらに多くの生屍(ゾンビ)がやって来たのだ。

 

 

「手に終えない」

 

 

カサイはこの場から走り出したのである。

 

 

「キリタニさん、逃げましょう!!」

「……ああ!!」

 

 

大勢の生屍(ゾンビ)から逃げカサイとキリタニたちは共に行動したのだった。

 

 

 

 

 

その頃、NI地区にあるNIタワーの最上階にはある男たちがいた。

 

 

「広まってるな、爺さん」

「ああ、この実験でこのきのこの菌が人間や喰種(グール)にどれだけ有効か確認する」

 

 

別の世界の科学者の老人とクローはこのクローのRc細胞をきのこの菌に配合して作り上げた菌をこの地区にばらまきその効果を実験していたのだ。

 

 

「しかし、爺さん、人間は喰種(グール)というより生屍(ゾンビ)喰種(グール)は……死体になってるぞ」

「殆んどの喰種(グール)は相性があわず死滅してしまう、何人かは死ぬ以外の反応を見せるかもしれぬがな」

「それで爺さんの世界の手がかりは見つかるのか?」

「もし、完全に菌と結合する喰種(グール)がおったらその喰種(グール)の細胞を研究すれば怪人への兵器となるかもしれぬ、さらにそれを菌として培養すればわしの世界を救える」

「………で、この娘を拐ってきた理由は?」

 

 

クローの後ろにはマスクを付けられ拘束されたシオンがいたのである。

 

 

「………その娘は自然に生まれた喰種(グール)と人間のハーフじゃ、本当に希少な存在、あの半喰種(グール)と共に実験すれば面白い結果が見れるかもしれぬ」

「そういや、あの半喰種(グール)はどうして半喰種(グール)になったんだ」

「……あの人間が死にかけた喰種(グール)に補食されかけてる際、偶然にもわしが近くで見ていたのじゃ、だからわしがRc細胞を電波で捜査し彼の心臓に動かしたのじゃ」

「まさかそんな偶然の出来事で生まれた喰種(グール)がここまで喰種(グール)の社会を荒らすとはな」

「元々、鱗赫の中でも再生力が高い喰種(グール)じゃったからどうかと思ったがまさかここまで異常な再生力になるとは、もはや、心臓と脳さえ繋がっていれば再生できるかもしれぬ」

「よし、あいつをここにおびき寄せるか、おい、やってこい」

「かしこまりました」

 

 

クローは部下の喰種(グール)に命令しその喰種(グール)はこの場から出ていった。

 

 

 

 

 

その頃、僕はあの戦いのあと自分の世界に戻ろうとしておりマスクを外そうとしていた時に生屍(ゾンビ)たちに遭遇し地区内を駆け巡っていたのだ。

 

 

「全く、どうなってんだ」

 

 

その時

 

 

「眼帯!!」

「まってください、上等、今はそんな状況じゃ」

「しかし、ナンブ……」

「貴方の部下の言う通りです、今は避難しなくちゃいけない、僕が喰種(グール)でも今は休戦だ」

 

 

そこへ、

 

 

「上等、あれは警備省の捜査官ですね」

「そうだな……!!まて、喰種(グール)が一緒だ」

「あれって普通に喰種(グール)と行動してますよね、上等」

 

 

そこに現れたのはカサイとキリタニたちだった。

 

 

「あれは警備省の捜査官か、まさかカサイと一緒とはな」

 

 

僕はカサイを見て指を鳴らしたのである。

 

 

「お前らなんで喰種(グール)に助けてもらってるんだ!!」

 

 

ナンブはキリタニの胸ぐらを掴んだ。

 

 

「やめろ、ナンブ」

「上等、しかし……」

「……てめぇ、そんな状況じゃねぇ、とにかく救助を求めて安全な場所に逃げるんだ………………………コバヤシ?」

「………………」

 

 

コバヤシの様子がおかしかったのだ。

 

 

「……コバヤシ……おい……」

 

 

その時

 

 

「「「「!?」」」」

「ぐわぁぁぁ!!やめろっ……」

 

 

コバヤシが生屍(ゾンビ)と化してカサイに噛みついたのである。

 

 

「てめぇ!!」

 

 

カサイは羽赫を放ちコバヤシを殺した。

 

 

「コバヤシ!!」

 

 

キリタニは生屍(ゾンビ)となり死んだコバヤシの遺体に近寄りコバヤシの目蓋を閉じたのだ。

 

 

「………コバヤシ……ちくしょう……」

「なんてこった、人間が喰種(グール)の肉を噛み千切るなんて……」

 

 

 

カサイは噛み千切られた腕をおさえたのである。

 

 

「上等!!」

「来やがったか」

 

 

この場に生屍(ゾンビ)たちが大勢やって来た。

 

 

その時

 

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

ヘリコプターがやって来てマシンガンで生屍(ゾンビ)を一掃したのだ。

 

 

「救助か?」

「上等、このヘリは政府の物じゃないですよ」

 

 

そして、ヘリコプターが接近し扉が開いたのである。

 

 

「あなたが眼帯ですね?」

「……お前、喰種(グール)だな」

「ええ」

「何の用だ?」

「単刀直入に申します、NIタワーに貴方の大事な方がいらっしゃいます」

「なにっ!?」

「どなたかは申す必要はないですよね……あー、ご心配なくマスクは付けさせておりますので……ては、お早めに」

 

 

その喰種(グール)が扉を閉めるとヘリコプターは飛んでいった。

 

 

「………殺す」

 

 

僕は指を鳴らしたのだ。

 

 

「……上等」

「ああ、あの喰種(グール)がこの生屍(ゾンビ)騒動を引き起こしたんだろう」

「……コバヤシの件はケリをつけてやる」

「ぐちゃぐちゃに殺してやる」

 

 

再び僕は指を鳴らしたのである。

 

 

その時

 

 

「「「「!!」」」」

 

 

今さっき生屍(ゾンビ)に噛まれたカサイが悲鳴を上げると同時に大量の赫子が現れたのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。