異空生物―喰種―イクーセイブツ―グール―   作:中2病人間M

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共闘

「羽赫に甲赫か」

「ソラ、あいつらを早急に倒さないとマジマに人間が犠牲にされるぞ」

「ああ、さっさと始末するか」

 

 

僕は指を鳴らした。

 

 

「邪魔させはしない、カサイ」

「ああ、アラタさん」

 

 

カサイは羽赫を連射したのだ。

 

 

「俺の格闘技嘗めるなよ」

「ハヤト、何を……」

 

 

ハヤトは鉄パイプを拾い回転させ羽赫を防ぎ余った羽赫を僕が鱗赫で弾いたのである。

 

 

「ハヤト、流石だな」

「だろっ」

 

 

その時

 

 

「その動きでよく我々に楯突いたな」

「なにっ!?」

 

 

アラタがハヤトの横に移動し甲赫でハヤトを攻撃した。

 

 

「うぷっ……」

「ハヤト!!」

「よそ見するなっ」

 

 

カサイが再び羽赫を連射したのだ。

 

 

「ちっ……」

 

 

僕は鱗赫である程度弾いたが少し食らってしまったのである。

 

 

「ソラ、大丈夫か?」

「僕より君だ」

「何とか平気だ」

「時間がねぇ、本気を出す」

「えっ?」

 

 

僕はマスクを外し指を鳴らし赫者になった。

 

 

「これが赫者ってやつか」

「ああ」

「アラタさん、あいつ赫者だったんですね」

「そのようだな、しかもあれは完全体の赫者、少々殺すのには時間が必要かもしれぬな」

「まさか地上で完全体に遭遇するなんて、とんでもない食料調達になりましたね」

「そのようだ、このままではまずいな、それにあの連中は恐らく……」

「え?」

 

 

この場に喰種(グール)捜査官がやって来たのだ。

 

 

「あれは…………喰種(グール)処理省の捜査官ってやつですね、アラタさん」

「ああ、地上の喰種(グール)の処理等を担当している」

喰種(グール)捜査官だ、お前たちを駆逐する」

「上等、あの赫者の喰種(グール)

「ん?」

「あの赫子、あの時の……」

「あ!!俺ら殺さないでクインケだけ壊してった眼帯って喰種(グール)か……前とは比べ物にならないぐらい化物になってるな」

 

 

この捜査官は以前僕がクインケだけを破壊した捜査官だった。

 

 

「一度ひくぞ、カサイ」

「はい」

 

 

カサイとアラタはこの場から去っていったのである。

 

 

「まてっ!!」

「ハヤト、僕らもいったん逃げるぞ」

「そうはいかない、喰種(グール)は駆逐する」

「今度はクインケ破壊されませんよ」

「ちっ……あっ、悪いお前の名前呼んじまったな」

「俺は地下に戻るから平気だ、こっちの捜査官よりも地下の奴等に素顔とかばれる方がやばい」

「そうか」

南部(ナンブ)、本部に応援要請を」

「はい、上等」

「ソラ、どうする?」

「名前を呼ぶな、僕は身ばれはまずい、捜査官の前では僕は眼帯と呼んで」

「了解、俺はハヤトでいいぜ、さっきも言った通り身ばれしても平気だしな……で、こいつらどうする」

「………捜査官を逆手にとるか」

「えっ?」

「奴らと合流するんだ、そうすれば捜査官を奴らの所まで連れてこられる、奴らも簡単に身動きとれなくなるだろう」

「そういうことか!!」

「おい、これから僕らは人間を大勢殺して食料として持ち去るぜ、行くぞ、ハヤト」

「了解」

 

 

僕とハヤトはその場から去った。

 

 

「ナンブ、さらに大勢の応援を、俺らだけじゃ無理だ」

「了解」

 

 

 

 

 

そして、僕はマスクを再度着け赫者から戻りハヤトと共に立ち去った奴らを探していたのだ。

 

 

「くそ、どこ行った?」

「もしかしたらもう既に地下に戻ったのかもな」

「そうなのか?」

「必要な人間が手に入ったり、もしくは危険を感じて逃げたか」

「そんなに早く奴らは人間を集めるのか?」

「場合によるな、生捕りの場合は少し時間を要する」

「そういやハヤトはマスクしてるってことは地下では素顔隠してるんだよな」

「ああ、あのグループは地下の王の配下の一部、奴等とやり合う以上は素顔は隠したい」

「名前は実名、名乗ってるよな?」

「ああ、前にばれた、まぁ、偽名だと思われてるしそもそも地下には大勢いるから問題ない」

「そうか」

 

 

その時

 

 

喰種(グール)発見』

 

 

僕らの上空に捜査官のヘリコプターが現れたのである。

 

 

「ちっ、僕らじゃなくて奴等を見つけろよ」

「眼帯、行こうぜ」

「おう……!!あの路地裏入ろうぜ」

「ああ」

 

 

僕らはヘリコプターから逃げるために路地裏に入った。

 

 

「あいつらまじでどこだ?」

「いた、あそこだ!!」

 

 

路地を抜けた先に奴等がいたのだ。

 

 

「行くぞ!!」

「おう!!」

 

 

僕は指を鳴らし再び赫者になりハヤトと共に奴等に向かっていったのである。

 

 

「捜査官もうろついてて面倒ね、人間は捕らえてるからさっさと逃げるわよ」

「了解です、マジマさん」

「わしらで何とか時間を稼ごうか」

「本当に面倒だわ」

「とにかくやっちゃお~」

「ハヤト、とっととこいつら殺すぞ」

「おう!!」

「させねぇよ」

「逆に君の命を奪わせてもらおうか」

 

 

カサイが羽赫でアラタが甲赫で攻撃してくるも僕が赫者の赫子を甲赫にし羽赫を防ぎアラタの甲赫を鱗赫で抑え込みハヤトが接近しカサイに格闘技で攻撃した。

 

 

「邪魔なのよ」

「死んじゃえ~」

 

 

そして、イイノ、ナカヤマが鱗赫と尾赫で向かってきたが何とか僕とハヤトで防いだ。

 

 

その時

 

 

近くのコンテナから人の悲鳴が聞こえてきたのである。

 

 

「悲鳴?」

「ソラ、あのコンテナに人間が詰められてるんだ」

「なるほどな、あのコンテナの扉破って人を逃がすか」

 

 

僕はコンテナに近づいた。

 

 

しかし、

 

 

「邪魔はさせないわ」

 

 

マジマがコンテナの前に現れ羽赫で乱射してきたのだ。

 

 

「羽赫と鱗赫あるんじゃ遠距離も接近も面倒だな」

「赫者もこの程度なのね」

「………あ、そうだ」

「ん?」

 

 

僕は赫者の赫子を羽赫にして上空めがけて乱射したのである。

 

 

「何を…………」

「目印」

「目印?………………………!!」

 

 

僕の乱射した羽赫に気が付いた捜査官のヘリコプターがやって来た。

 

 

喰種(グール)確認、複数の喰種(グール)が戦闘中』

 

 

そして、その知らせを聞いた捜査官たちがこの場に集まってきたのだ。

 

 

「ナンブ、こいつらをこの場から逃がすな!!」

「はい、上等」

「おい、あんたらコンテナに人が閉じ込められてる、それとリーダーはあの女の喰種(グール)で羽赫と鱗赫の二種持ちだ、気を付けろ」

 

 

僕はマジマの特徴を捜査官に教えたのである。

 

 

「お前は何で俺らに情報教えてるんだ」

「僕は別にあんたらの敵じゃないって」

「信じられ……」

「上等、危ない!!」

「なっ……」

 

 

カサイとマジマが上等捜査官に羽赫を乱射してきた。

 

 

「集中しろよ、捜査官だろっ!!」

 

 

僕は赫者の赫子を甲赫にし羽赫を防いだ。

 

 

「ハヤト!!」

 

 

ハヤトがイイノに鱗赫で攻められていたのである。

 

 

「サクライ、死ねっ!!」

「ハヤト、僕の甲赫を足場にしろっ!!」

「…………そうゆうことか」

 

 

ハヤトは僕の赫者の赫子を踏むと僕は勢いよくハヤトを投げた。

 

 

「なにっ!?」

 

 

ハヤトはその勢いと共にイイノの腹部に蹴りを入れ僕は鱗赫と甲赫でイイノを貫いたのだ。

 

 

「あがっ……」

「「「イイノ!!」」」

 

 

そして、

 

 

「上等、応援が来ます」

「よし、このまま残りも駆逐するぞ」

「くそっ、今回は地下に逃げるわよ」

「はい、マジマさん!!…………まさか、イイノがやられるなんて」

「どうやらあの赫者の能力を甘く見ていたようだ」

「イイノの敵はいつかとっちゃうからな~」

「やばい、これ以上はここにとどまれねぇな、僕らも行くよ、ハヤト」

「ああ!!」

 

 

奴らも僕らも捜査官たちを交わしながらこの場を離れたのである。

 

 

 

 

 

その後、僕とハヤトは近くの道路の地下に入り地下通路にやって来た。

 

 

「地下ってここのことか?」

「いや、ここよりもっと地下だ、入口は地上の喰種(グール)には殆ど知られてない」

「お前、地下に帰っても平気なのか?」

「俺もマスクはしてる地下に戻ったらばれないように服を着替えて何事もなかったようにしてれば平気だ」

「………てか、僕も服着替えてばれないようにしないとな、まずはこのNI地区を抜けるか」

「なら、この地下通路を使えばこの街を出られるはずだ」

「ありがとう、ハヤト」

「じゃ俺は地下に戻るわ、じゃあな」

「ああ」

 

 

ハヤトはこの場を去ろうとしたのだ。

 

 

「ハヤト」

「ん?」

「僕もお前もやり遂げたいことがあるんだよな……その、互いに死なないようにやり遂げようぜ……お前との共闘、楽しかったぜ」

「……………ああ、ありがとう」

 

 

そして、ハヤトはこの場から去って行ったのだった。

 

 

 

 

 

その頃、カサイは捜査官を交わしながら逃走していたのである。

 

 

この騒動でマジマたちは何とか地下に向かえたがカサイははぐれ未だに地上にいた。

 

 

「このままじゃ……」

 

 

その時

 

 

「あれは……」

 

 

奇妙な動きをする人影がいたのだった。




NI地区は次回も登場します。

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