異空生物―喰種―イクーセイブツ―グール―   作:中2病人間M

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喰種

食物連鎖の頂点に立つ筈のヒトを喰らう者たちがいた、彼らはヒトからしか栄養を採ることができなかったのだ、そんな彼らはこう呼ばれた。

 

 

ヒトを喰らう怪人……『喰種(グール)』と……

 

 

これはとある他の世界(異空)の話である……しかし、我々の世界もし、繫がっており、この我々の世界に喰種(グール)が現れたら………………どうか、異世界の出来事でありますように……

 

 

 

 

 

「ダイチ、なにそれ?」

「ソラか、これさ、怪物人間ってアニメなんだ」

 

 

8月の暑い日だった、高校生の僕は友達の西山 大地(ニシヤマ ダイチ)と一緒にゲーセンにいたのだ。

 

 

ダイチはゲーセンでゲームをせずにスマホでアニメをずっと見ていたのである。

 

 

「面白い?」

「ちょっとグロいけど面白いよ」

 

 

僕の名前は南雲 颯(ナグモ ソラ)

 

 

 

 

そして、僕は家に帰るとさっそくテレビで怪物人間を見てみた。

 

 

たしかにグロいや……でも、面白い。

 

 

僕はすっかり気に入ったのだ。

 

 

怪物人間は人の肉喰いまくってるな、僕だったら発狂するな。

 

 

 

 

 

とある巨大な部屋、その部屋に集まる人々はその部屋の巨大なモニターを注視していたのである。

 

 

「おい、ターゲットはどこだ」

「今、水戸(ミト)が追跡している」

「大丈夫か?あいつひとりで新米だぞ」

「あいつは優秀だ、平気だろう……お、三浦(ミウラ)、ターゲットの位置が判明したぞ」

「本当か、久門(クモン)、よし、ミトに連絡してくれ」

「もうしている」

 

 

 

 

 

その頃、僕は口が寂しくなり少し遠くのコンビニまで自転車で向かい食べ物を買っていた。

 

 

「怪物人間、漫画もあったな」

 

 

 

 

 

とある路地裏でサングラスをかけた男性と女性が歩いていたのだ。

 

 

「あの本当にお茶だけですからね」

「わかってます、私はやましいことはしないから」

 

 

どうやら男性は女性にナンパをしたようだった。

 

 

そして、男性は女性を路地裏へと連れていったのである。

 

 

「あの、おいしい喫茶店ってどこですか?ここ路地裏ですよね」

「ここだよ」

「ここ?何もないですよ」

「俺の喫茶店、珈琲(コーヒー)は俺が淹れるの、とってもうまいお肉が喰える喫茶店、実は俺、6日も何も喰ってないんだ」

「え、大丈夫なんですか!?」

「駄目だね………だから、お前の肉を喰わせろ!!」

 

 

そして、男はサングラスを取った。

 

 

「えっ……」

 

 

その男の目は白目が黒く瞳孔(ドウコウ)は紅く染まっていたのだ。

 

 

「いやぁぁぁぁ……なによ」

「腹へった、やっとうまい人肉だぁ、人肉喰ったら他の動物は喰ってらんないもんな!!」

 

 

そして、男は女性に飛びかかろうとしたのである。

 

 

「いやぁぁぁぁ!!」

 

 

その時

 

 

「なっ」

 

 

銃声とともに男の左肩に銃弾か直撃していた。

 

 

「なに!?」

 

 

発砲した男は直ぐ様に女の前に回り込むと手帳を取り出し女性に見せたのだ。

 

 

「警察です、早くここから逃げてください!!」

「はっ、はいぃ!!」

 

 

そして、女がこの場を離れたことを確認するとドクロ顔のマスクを装着したのである。

 

 

「身元隠しのマスクか、ということはさっきの顔は素顔じゃないな」

「答える通りはない……異空生物対策法(イクウセイブツタイサクホウ)に基づき貴様の身柄を拘束する、抵抗する場合は駆逐する!!」

「おのれ、まぁいい、まずはお前の肉を喰う!!俺の赫子(ガクネ)に引き裂かれるがいい!!」

 

 

そして、男の腰ら辺から紅い赫子と呼ばれる物が4本現れた。

 

 

「!!この赫子、鱗赫の中でも特殊なやつか」

「そう!!稀にあると言われる再生力が高い赫子だ」

「……どちらにしろ、抵抗するなら始末する」

 

 

そして、ミトはトランクケースを取り出してスイッチを入れたのだ。

 

 

するとトランクケースが開き中からまるで死神が持ってるような鎌が現れたのである。

 

 

「それがクインケか」

「そうだ、お前らの赫包(カクホウ)を利用して作られた我々の武器だ!!」

 

 

ミトと喰種(グール)の戦いが始まった。

 

 

「死ね!!死ね!!肉を喰わせろ!!」

 

 

ミトは喰種(グール)の赫子を全てクインケで弾くと一気に喰種(グール)の懐へと入り込みクインケを振りかざしたのだ。

 

 

「なにぃ……」

 

 

そして、喰種(グール)の肩から下まで深い切り傷を負ったのである。

 

 

「バカめ、空腹時に捜査官に挑むとはせっかくの強い赫子が台無しだな」

「チクショ……」

 

 

そして、喰種(グール)は吐血しながらふらつき近くのガードレールから下へと落ちたのだった。

 

 

「あれだけの傷を受けて高台から転落すればまず命はないか」

 

 

捜査官はトランシーバーを取り出した。

 

 

喰種(グール)対策部、喰種(グール)対策部、応答を願います、こちらシニガミ(身元隠し対策としてマスク装着中はクインケの名前で連絡する)」

『はい、こちら喰種(グール)対策部です』

「21時54分、ターゲットの喰種(グール)を駆逐完了」

『ターゲット駆逐了解』

「ターゲットによる犠牲者はなし、以上」

『犠牲者はなし、了解』

 

 

そして、無線が切れるとミトは煙草を取り出して火を着けようとするもガードレールの下を見てとあることに気がついたのだ。

 

 

「ん?喰種(グール)の死体はどこだ」

 

 

喰種(グール)が落ちていった場所には死体はなかったのである。

 

 

「あいつ生きていたのか!!……まずいな」

 

 

 

 

 

その頃、僕は肉まんを食べながら自転車で走っていた。

 

 

その時

 

 

「うがぁぁぁぁぁ……ニッ…ニクゥゥゥゥゥ……」

 

 

僕は川辺の近くを血だらけで這いつくばってる人を見つけたのだ。

 

 

「うわっ、あの人血だらけだよ!!」

 

 

俺は自転車を止めてその人の方へと駆け寄ったのである。

 

 

「すいません!!大丈夫ですか!?……えっと、救急車!!救急車を呼びますね」

「……喰わせろ……」

「えっ?」

「肉を喰わせろぉぉぉ!!」

 

 

その人の顔を見たとき僕の脳に衝撃が走った。

 

 

その人の眼は白目が黒く瞳孔は赤ったのだ。

 

 

僕が理解しないうちに一瞬で男の人の手は僕の胸を貫きその人は僕の心臓を引き抜いたのである。

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

そして、その人はそのまま僕の心臓を思いっきり喰らった。

 

 

「うまい……もっとよこせ」

 

 

その人は僕の肩に噛みついて肩の肉を喰いちぎろうとしたのだ。

 

 

「う……」

 

 

僕は無意識に近くに転がっていた瓶でその男を殴ったのである。

 

 

「うがぁぁぁ!!」

 

 

その人はその場に倒れると目をピクピクとさせていた。

 

 

「ごの……俺がごんなどころじぇ……」

 

 

そして、その人が殆ど絶命するとその人の胸の切り傷から男の心臓と思われる物が出て来てその心臓は赫子を出しながら動きだし気を失っているソラの胸の中へと入り込んだのだった。

 

 

 

 

 

数分後に僕は意識が爆発するように目が覚め目が覚めた頃には何故か見たことない場所を歩き続けていたのだ。

 

 

 

 

 

そして、

 

 

「あなた、大丈夫!?」

 

 

通りすがりの人が僕の姿を見て救急車を呼んでくれ僕は再び気を失い次に目覚めたときは病院の病室だった。

 

 

「ここは……病院……」

 

 

そこへ、医者がやって来たのである。

 

 

「気分はどうだい?」

「特になんとも……」

「さて、何があったのかな?いやね、君の傷は不自然だったのだよ」

「不自然?」

「ああ、胸と背中の同個所抉られたような傷があった、まるで、貫通した傷が内部だけ治ったかのように」

 

 

傷、そうだ!!変なの襲われて……心臓が……しかも、あの人のあの眼……あれって怪物人間の目に似てたよな、でも、心臓がなかったら俺は死んでるし………そもそも怪物人間がいるわけ………じゃ、あれは夢か………でも、うっすらとあの人の心臓が僕の中に入っていくの見たような………

 

 

「どうしたんだい?」

「いえ、何でもないです、何も覚えてません」

「そうか」

 

 

 

 

 

その日の夜、僕は普通に病院で食事をとって眠り次の朝になった。

 

 

「さて、見せてごらん」

 

 

僕は包帯を取り胸と背中を見るとそこにはまるで擦り傷のような傷しか残っていなかったのだ。

 

 

「おや?おかしい、昨日はもっと抉れてた筈なのに一晩だけでこんなに直るものかね」

 

 

そして、朝は気分が悪かったので朝食は食べなかったのである。

 

 

しかし、不思議と腹は減っていなかった。

 

 

その後、昼前にダイチがお見舞いに来てくれたのだ。

 

 

「ソラ!!大丈夫か、ほら、お前の好きな寿司を買ってきたぞ、もちろん、回転寿司だけどな」

 

 

ダイチは差し入れで回転寿司の寿司をくれたのである。

 

 

ここ病院だぞ……

 

 

 

 

「じゃ、お大事にな!!」

「ああ、寿司をありがとう」

 

 

暫く話してダイチはもう用があると言って帰っていった。

 

 

「さてと、せっかくだし、食べるか」

 

 

僕は看護士にばれる前に食べようとダイチのくれた寿司のタッパーを開けてタッパーをひっくり返してタッパーに醤油を入れてワサビをとかしたのだ。

 

 

「じゃ、まず、まぐろっと……」

 

 

僕は箸でまぐろを掴むと醤油をつけて食べたのである。

 

 

「!?」

 

 

なんだこれ!?

 

 

その寿司の味はまるで魚は生臭く、(まずいまずいまずいまずいまずい)シャリは酢の味が化学調味料を(まずいまずいまずいまずいまずい)ふんだんに使用したような気持ち(まずいまずいまずいまずいまずい)の悪い甘味に米はまるで嘔吐物そ(まずいまずいまずいまずいまずい)の物のような味で、しかも、それ(まずいまずいまずいまずいまずい)に加えて本来の寿司の味も混ざっ(まずいまずいまずいまずいまずい)ていたのである。(まずいまずい)

 

 

「うっ……」

 

 

そして、何よりも嘔吐神経が過剰に刺激され僕は嘔吐してしまった。

 

 

「どうしました!?ってお寿司持ち込んだですか、ダメじゃないですか~」

 

 

ナースは「もうしないでくださいね~」と言って嘔吐物を処理してくれたのだ。

 

 

「すいません、ありがとうございます」

「大丈夫ですよ~また、何かあったら言ってくださいね、それで、あの、お昼ご飯どうされますか?」

 

 

ご飯……きっと、あの寿司は腐ってたんだ、そうに違いない。

 

 

「食べます」

 

 

そして、出されたお昼ご飯をまずは米から口に入れたのである……

 

 

「うっ!!」

 

 

嘔吐物のような味がしたので嘔吐する前に口から米を出した。

 

 

「もう、食べないんですか?」

「……はい、すいません、ちょっと食べれなくて」

「……そうですか」

 

 

そして、夜には傷は完治しており明日には退院できることになったのだ。

 

 

なんなんだ、食べ物が口にできないなんて……不安だな……

 

 

僕は不安だったが寝ることにしてそのまま眠りについたのだった。




はじめての投稿です。あらすじの最初にも記した通りこの小説は東京喰種を原作としていますが東京喰種のキャラクターは登場しません、なので、東京喰種の二次創作が見たいかたにはお薦めいたしません、また、この作品の喰種の設定も東京喰種とは違いますので細かいことは作中で語ろうと思います。では、よろしくお願いいたします。

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