異空生物―喰種―イクーセイブツ―グール―   作:中2病人間M

15 / 26
大阪

「ようこそ、梅田警察署へ」

「どうも、ナグモです」

 

 

僕は大阪へ来ていた。

 

 

 

 

数日前

 

 

「店長!!」

「ソラ君、ミウラ君が呼んでいるよ、シフトが終わったら行っておいで」

「わかりました」

「なんでしょうね?」

「どうせ、また殺して欲しい喰種(グール)でもいるんでしょ、ほら、僕もペガサスぶっ殺してこの度SSレートだし」

「気をつけてくださいね……」

「うん」

 

 

 

ヘッジホッグ(ハリネズミ)、SSoverですか?」

 

 

over…すなわち赫者であることが確認されている喰種(グール)のことだ、だから厳密に言えば僕のレートもSSoverになる。

 

 

「そうだ、大阪にて今、最も危険度の高い喰種(グール)だ」

「赫子は羽赫……」

「うん、赫者の赫子出現時にまるで背中全体を覆うように羽赫が出現しその姿がまるでハリネズミのように見えるからこの通り名が付けられたんだ」

「こいつを駆逐すればいいんですね?」

「うん、ま、明日から学校終わりにヘリコプターで関空まで送るよ、そっから車で梅田警察署まで向かってあっちにいる対策部の捜査官と捜査してもらうからね、それと金曜の夜から日曜までホテルに泊まってもらうけどいい?」

「はい」

 

 

 

 

こうして僕は梅田警察署まで来ていたのだ。

 

 

「本来なら対策部(東京)から派遣されてる人間もたくさんいたんやけどな…全部、ヘッジホッグに殺られてしもうた…」

「ヘッジホッグ…」

「今、残ってる捜査官は4人だけなんや、その内、3人は適当な喰種(グール)の捜査中、ボスであるヘッジホッグさえどうにかすれば一気に大阪喰種(グール)の勢いを止められるはずなんや」

「はい!!」

「そこで本部に助けを求めた、そしたら君の存在を……頼む!!大阪…いや、関西の人々の命は君にかかっとる!!」

「もちろんです、必ず喰種(グール)を殺します」

「よし、ほな、君にはここの捜査官と組んでもらうで、さっきも言うたけど3人捜査中、やから最後の1人、24歳の捜査官と組んでもらうで」

「はい」

 

 

署長は内線を受話器をとったのである。

 

 

「ほな、来てくれ」

 

 

そして、

 

 

「失礼します……」

「話してたやろ、お前と組んでもらう捜査官やで」

「はい、よろしくね、ナグモ君、服部 啓(ハットリ ケイ)だ」

「よ、よろしくお願いいたします」

「ほな、よろしく頼んだで」

「はい!!」

「お任せください、署長」

 

 

 

「ハットリさん、そんなに大阪に喰種(グール)って多いんですか?」

「ああ、東京に比べたらまだマシだが危険度の高い喰種(グール)が多い…以前は統一性がなかったが半年ほど前にヘッジホッグというリーダーが現れ喰種(グール)を統一した」

「ってことはヘッジホッグさえ駆逐すれば大阪の喰種(グール)たちはまたバラバラになる?」

「さぁな、新しいリーダーが現れるかもしれないし……が、今より落ち着くのは間違いない」

「そう…ですか」

「君は喰種(グール)の力を持った人間……なんだろ?」

「え?」

「君の情報と経歴を聞かされた時驚いた…元人間の赫者…到底信じられなかった」

「………」

「正直僕は喰種(グール)を怨んでいる」

「!!」

「僕は対策部に入局する前は中国の上海で仕事をしていた…現地で亜美(アミ)という日本人女性と出会ったんだ…素敵な女性だった…互いに愛し合い結婚まで誓った…けど、あいつに殺されたんだ…アミは…」

「……まさかヘッジホッグ…」

「ああ、3年前だ、上海の路地裏で襲われアミは喰われ僕は重症…駆けつけた向こうの捜査官に助けられ僕は一命をとりとめた……でも、アミは死んでしまった…」

「ヘッジホッグ………」

「そして…誓ったんだ、もうこんな悲劇を繰り返さないために喰種(グール)を駆逐するって…けど、中国では善悪に関係なく喰種(グール)を駆逐する…僕はそれは駄目だと思ったんだ…だから、その時の捜査員に頼みこっちの対策部に入部した…上海にいるヘッジホッグとは戦えなくてもこっちにいる人を殺す喰種(グール)を駆逐するため……」

「でも…」

「そう、会えないと思っていたヘッジホッグがこの大阪にいる…僕は何としてでもヘッジホッグを駆逐する…例え、敵討ちは醜いと言われようとも…」

「ハットリさん、そんな怒りに任せてヘッジホッグを駆逐してもアミさんは戻ってこないし喜ばないですよ……」

「ナグモ君……」

「な~んて、僕は更々言うつもりはないです」

「えっ…」

「いいじゃないですか敵討ち…アミさんは戻ってこないけど今日も明日も誰かがヘッジホッグのせいで命を落としている…だったらそのヘッジホッグを殺しちゃえば少しでもアミさんみたいな犠牲者を減らすことができるわけです」

「ナグモ君…」

「僕は人と人を殺さずに生きる喰種(グール)の味方です」

「!!僕も同じだよ、ナグモ君」

「ソラで結構ですよ」

 

 

僕はハットリさんに手を差し出したのであった。

 

 

「!!………ケイでいい…ソラ」

「はい、ケイさん」

 

 

ケイさんは僕の手を掴み握手した。

 

 

 

「なんやの」

「しつこいんや、対策部」

 

 

僕とケイさんはヘッジホッグの部下の喰種(グール)を追いかけていたのだ。

 

 

「ヘッジホッグはどこだ」

「答えないと駆逐する、明日も学校なんでね、早めに教えてくれな」

「は?学校」

「意味わからんことぼざくなや!!」

 

 

喰種(グール)たちはそれぞれ鱗赫と羽赫を出現させたのである。

 

 

「クインケを…」

 

 

ケイさんは尾赫のSレートクインケ、ムサシを出した。

 

 

「駆逐するか」

 

 

そして、僕は赫眼になり鱗赫を出現させたのだ。

 

 

「なんや…あいつ喰種(グール)なんか…人の臭いしとったで」

「いや、さっきまでは人やったけど今はほんのり喰種(グール)みたいな臭いしてる」

「そうか、それは初耳だな、赫眼出すと喰種(グール)の臭いに近づくのね」

「ソラ、いくぞ!!」

「はい!!」

 

 

僕とケイさんは喰種(グール)たちに猛攻撃をしたのである。

 

 

「もう……動けへん…」

「やたら気合い入っとるんやな、あんたら…」

「ヘッジホッグはどこにいる?」

「言わないと殺すよ…」

「は?誰が言うか……」

「じゃ死ね…」

 

 

僕は喰種(グール)の首をはねた。

 

 

「お前は?」

「まちぃな…知らへん…俺ら下の喰種(グール)やから知らへん……許してぇな!!」

 

 

その時

 

 

「あ……」

 

 

喰種(グール)の腹から音が聞こえたのだ。

 

 

「腹が鳴ったわ…そーいや、昼喰ってなかった…」

「何を喰うつもりだった?」

「え、たこやきでも食うと思うんかい?」

「ぐっ……」

 

 

ケイさんはその喰種(グール)の首をムサシではねたのだった。

 

 

「ソラ、もうこんな時間だ…帰らなくては」

「はい、また明日」

 

 

 

そして、次の日。

 

 

「ひぃぃぃぃ!?」

「まて!!………頼むぞ、ソラ!!」

「ほいさっ!!」

 

 

僕は逃げる喰種(グール)を追いかけたのである。

 

 

「逃げ足早いな……なら、これでどう?」

 

 

僕は一口かじり赫者になった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

「追いついた~」

「やめてやめてやめてっ!!」

「やめて欲しいならヘッジホッグがどこにいるか教えてよ」

「……俺を殺してみろや…ヘッジホッグ様の場所はわかんないで……死人に口なしや!!」

「その通り!!」

 

 

僕はその喰種(グール)を殺したのだ。

 

 

「本当に死人に口なしだと思うならミートカッターみたいに自害しろよ…お前みたいなの面倒だから他あたるは…」

 

 

 

そして、次の日も、

 

 

「やめてぇ……」

「死ね死ね死ね、情報ありがとう、お喋りガール喰種(グール)、ヘッジホッグにばれて処刑されるの怖いでしょ、僕が前払いで処刑してあげてるの、感謝しな…」

「やばいよ……」

「あ、君たちも処刑してあげるわ…」

「あの、私らといいことしません!!」

「いいこと?」

「そそ、いいことや!!」

「私たち神戸のプロなんで楽しめますよ…神戸言うたらわかるでしょ?」

「神戸?いいこと?…………」

「ね、いいこといいこと」

「そそ、いいこと」

「その前に後ろのお兄さんにいいことしてあげてね、メスブタちゃん」

「「え?」」

 

 

喰種(グール)たちはケイさんにムサシで駆逐されたのである。

 

 

「神戸か……高速神戸の所だろ…世話になったかも知れんな」

「ケイさん、神戸ってそんな楽しいとこなんですか?」

「ああ、っと、ソラ、高校生の君には早すぎるな…聞かなかったことにしてくれ…」

「あー、はい」

 

 

その時

 

 

「よくも!!私の可愛い妹分たちを!!」

「今、神戸の楽しい話してるの、邪魔」

 

 

僕は赫者の赫子を羽赫にしてその喰種(グール)の顔面ゼロ距離で乱射した。

 

 

 

 

「ご報告申し上げます、この3日間で大阪の喰種(グール)が30人以上駆逐されましっ…………た…」

 

 

報告した喰種(グール)は言い終わる前に羽赫が飛んできて首と体が分かれたのだ。

 

 

杀!!(殺せ)!!必ず殺せ」

「了解いたしました……皆に申す、大阪喰種(グール)の名にかけて捜査官と東京の喰種(グール)を殺すんや!!」

 

 

大阪喰種(グール)が激しく動き出すのだった。




一応、中国にも喰種はいますがこの作品の喰種は東京…すなわち日系の喰種しか存在しないので中国の喰種は先祖が日本人かまたは外国に滞在している喰種ということになり、ヘッジホッグは中国に滞在している喰種です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。