なお、『彼女』が出たのは艦これアーケードでドロップしたからだ!
あと、『大逆転』も久々に更新いたします。
翌日 マルタ島鎮守府 司令執務室
「イムヤ、ゴーヤ、イク、ハチ…初期潜水艦の揃い踏みだな」
「エーディト、それはいま言わなくていいから」
建造の結果、潜水艦グループが出てしまったマルタ島鎮守府司令代行(仮称)。
「とりあえず、今日はノンビリしてていいよ。あま、ウチはオリョクル・クルージングなんて労働基準法違反任務なんてしてないし…あきつ丸、速吸、4人を案内したらこれで間宮に行ってくれ」
そう言って2人に間宮券の束を渡した。
「わかりました!」
「では、案内してくるであります」
そう言ってあきつ丸と速吸が退室した後、高塚は手元にある報告書を見る。
「何の報告書だ?」
「イギリス、スペイン、フランスの合同報告書…って言えばわかるかな?」
「ジブラルタル海峡の監視網か?」
エーディトの回答に高塚は頷くと手渡す。
受け取ったエーディトも一読する…と顔を上げた。
「『大西洋側に奪還の動き無し』だと?」
「あぁ、マルタ島鎮守府の戦力の大半が中部奪還に動いて手薄な事はわかっている筈なのに『兆候が見られない』だ」
高塚の物言いに執務室が僅かな時間であるがシーンと静かになる。
「……軍管区違いで我関せず、と言ったところか?」
「支那共産党軍の軍管区派閥争いでもあるのかな? まあ、深海棲艦の中に軍管区や派閥なんてものがあるのかは知らないがね」
「では、別視点として、大西洋ゆえに戦力の抽出が難しいとか?」
「広大ゆえに広く浅くした戦力を投入出来ないか…まあ、無いとは言えないか」
「しっくりと来ていなさそうだな」
「絶好のチャンスなのに何もしてこないからな。しかも、マルタがジブラルタル海峡を奪還してから数度偵察があっただけで後は何もしてこない。しかも、今や威力偵察すら行わない程だしな」
「うーむ……わからんな」
「あぁ……あのレ級が何か知ってるかな?」
「流石のレ級もそこまで話してくれるか怪しいな」
「まあ、話のネタになればね〜、程度だから」
どれもしっくりくるが、ピースのハマり具合に違和感を感じる高塚は別視点であるレ級の話を聞いてみよう…なんて事を考える。
その時、手元の内線電話が鳴った。
「もしもし、司令代行です」
『アッ、憲兵殿! 大変ヤ!!』
内線をかけてきたのは工廠長妖精だった。
「どうしました、工廠長?」
『イヤ、最低値デ大型建造シタ子ガ建造終ワッタンヤケド…』
「はいはい、それで?」
『ジ、実ハ、チョット目ヲ離シタ隙ニ…』
「わかりました。ちなみに、それは先程ですよね?」
『エ、ア、アァ、ソウヤ』
「わかりました、後は此方に任せて下さい。では」
そう言って高塚は電話ん戻す。
「何かあったのか?」
「久々に最低値で大型建造したら、その子が居なくなったって連絡」
「……その割には落ち着いているな」
「なんとなく勘で…ちょっと、迎えに行ってきます」
そう言って高塚は立ち上がった。
その頃 甘味処間宮 厨房
癒し処と言ってよい間宮の店内は本日もホームシック(?)なレナウンを除けば間宮と伊良湖、更にイタリアのカラビニエリの非番組が厨房でお菓子作りに励んでいた。
「……にしも、あれでいいのかしら?」
非番ではないなだが暇なので時間を潰しに来たアレッシア少佐。
ホームシックなレナウンを横目に見ながら作られたお菓子を堪能する。
「残念ながら、私達にはどうにも…」
「残念よね〜、折角こっちに紅茶に合うお菓子が並んでいるのに」
アレッシアの問いに答える高雄と愛宕。
そんな女子会の様な雰囲気の外にいるレナウンにひょこひょこと近付く影。
「ぴゃ!」
「…………?」
なんとも不思議な声にレナウン突っ伏したまま顔を横に向けると何とも無邪気な笑顔の少女がいた。
「お姉さん、どうしたの?」
「……ん、いや…1人になりたくてこうしてただけだが…どうしたの?」
「うーんとね、なんだか、長門さんに似てるな〜、と思って」
「ビック・セブン…いや、ナインの?」
「うん! 長門さんも時々、そうなってたから
「…貴方の名前は?」
「私? 酒匂って言います」
暫くして
「……あれを狙っていたのか?」
「偶然の産物だ」
間宮に来た高塚とエーディトは塞ぎ込んでいたレナウンと酒匂が楽しそうに話しているのを観ていた。
「そもそも、酒匂は建造ドロップは解禁されてない」
「……さて、では、何が呼び込んだのだろうな?」
「さて、わからん」
次号へ
ご意見ご感想をお待ちしております。