転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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スペイン・フランス組が帰ってきました。


71 全隊集合

数日後 マルタ島鎮守府

 

 

 

「お帰り、2人共」

 

 

「ただいま…は変かな?」

 

 

「まあ、間違ってないでしょう」

 

乗艦の点検やら何やらでそれぞれ本国に帰っていたカルメンとシェロンがマルタに戻って来た。

2人共、新顔の後ろに新顔…カルメンの方はバレアレスが引っ付いているが…を連れて来ている。

そのまま2人を松島宮の執務室に連れて行く。

 

 

「あら、お帰りなさい、2人共」

 

 

「長く留守にしちゃってごめんね。色々あったみたいだけど」

 

 

「しかも、イタリアも出して来たんだっけ?」

 

 

「あぁ、だが、その話は後にして、後ろの2人も紹介してくれないかな?」

 

快く迎える松島宮にカルメンとシェロンはそう言い、滝崎が松島宮の代わりに答えながら気になっている新顔さんの紹介を促す。

 

 

「自由・平等・博愛の国から参りました、水上機母艦コマンダン・テストです。よろしくお願いします」

 

 

「スペイン海軍カナリアス級重巡洋艦1番艦カナリアスです。妹のバレアレスがお世話になっています」

 

 

「松島宮提督、副官、お姉ちゃんもよろしくね!」

 

……姉との再会にハイテンションなバレアレスである。

 

 

(あれ、翔鶴・瑞鶴のパターンか?)

 

 

(さあな…まあ、2人とは反対だがな)

 

そんな事をヒソヒソと話す滝崎と高塚だった。

 

 

 

暫くして 松島宮執務室

 

 

 

「さて、2人には帰って早々だけど、状況が変わってしまったから、こうして集まってもらったわ」

 

レナータの紹介も終わり、各国の提督達(➕高塚)が集まり認識統一が行われていた。

 

 

「まず、今まで延期状態だったイオニア海東部〜ギリシャ半島南部沿岸部までの哨戒活動の許可が降りた。よって、明日よりそれに向けて各国部隊との連携訓練を実施しつつ、哨戒活動にあたりますが…よろしいかな?」

 

滝崎の言葉に全員が頷く。

 

 

「ありがとうございます。なお、先のマルタ空襲の件もありますので通常哨戒活動も厳重になりますので御了承を…さて、次に本土からの増援組により明石、大淀の戦場参加が可能になりました。よって、新たな艦隊編成を組みたいと思います。まあ、編成はまだ未定だから意見を言ってもらって追い追い確定させるけどね」

 

 

「では、続けて警備担当の憲兵からです。まず、イタリアから女性隊員で編成されたカラビニエリも参加しましたので、鎮守府内並びに近辺の警備の充実化が可能になりました。艦艇乗組員に徹底の方をお願いします。また、前々より予定していた艦娘達を含めた警衛勤務に関しても大まかですが形になり、近い時期に実施したいと思います。更に艦娘、並びに一般隊員との交流を含めた行事の様な事を計画しています。流石に今の規模では個々に任すには広がり過ぎてますので」

 

 

「それは別に構わないが…何か策があるのか?」

 

 

「さて、それがね…とりあえず、イギリスではないがお茶会でもしますか、ってぐらいしかない」

 

 

「まあ、無策よりマシじゃあない? どうせ、間宮さんや鳳翔さんにメニュー追加の要望来ちゃうし」

 

松島宮の質問に高塚は苦笑いを浮かべながら答え、滝崎は一応フォローを入れる。

 

 

「そうだ、マサヨシ〜、間宮行こう〜」

 

間宮の話題を出した為にバッチリと滝崎の近くを確保していたレナータが滝崎に寄り付く。

 

 

「いや、まだ認識統一が…」

 

 

「別によかろう。伝える必要のある事は伝えたし、後は間宮でお茶をしながらでも可能だしな」

 

 

「それに聞かれて困る話も後ろめたい事もないしな」

 

レナータの言葉に困惑気味に反応する滝崎に対し、松島宮とエーディトは『問題無し』と言いたげに返す。

更にカルメンやシェロンも賛成なのか頷く。

 

 

「まあ、いいんでないの? もしかしたら、何かアイデアが浮かぶかもしれないしさ」

 

最後に高塚も賛成した為に滝崎も場所を間宮に移す事を承諾した。

 

 

 

一方その頃 ロシア ソチ

 

 

 

「なに、移動『指示』?」

 

 

「はい」

 

ソチの一角にある『民兵隊本部』にいたロシア軍の佐官階級章を付けたアジア系の人物が同じくアジア系の部下と流暢な日本語で話していた。

 

 

「それは『スポンサー』からかね?」

 

 

「『スポンサー』からですが…どうやら、更に上からです」

 

 

「そうか…」

 

そう言うと部下から『指示書』を受け取り、サラリと一読する…もちろん、『指示書』は暗号化などされていない普通のロシア語である。

 

 

「………皆に伝えてくれ、引き継ぎが終われば我々はバカンス次いでに地中海へ『長期出張』だ」

 

 

「わかりました」

 

そう言ってロシア陸軍式敬礼で下がろうとするところをこの佐官は何かを思い出したのか引き止めた。

 

 

「あぁ、それとこれはどの筋を使ってもいいから調べて欲しいんだがね」

 

 

「なんですか?」

 

 

「人だ。名前は…」

 

探し人の名前を聞き、部下は退室する。

 

 

「やれやれ、彼処を辞めて数年、まさか、同志に協力を頼む事になるとは……まあ、まともに頼めるのは同志しかいないからな」

 

そう呟きながらこの佐官は窓の外を眺める。

 

 

「同志は元気かな? まあ、あの状態で生きていたから元気ではあるだろうが……さて、何処に居るのやら……左遷されてたら、どうしようかな?」

 

 

 

 

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