転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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本日二話目の更新です。

なんか……凄いところに転びかけてる様な……。


7 次の為に

1週間後……マルタ島鎮守府

 

 

「では、司令、副官。行ってきます!」

 

 

「えぇ、気を付けてね」

 

 

「あぁ、気を付けて行っておいで」

 

松島宮・滝崎に見送られ、雪風を旗艦とした島風・陸風の哨戒部隊が出動した。

 

 

「島風と陸風の仲は良い様だな。出撃の都度、共に出撃しているしな」

 

 

「まあ、戦後とは言え、同じ部隊に実験艦として一緒に居た仲だからな。御互いに姉妹艦も居ないし」

 

海上を走る3人を見ながら2人は島風と陸風の話題で話す。

 

 

「さて…陸風が獲られた戦闘で我らはマルタ島沿岸の制海権を手中に納めた」

「それで、今は近海の制海権を得る為に出撃してるな。まあ、最上達の話だとハグレと偵察の他は本隊と思われる重巡の部隊だから、戦力は互角だし、そう遠からず近海も手中に納めれるだろうね」

 

 

「ならば、次は領海だな。そして、排他的経済水域の確保でマルタ島共和国の安定化は完了だな」

 

 

「それが終われば、いよいよ地中海解放に乗り出せる…けど、先ずは戦力だな。重巡が出たとなると、次は戦艦か空母だ。それにマルタが安定すれば維持の為に駆逐艦や軽巡も今以上に必要だ」

 

 

「それは前々から言っている事だな…それをいま言うのは…」

 

 

「正直、褒められた話ではないが…建造期間を設けよう。ドロップで揃えると言う選択肢もあるが、運次第だしな」

「……よし! 建造だな! ふっふっふ…はっはっは!!」

 

 

「……程々にな」

 

大丈夫かな…と思う滝崎だった。

 

 

 

暫くして……工廠

 

 

滝崎

「改装…ですか?」

 

明石

「はい、朝顔さんと時雨は充分な練度に達しましたので改装が可能になりました」

 

艦娘は一定の練度(レベル)に到達すれば改装出来る。

また、個体によっては更なる改装や艦種変更が可能である。

今回は最初の改装である。

 

 

「わかりました。では、改装をお願いします」

 

朝顔、時雨は共に初期艦である五月雨と肩を並べる実力者であり、個々の強化も戦力強化となる。

故に滝崎も改装には何の抵抗もなかった。

 

 

「わかりました。では、20分程お待ちください」

 

そう言われ、滝崎は持って来た書類を確認して待つ。

そして、20分後……

 

 

「副官、改装完了しました!」

 

 

「はいはい、どうなりましたかね?」

 

出て来た時雨と朝顔は余り変わった様子はない。

しかし、朝顔の装備を見た滝崎は明石に聞き返した。

 

 

「あの、明石さん……朝顔さんの装備、これ、本当ですか?」

 

 

「はい、本当ですよ」

 

 

「お、おう…」

 

「どうしたんだい、副官? 僕にも見せてよ」

 

滝崎の言葉に時雨はタブレットに表示された朝顔の装備表を見た。

 

『朝顔改の装備』

 

1 12㎝単装高角砲+高射装置

2 ヘッジホッグ

3 40㎜単装機銃

         以上

 

 

「……えーと、副官…これはいったい?」

 

時雨の困惑した顔を見て滝崎は当然だと思った。

何故なら、本来実装されていない装備が3つも並べば時雨の様になるだろう。

 

 

「うん…俺は知ってる。朝顔の最終時の装備だ…しかし、まさか…こうなるとはな」

 

 

「副長、これで朝顔は最強だよ!」

「う、うん…そうだな。(護衛主体になった上に高射装置付き12㎝単装高角砲やヘッジホッグのレア装備があればほぼ最強だよ)」

 

内心でそう呟く滝崎だった。

 

 

 

暫くして……執務室

 

 

 

「……まあ、ああは言ったけど…限度って事を考えようね、松島宮」

 

怒りの混じった微笑みを浮かべる滝崎と正座をする松島宮。

更にそこには大淀が居た。

 

 

「無許可で建造にオール999をなんでいれるかな?」

 

 

「ほ、ほら、最大値での挑戦と言う誰もが憧れる…」

 

 

「残り3基の建造資材量を計算するとオール2500近い消費量の説明は?」

「えーと……やっぱり、戦力強化に…」

 

 

「松島宮、建造では多量の資源を放り込んでも、強い艦娘が出るとは限らない…これ、基礎の基礎だよね?」

 

 

「……はい」

 

 

「まあ、今更言っても仕方無いし…大淀さん、時間の方は?」

 

 

「はい、オール999は4時間20分。残りは1時間30分×2、2時間50分です」

 

 

「わかりました。やれやれ、戦力強化期間でなかったら、ある意味問題だよ…あっ、当分の間、上限オール50だからね」

 

 

「な、なに!?」

 

 

「贅沢は敵だ。いいね?」

「ぅぅ……わかった」

 

 

「よし、じゃあ、その間に雑務を終わらせようか」

 

 

 

4時間20分後………工厰

 

 

 

「扶桑型超弩級戦艦、姉の扶桑です。提督、どうぞよろしくお願いしますね」

 

 

「龍驤や。よろしゅうな」

 

 

「鈴谷だよ〜」

 

 

「熊野ですわ」

 

 

「…………何ともな…」

 

 

「また、旧第四艦隊・第二機動部隊メンバーだな」

 

扶桑は第四艦隊、龍驤、鈴谷、熊野は第二機動部隊が設立された時のメンバーだ。

 

 

「扶桑、久し振りだな」

 

 

「……まさか、松島宮少将ですか!?」

 

 

「そうだ…扶桑、お前を欠陥戦艦だとか、低能だとか、色々と言う奴はいる。だがな、あの時、扶桑や山城が居なければ、ウェークも、ニューヨークでも勝てなかった。いや、居たからこそ、短期間で戦力を揃える事が出来た。自分を不幸だとか思う事はないのだからな」

 

 

「松島宮司令!!」

 

松島宮にそう言われて思わず抱き付く扶桑。

まあ、抱き付かれた方は大変になっているが放置しておく。

 

 

「う〜ん…確かにそう言われてたらな……ほな、君は滝崎副官?」

 

 

「えぇ、また、よろしくお願いします」

 

 

「おぉ〜、確かソロモン夜戦の時は私達の事を意見具申してくれたんだよね?」

 

 

「あの時は大変でしたわ。夜戦なんてやらされて、1ヶ月は御肌の手入れに気を使いましたわ」

 

 

「今回は地中海だからな…君が気に入るかは…」

 

 

「まあ、地中海! エレガントな私にはお似合いの海ですわ」

 

 

「…大丈夫そうだな」

 

 

「副官、熊野の扱いが上手いね〜」

 

 

「むぅ…副官、角田少将の代わりに頼むで!」

 

 

「まあ、やれるところまでやるよ」

 

 

 

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