転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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まぁ、題名と話の内容はあっていると思いますが。
大逆転も更新いたします。


49 改二

数日後……マルタ島鎮守府 医務室

 

 

 

「アトランタ、御気分は?」

 

 

「あら、暁。えぇ、貴女のお陰で随分良くなったわ」

 

アトランタの看護役に任命された暁はほぼベッタリと言わんばかりにアトランタにくっ付いつていた。

そして、今日は今日とて、普段着の上から白衣を着ていた。

 

 

「よかった、実はね…」

 

 

「アトランタさーん! フレッチャー、お見舞いに来ました〜!」

 

 

「陸風、速ーい!」

 

 

「島風ちゃん! 走るのは禁止です!」

 

 

「ハラショー。暁、働きぶりを見に来たよ」

 

 

「暁、私も頼っていいのよ?」

 

 

「暁姉さん、アトランタさんのお見舞いに来たのです」

 

陸風を筆頭に島風、雪風、響、雷、電の6人がお菓子を片手に病室に押し掛けてきた。

 

 

「……もう!! 病室では静かにしてよ!!!」

 

 

「まあまあ、暁。私は賑やかな方が好きよ?」

 

暁の叫びにアトランタが諌める。

そんな賑やかな光景を滝崎、羽黒、不知火の3人が見ていた。

 

 

「いやはや、こんな賑やかな事になるとはな」

 

 

「で、でも、賑やかな方がいいですし」

 

 

「だからと言って、賑やか過ぎると思いますが…まあ、こうなったのは副官が原因ですが」

 

 

「ま、まぁ、俺はあの判断は間違ってないと思うぞ。とりあえず、いい方向に向かっているみたいだし」

 

そう言って滝崎は苦笑いを浮かべながら、病室を離れる。

 

 

「しかし、意外にも大西洋側の深海棲艦がジブラルタル海峡の奪還に乗り出すと思ったが、何故か静かだったな」

 

 

「そうですね。スペイン海軍が警戒にあたっていますが、動きがあると言った報告はありませんね」

 

滝崎の言葉に不知火が反応した。

 

 

「あぁ、態勢の整わない、奪還したばかりのところを狙うと思って警戒していたが…まさか、深海棲艦同士で勢力あらそいでも始まっているのかな? 或いは東回りがまだ使えるから、切り捨てられたか?」

 

 

「どちらかと言えば後者ではないかと」

 

 

「だよね〜。さてと、戻って書類を仕上げないとな」

 

 

「その書類は先程仕上がりました。今から、間宮で休憩でもよろしいのでは?」

 

 

「し、不知火ちゃん、実はそれを狙って…」

 

 

「不知火に落ち度でも?」

 

 

「まあ、いっか。羽黒も行くだろう?」

 

 

「は、はい」

 

こうして3人は間宮へと足を向けた。

 

 

 

翌日 松島宮の執務室

 

 

 

「い、いったい……何があったんだ??」

 

 

「それを知りたいのは私だ」

 

2人が珍しくそんな事を言う理由……それは先日の戦闘で参加した川内、神通、那珂、時雨、夕立、暁、響、綾波、潮の9人が今朝、突然に改二になっている事だった。

 

 

「ほら、この前の戦闘でやり過ぎて改二になったとか」

 

 

「それしか考えられないね」

 

 

「いやいや、君達はアッサリと認め過ぎだから」

 

カルメンとシェロンのアッサリな認めぶりにツッコミを入れる滝崎。

 

そして、明石に顔を向ける。

 

 

「明石、皆の容態は?」

 

 

「まあ、異常はありませんね。但し、身体と艤装の慣れに多少の時間は必要ですけど」

 

 

「幸か不幸か、深海棲艦側に目立った動きは見られていない。それにそれくらいなら、現有戦力でもどうにかなるだろうし」

 

明石の言葉に松島宮がそう言うと滝崎に顔を向ける。

 

 

「副官のご意見は?」

 

 

「別にないよ。現状に不味い点もないし、松島宮の好きな様に」

 

 

「決まりね。じゃあ、改二組はとりあえずお休み! 先ずは身体を馴らさないとね」

 

 

「さてと、私も仕事に取り掛かるか」

 

 

「「やっぱり、2人もけっこう適応してるよね」」

 

 

「「いや、仕方無いじゃん。現実は変わんないし」」

 

……なんだかんだで適応してしまうマルタ島鎮守府の幹部メンバーだった。

 

 

 

暫くして……滝崎の執務室

 

 

「でも、いきなりでしたね。改二になるなんて」

 

 

「そうだな。しかも、艤装も服も出来てたからな。妖精さんが上手いことやったのかな?」

 

不知火の一言に滝崎は書類を見ながら答える。

 

 

「………副官、わかってはいましたが現実的ですね」

 

 

「だって現実は変わらないし、困る事は少ないし…問題もあんまり無いしさ」

 

 

「問題と言えば…副官、不知火さんは帰ってきましたけど、私はどうなりますか?」

 

滝崎が答えると、羽黒が自分の話を出してきた。

 

 

「あー、もしかして、辞めたい?」

 

 

「ふぇ!? ち、違います! 不知火さんが帰ってきたので、私はお払い箱かと…」

 

 

「羽黒さん、お払い箱とか言わないで下さい。那智さんや足柄さんに聞かれたら間違いなく、私は殺されますから」

 

 

「殺されるかはともかく、無事では無いことは確かですね。で、どうなんですか?」

 

 

「うん、松島宮に訊いたら、『これから人も増えて、仕事も増えるから、秘書艦増やすわね』って言われました。とりあえず、羽黒さんは秘書艦続投と言う事で」

 

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 

「まあ、第一副官秘書艦はこの不知火ですが」

 

 

「変なところで対抗意識を出さないの、不知火。それに、また、神通さんな訓練に駆り出されたら、誰が仕事を引き継ぐんだ?」

 

 

「「あぁ、なるほど〜」」

 

 

「理解してもらえて嬉しいよ。さて、仕事を終えて、改ニ組と一緒に間宮へ行こうと思うけど、どうかな?」

 

 

「「行きます!」」

 

 

「よし、じゃあ、さっさと終わらせようか」

 

 

 

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