転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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長い間、更新出来なくて申し訳ありませんでした。


4 やっちゃいましょう

マルタ島鎮守府 執務室

 

 

「三人目は時雨か…ふむ、第二機動部隊のメンバーが2人になった訳だ」

 

 

「それは…まあ、いいけどさ…」

 

時雨を連れ、着任の挨拶を終わらせ、五月雨、朝顔との顔合わせを済ませ、哨戒任務に出た3人を窓から見ながら、2人は話していた。

 

 

「さて…また建造を行うか」

 

 

「おいおい、さっき時雨を建造したばかりだぞ? まだ増やすつもりか?」

 

 

「滝崎、地中海の戦局は知っているだろう? 北はボスポラス海峡と黒海、南はスエズ運河とインド洋、西はジブラルタル海峡と大西洋。三ヶ所から深海棲艦は侵入出来る。対し、対応出来るのは我々だけだ。敵の進出が少ない今の内に戦力を揃えておく必要がある」

 

 

「それはわかる。だが、資源数量の問題がある。今は良いが、大型艦を保有しだすと消費資源も増える。将来を考えると消費を抑えた方がいい」

 

 

「本土からの補給もあるだろう。それに今の内に戦艦・正規空母を揃えておかないと敵の増援に対応出来ない」

 

 

「いや、今は大型艦より駆逐艦や軽巡洋艦…主に駆逐艦だな。脇を固める艦がいないと対潜水艦対策や各種護衛任務に支障が出る」

 

 

「だから、一気に4基のドックを使い、数を増やすんだ」

 

 

「ちなみに消費資源数量は?」

 

 

「えーと…オール999と…」

 

「却下」

 

 

「なっ、まだ、1つ目しか言っていないだろう!」

 

 

「あのな、さっきも言ったが確かに資源は多量にある。けどな、この後の補充量が不明な現状をみるに序盤からの大量消費は避けたいんだ。しかも、その補充ルートも状況の変化で閉じられる可能性もあるからな」

 

 

「確かにな…インド洋に鎮守府は存在しないし…それを考えれば確かに駆逐艦と軽巡は必要だな」

 

 

「そうだ。それに攻めるにしろ、守るにしろ、資源が無ければ修理も補充も出来ない。そこで詰まったらアウトだ」

 

 

「うむ……まあ、資源は遠征任務でも入手可能だし…あっ、結局は駆逐艦と軽巡だな」

 

 

 

「そう言う事。でっ、どうする?」

 

 

「うむ…とりあえず、4基使用で500、500、250、30の重巡狙いレシピ、250、250、100、30の軽巡レシピ、オール30の駆逐艦レシピ×2でどうだ?」

 

 

「わかった。明石に伝えてくるよ」

 

 

「あっ、今回は私も行くぞ」

 

 

「了解、わかったよ」

 

長い付き合いである僚友に苦笑を浮かべながら了承した。

 

 

 

工厰内

 

 

 

「やっぱり、滝崎副官のお茶は美味しいですね」

 

数値を提示し、工厰妖精達が製造機に数値の資源を放り込み、建造を開始する。そして、明石・松島宮は滝崎が淹れたお茶を飲みながらその光景を眺めていた。

 

「まったく、お前はお茶を淹れるのだけは上手くなるな」

 

 

「皮肉だよね?」

 

 

「事実を言ったまでだ」

 

 

そう言って湯呑みのお茶を飲む松島宮。

その時、工厰長妖精が明石の所にやって来た。

 

 

「明石サン、建造準備完了デス。結果ハ端末二送リマシタ」

 

 

それを聞いて明石は近くに置いてあったタブレット端末を手に取り、データを見る。

 

 

「結果は…1時間30分、1時間22分、18分×2ですね」

 

 

「時間だけを見る限り、既定艦娘の建造時間だね」

 

 

「誰が出るかはお楽しみだがな…さて、2時間半後に迎えに来る。それまでに済ます事務仕事でもやっておくか」

 

 

「そうだね。じゃあ、明石さん。ここを御願いします」

 

 

「はい。任せて」

 

 

 

 

2時間半後………

 

 

 

「最上型重巡洋艦最上だよ。よろしくね」

 

 

「兵装実験巡洋艦夕張よ。新兵器の実験は任せてね」

 

 

「睦月です。張り切っていきましょう」

 

 

「如月です。よろしくね」

 

出て来た面々に松島宮は……。

 

 

「見事に第4艦隊・第二機動部隊メンバーだな」

 

 

「初顔よりは顔見知りの方がマシだよ」

 

そんな会話をしている2人を見て夕張が気付いたらしく、声を挙げる。

 

 

「まさか…滝崎大佐に松島宮少将ですか!?」

 

 

「やあ、夕張。憶えてくれていたんだな」

 

夕張の声に滝崎が答える。

 

 

「当たり前じゃない! 木村少将の所へ頻繁に来てた副官を忘れないわよ」

 

 

「あはは…変な事で憶えられていたな」

 

 

「あぁ、加賀に乗ってた2人か」

納得した様に手を打つ最上、そう言われて「あぁ!」と言いたそうに驚く睦月と如月。

 

「まあ、改めて紹介は必要無いと思うが…また、こんな副官が着任してしまったが、よろしく頼む」

 

 

「確かに『こんな』副官だな。お茶を淹れるのは得意になってしまった副官だが」

 

 

「松島宮、君は僕を貶してるのか?」

 

 

「建造の件の仕返しだ」

 

 

 

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