転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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タイトル&前回の予告通り、なn(爆撃されました)。


104 龍驤改二

ある日の深夜 鎮守府工廠

 

 

「ふぁ〜…あー…こんな時間になってもうたな〜」

 

 

「ふぁ〜〜…そうですね…はい、終わりました。提督達には私が報告を入れておきますので、龍驤さんは部屋に戻って下さい」

 

他の改二改装者の実施の関係で深夜に終わってしまった龍驤と担当の明石がお互いに欠伸をしながら話していた。

 

 

「ええんか? それやったら、部屋に戻るけど…」

 

 

「はい、多分、この時間なら、メールを三つ送れば済むんで」

 

 

「あぁ、提督と副官と憲兵さんにか…メールで済ますって言うのを許可してまうんが流石やな…まあ、この時間ならしゃーないか」

 

既に時計はあと10分もしない内に日付が変わろうかと言う時間である。

 

 

「ほな、ウチも眠いし、部屋戻るな。お休み〜」

 

 

「はい、お休みなさい…うーん、明日はお休み…早く報告しよう〜」

 

そう言って明石は手近にあるタブレットを掴んだ。

 

 

 

翌朝 0650 滝崎執務室

 

 

「あの演習の生放送、結構好評だったな」

 

 

「あぁ、マルタだけでなく、ヨーロッパ諸国のメディアもあの映像のコピーを流すぐらいやしな。まあ、その件やら見学希望の件やらでここ数日は外部からの電話対応が大変だからな」

 

滝崎と高塚は先の演習とその時の映像放送の事で話していた。

 

 

「まあ、下手な隠蔽やらに比べればマシか…で、神通さんは大丈夫だったか?」

 

 

「あー、俺もあんな負け方したから、神通さんの『敗戦地獄補修特訓』かなー、と思ったんだが…あの時は普通に解散したから、陽炎達と一緒になって気味が悪かって話になったからな」

 

 

「…ちょっと、酷くないか?」

 

 

「……すまん。で、その夜、川内・那珂と共謀して鳳翔さんのところで飲んだんだが、意外に冷静って言うか、自分の考えの足りなさを反省してた。まあ、普通に戻ってたから大丈夫だよ、多分」

 

 

「うーん、なんか、俺は俺で罪悪感を感じるんだが…」

 

 

「土佐も大仙も仕込んだのお前だからな…大仙は直接じゃあないけどさ」

 

 

「まあ、そうなんだが…なんかな…」

 

 

「大丈夫だって、神通はいつまでも引きずるタイプじゃあないから。戦訓として覚えてるかもしれないが」

 

 

「…まあ、そうだな」

 

 

「てか、今日は改二改装の関係で改二実施者と明石は休みか……今日の勤務表がヤバイな」

 

 

「まあ、仕方ないって、特に明石は」

 

……本日の勤務表、全体的に白(休日)が多い。

 

 

「……何も無い事を祈ろうぜ」

 

 

「……あぁ、だけど、こんな時ほど…」

 

高塚の言葉に滝崎が何かを言おうとした時、廊下から誰かが全速力で駆けてくる音が聞こえ、次の瞬間、執務室のドアが乱暴に開かれた。

 

 

「た、大変や! 大変や!! 副官!!!」

 

そう言って寝間着姿の龍驤が執務机の滝崎に飛び上がらんばかりに迫った。

 

 

「な、なんだ、龍驤? 寝間着のままでどうした?」

 

 

「そうだぞ、龍驤。寝間着も直さないで。寝間着から胸がみe…胸が……胸!?」

 

やっと気付いたのだ…龍驤の胸が大きくなっている事に…。

 

 

 

 

暫くして 医務室

 

 

 

「結論から言う、龍驤の胸は『本物』だ」

 

医務室で先ほどまで龍驤の胸を触っていたエーディトが断言した。

 

 

「なあ、龍驤の改二は知ってるが…なんでウチのところだけ?」

 

 

「あー、多分、俺が戦前に改装したのが原因かと…」

 

 

「「「あぁ、なるほど」」」

 

何故か納得出来たとエーディットや松島宮、高塚も頷いた。

 

 

「はい、診察終わりましたよ」

 

そう言ってウェルスタが診察室から出てきた。

 

 

「どうだ、ウェルスタ?」

 

 

「身体に異常はありません。胸の件は多分、改装による物かと」

 

松島宮の問いにウェルスタが言った。

そして、3人の視線は滝崎に向く。

 

 

「………ご迷惑お掛け致しました」

 

 

「いや、滝崎が謝ってもな…と言うか、これは不可抗力と言うやつだろうに」

 

 

「そうね……うむ、そうだ、そうだ」

 

 

「まあ、仕様なら仕方ないわね。さて、仕事の続きと」

 

微妙な雰囲気になり、解散となった。

 

 

 

その夜 居酒屋鳳翔

 

 

「……で、図々しくもここに来て取材とは良い度胸だな、青葉」

 

 

「いえいえ、これは…痛い! 痛いです! 副官!!」

 

朝の一件もあり、久々に高塚と鳳翔で飲んでいた滝崎に曰く『副官が艦艇時代に龍驤を豊乳改装させていた、との事実の取材』に来ていた青葉。

少しキレ気味に頭を抑えると額に親指を当ててグリグリ回す滝崎。

 

 

「おーお、自業自得だ。鳳翔さん、ノンアルカシスオレンジ。青葉にはお手拭き」

 

 

「はい、少々お待ち下さい」

 

隣に居た高塚が呆れ気味に自分の注文とお手拭きを出す様に伝え、鳳翔は何時もの笑顔で注文の物を作りに行く。

 

 

「ふん、誰だよ、そんなガセを流したバカは?」

 

 

「えーと、私の想像d…わ〜、副官サン、冗談ハ止メテ〜」

 

青葉の言葉に滝崎は無言で笑みを浮かべながら懐から14年式拳銃を取り出し、額に突き付ける。

 

 

「はぁ、バカも自業自得も行き過ぎだな」

 

 

「納得してないで助けて下さいよ!」

 

 

「アホか。そもそも、弾倉が入ってない拳銃に気付かない時点で修行が足りてないよ」

 

 

「え、あ、あー…でも、目は殺気満々でしたよね!?」

 

 

「自業自得だろうに」

 

こちらも呆れ気味に拳銃を懐に直す滝崎。

 

 

「うぇー、こんな世界を破滅させても眉一つ動かなそうな殺気を出す人とは思えませんね〜」

 

 

「訳がわからんよ。つーか、なんで勝手にそんな人間になってんだよ」

 

 

「だって、副官でしょう? 『支那共産党トップの暗殺を提案した』のは?」

 

青葉の言葉に滝崎も高塚も一瞬固まる。

 

 

「まあ、私も記者の端くれ…と申したいところですが、実はフッドさんからの直聞きです」

 

 

「フッドさんか…まあ、仕方ないやな」

 

 

「フッドさんが青葉に話した事が意外だよ」

 

青葉の白状に滝崎は納得し、高塚はツッコミを入れる。

 

 

「えー、そう思います?」

 

 

「「うん、思う」」

 

 

「そんな〜!!」

 

 

……そんなこんなで夜は更けていった。

 

 

 

じごへ




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