転生先が平賀さんな件   作:スティレット

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 今回時間が空いたので早速書き上げました。後何話かな。


フルボッコ

 三国巡りから一週間。魔術の公表と平民向けの学習院、そしてアカデミーの設立が電撃的にトリステイン、アルビオン、ガリアで同時に行われた。発表は各王と王族が行い、同時に大隆起のことも発表された。これの解決策とその後の問題など、メリットとデメリットも取り上げられ、トリステインは反発を災害予防に対する日和見、もしくは妨害行為として爵位剥奪などを行い、一方で学習院を積極的に建てようと立候補した貴族には剥奪した土地や権利などを与えていた。ガリアは手紙越しだが一気に鎮圧したらしい。ついでにくすぶっていたシャルル派の為にもシャルロットの復権、イザベラとシャルロット、将来どちらかを宰相とし、その国旗と同じく支えあう杖のようにあるべし。と、ジョゼフは発表したとか。これで名目がなくなってしまったシャルル派の中で、それでもジョゼフやイザベラが気に喰わない一派は粛清したとか。おお怖い。アルビオンは厳密な免許制を実施し、免許対象者には契約を行う。違反者は契約により呪いが発動し、相応の罰を受けることとなった。

 

 水面下で進めていただけあり、ゲルマニアとロマリアは驚愕した。特にロマリアは三国を異端扱いし、聖戦の前の肩慣らしと言わんばかりに宣戦布告したのだ。正直に言おう。無謀すぎる。

 

 ここでトリステインピンチじゃね?って思うところだが、地理で言うとガリアとロマリアは火竜山脈を挟んでガリアが北、ロマリアが南の半島に位置している。トリステインはガリアのさらに北、トリステインも倒すためにはガリアを潰さなければいけないのだ。

 

 異端扱いを受け、宣戦布告されたガリアはそれを受け、威 力 偵 察 に ヨ ル ム ン ガ ン ト を 使 い や が っ た 。

 

 今回原作と違い、ルイズのエクスプロージョンを受けていないがカウンター自体はかかっている。スクウェアやそのさらに上、ロマリアお得意の賛美歌詠唱では歯が立たなかったのだ。いや、焼入れ自体はしたのかもしれない。何しろジョゼフのことだ。俺たちがどうやってタルブでの旗艦を鹵獲したか知っているはず。その上でリコードのヒントをやった。つまり、自分が同じことを出来てもおかしくは無いとエクスプロージョンを習得してると考えるのが当然だろう。あいつ公式チートだし、最近全力を出し始めたし。もうグラン・トロワで見た目ニートでもやってろって言うレベルである。

 

 さらにヨルムンガントの燃料である風石を異端同士であるアルビオンから輸入し両用艦隊にこれでもかと積み込み、約半数を補給艦とした。

 

 そして最初の衝突でジョゼフ率いるガリアのヨルムンガント騎士団が徹底的に敵をすり潰し、ロマリアは敗走していった。俺たちいらないんじゃね?

 

 事実、トリステインとアルビオンは補給と国境の警備を依頼されただけだった。怠っては居なかった兵站をさらに分厚くしようとしたのだ。トリステインからは食料、アルビオンからは風石を。兵站が強靭になったガリアは両用艦隊に武装を積みなおし、地上はヨルムンガントが、空は両用艦隊が居座り、歩兵などの足の遅い部隊は十分な準備期間を得てからヨルムンガントの後から半年は戦える物資を持ってやってきた。前回の戦争ガリアはとどめ刺しただけだからね。二国も派兵しないわけには行かないためアルビオンからはともかく、トリステインからはそれなりの数の兵が送られ、そこからロマリアにとっての地獄が始まった。

 

 トリステイン、アルビオン、ガリアが昼夜問わずに攻撃をしかけたのだ。こちらは完全なローテーションと人員分けを行い、しっかり食べ、しっかり休息を取る。一方あちらは食事を取る間もなく迎撃に駆られ、ろくに寝かせても貰えず、ぼろぼろと鍍金が剥がれ落ちるように削られていった。おまけにゲルマニアはトリステインの東、ガリアを挟んでロマリアとはハルケギニアでは北に位置するため、助けに来れない。ヨルムンガントで余った人員を国境の警戒に当たらせた。トリステインも同様で、空は余っていたアルビオン艦隊が行った。三国が一国を動かないように警戒する程度、しかも相手は始祖の血が入っていないゲルマニアである。動けなかった。ついでに言うと国境が封鎖されていて、まだゲルマニアはロマリアに加勢すると公表してなかったのでキュルケも学院でのんびりしていたらしい。

 

 そんな兵糧攻めと連日行われる襲撃、しかもそれが三国分プラスヨルムンガント。一月も経たず、贅沢に慣れきっていたロマリアの修道士達は音を上げた。

 

 そもそも最初の一合目で聖騎士団がほぼ壊滅してしまったのだ。ロマリアには一応他の部隊も居たが、一番強いのが賛美歌詠唱の使える聖騎士団だった。そして篭城戦を攻める基本、戦力の3倍を優に超える軍勢を持って無理せず攻めていた。そもそも現在のロマリアはヴィットーリオが進めた改革により、「光の国」と言われるロマリアに矛盾を減らすために、炊き出しを増やし、大聖堂を開放し、子供達を教育している。ジュリオなどもその一人だ。あの801コンビがよかれと思ってやった政策が兵糧攻めを加速させる。

 

 だが、最後の一矢とばかりに今度はその浮浪者に急造品の先をとがらせた木の槍を持たせ、鎧すら着せず、反撃を仕掛けてきた。

 

 満腹で休息を十分に取ってる兵団&巨大騎士人形と空腹で武器も貧相な浮浪者部隊。どちらが勝つかは明白だった。だが何割か削ったところで降伏するだろうと思っていたのだが、その目に狂気の光を宿し、最後の一兵となるまで向かってきた。理由はすぐにあきらかとなる。

 

 既に食料が尽きていたのだ。修道士は贅沢を捨てきれずに維持し、浮浪者は残飯を漁らず炊き出しに並ぶ。結果、無駄に捨てられた食料が腐敗し、粗末な部隊に狂気が宿った。交易を断ち切られ、孤立無援となった宗教国家の末路である。

 

 俺は英雄としての名声があるが、俺の部隊は隊長の俺の他は竜牙兵やバハムート、キングベヒんもスだ。人間の指揮は面倒なんで自力で編成して認めさせた。基本遠くから打ち漏らしをスナイパーライフルや竜牙兵に持たせたマスケット銃で片付けるだけで、バハムートとキングベヒんもスの爆撃により暇をしていたくらいである。あの二頭を見て立派な風竜に乗ったジュリオらしき人影を見たが、竜ごと爆風に呑まれてお陀仏となった。残念だったな。そいつら動物じゃないんだ。

 

 惜しい奴だったが今回敵だったからもう仕方が無いと考えながらも吹き荒れる爆風。時間になったら攻撃をやめ、休憩を取る。休憩時間となったら消費した属性石を食べさせたり、適当に過ごしていた。今回も竜牙兵はフルプレートだが、一切しゃべらないしキングベヒんもスは居るわで怖がられているのだ。ちなみに阿修羅ビットマンは学院の防衛に回している。

 

 そんな中でも隊長として報告するついでに王族連中と話が出来たので、ルイズやアンリエッタと話をして気を紛らわす。もうルイズは次期女王だし指揮を執る必要は無いのだ。むしろ危ないので俺の功績上げの為に下がらせた。お供のシエスタもルイズに付けてある。功績は不気味さに比例して敵に被害を与えているので俺は与えられた勲章も数多い。特にバハムートとキングベヒんもスが属性石食うせいで意外と出費が痛いけど。

 

 まあ、俺が出撃するたびにロマリアが更地とクレーターだらけになり、除々に半島の端に追いやられていったわけだ。ヨルムンガントは防御力、回避力が秀でているが、遠距離攻撃はバリスタか大砲だし、近距離も剣というか柱と言うかそのようなものを振り回すだけだから二頭と比較すると高いとは言えない。いかん、パワーインフレのせいで麻痺してきた。

 

 俺は英雄だったからこうやってロマリア攻略に回されているが、水精霊騎士隊は学生で今回余裕がある為トリステインに残っている。俺が七万を撃破したというのもあるんだが。

 

 まあ、そうやって複数の条件が重なり、あっけなくロマリアは陥落したわけだ。

 

 結局ヴィットーリオには会えなかった。完全に絶望してしまって廃人らしい。頼みの綱のジュリオがやられたのも痛かったかな?まあ、各個撃破は基本ですから。

 

 後はビダーシャルの報告を聞いて、大隆起をなんとかするだけだ。ヴァリヤーグは門を管理しているエルフがなんとかするだろう。民族間の溝は大きい。俺個人の付き合いならともかく、国同士の付き合いに尽力するだけの気力は無い。正直言って宗教はもうこりごりだ。終わったらルイズのワールド・ドアで一度帰ろう。そうして報告するんだ。ルイズと結婚するって。一夫多妻化してるから父さんと母さんに何言われるか分からないけど、そのときは結婚する全員を連れて行こう。報告してルイズの精神力が貯まったらまたハルケギニアに戻って、たまに地球に顔を出せばいいさ。うん、それがいい。




 あまりの戦力差にロマリア終了。ジュリオは助からなかったよ。残念だったね。ヴィットーリオは一応教皇だし生かされるかも。流石にロマリアはもう続かないかもしれないけど。

 エピローグ挟んだ後蛇足編やるって言ったら需要ある?

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