転生先が平賀さんな件   作:スティレット

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 昨日頑張りすぎて肩が痛いので、今回は軽めです。


おれはしょうきにもどった!

 水の精霊の涙を無事手に入れ、相変わらず狂気な発言をしているギーシュを嫌がるモンモランシーの馬の後ろに乗せ、俺達は学院に帰った。キュルケとタバサは報告があるらしく一足遅くなるらしい。

 

「さあ、ギーシュ、これを飲みなさい」

 

 壜いっぱいの水の精霊の涙をモンモンに少し分けてやり、早速解除薬の製作に取り掛かった。今回は俺の責任もあるので、共同製作だ。

 

「うはwwwおkwwwwwマイハニーの言うことならww僕ちゃん何でも聞いちゃうよwwwwwwww」

 

 そう言って異臭のする液体を躊躇なく飲んだギーシュ。狂気に飲まれてるけど漢だな。

 

 そして―――。

 

「AMSから、 光が逆流する! ギャアアアアアアアッ!!」

 

 と、言い残しその場でぶっ倒れた。お前AMS手術受けてないだろうに。

 

「多分これで大丈夫でしょう。お疲れ様でした。では、ミス・モンモランシ、起きるまでギーシュと付き添いますか?私は今回の失敗を解析したいのでしばらくここに居ますが」

 

「付き添うも何もここ私の部屋じゃない。でも、何がどうなったかはちょっと興味があるからギーシュが起きるまであなたが居るのを許可してあげるわ」

 

「恐れ入ります」

 

「これで任務も一件落着ね。でも、レコン・キスタの首領なんて今の私達だけじゃ手に余るわよ」

 

 ルイズの意見も最もである。

 

「それは前回の奇襲に失敗したレコン・キスタはロマリアにも睨まれるからもう後が無い。そうなれば、降伏か、3国を相手にした玉砕だが、たとえ降伏しても水の精霊の秘宝をはじめとした罪が多数、しかも重いものばかりだよ。よって残るは玉砕。俺達は戦果を出しちゃってるからね。普通の学生ならともかく、徴兵される可能性が高いんだ。だから、それに乗じて秘宝を取り戻す。報告もあるし、殿下達に今回の水の精霊との約束を伝えるつもりなんだよ」

 

 ここにはルイズと俺、モンモランシーと気絶しているギーシュしか居ないため、話せることは話す。唯一あんまり関係の無いギーシュは気絶していて起きる気配が無いし、モンモランシーも任務に関わったから構わないだろう。

 

「そう、あんたが温存したほうがいいって言ってたのはそういうことだったのね。分かったわ。ふふっ」

 

「なんだか最近のルイズが怖いんだけど」

 

 モンモランシーはそういうが、今までの反動と、これから自分がどう動けば良いのか考えているだけだから。趣味と実益を兼ねているなんて素敵じゃないか。

 

「そう思うのであれば今後はもうゼロと呼ぶのは控えればよろしいかと。以前オーク鬼を吹き飛ばしたのを見たでしょう?」

 

 お宝探しの時の事を思い出し顔を青くするモンモンを放っておいて、早速ギーシュの解析を始めた。お、これくらいならルイズと話しながらでもなんとかなりそうだな。

 

 

 

 今回で手痛い失敗を学んだ俺は今、改めてノーパソや手書きのメモに書きとめてある原作知識を補完、乖離した点から今後の方針を見直しつつ、ギーシュとマリコルヌを鍛えていた。

 

「こんな清々しい気分は生まれて初めてだよ。もう怖いものはない!」

 

「ぜー、はー」

 

 ラグドリアン湖に向かう時ゴーレムでフラジールを再現したギーシュは行きの際のクイックブーストを始めとしたネクスト機動でトライアングルに上がった。それで有頂天になるのは良いが、フラグを立てるな。その一方でマリコルヌが、必死の形相で追従している。立ち止まると俺が尻を蹴飛ばし罵倒するので止まれないのだ。

 

 しかし海兵隊式ばかりではマリコルヌが微笑みデブになってしまう。飴を与えるか。

 

「いいか、そのまま聞け、マリコルヌ。その苦しみ、その筋肉痛はお前のまだ見ぬ彼女がくれたものだ。お前が苦痛に喘ぎながら一つ鍛えるたび、まだ見ぬ彼女が近づく。ただし彼女も歩いているんだ。お前が苦痛を拒絶し鍛えるのをやめたら、彼女は歩いていってしまう。彼女が欲しいか!?」

 

「イエス、サー!」

 

「なら甘んじて受けろ!むしろ彼女とのスキンシップだと思え!彼女は少々加虐趣味なだけだ!」

 

「イエス、サー!」

 

 酸素が足りず考える力が弱まっているマリコルヌへ言霊を送る。俺の技能も相まって実際に効果が高い。それを証拠に、青い顔をして吐きそうだったマリコルヌが、顔は青いままにやけ面を晒しだした。

 

「こんな卑しい僕を、一瞬でも「嘘つきの鏡」なんかに浮気しようとした僕を許してくれ!もっと僕の罪を清めてくれ!もっと、もっと苦痛を、君の証をくれ!ああ、はぁ、はぁ、あああああ!」

 

「彼、大丈夫なのかい?」

 

 流石のギーシュもこれにはドン引きである。だけど、お前もモンモンとたまに似たような空気出してるぞ。トリステインの貴族の女はツンデレのツンの比が高いからな。

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

 以前から俺と鍛えていたギーシュは割りと平気な顔だが、マリコルヌを気の毒な目で見つつ走り込みを続けるのだった。




 ギーシュが肩に跨っていたフラジールの大きさは2メートルほど、実際の二脚ネクストは10~15メートルほどの大きさらしいので、急激なGでブラックアウトはしませんでした。

 マリコルヌはMにしてSなので、このような結果に。この変態が!(セレン並感)

 追記

 嘘つきの鏡

 原作でセーラー服で女装してマリコルヌが擬似ナルシストプレイする原因となったマジックアイテム。美しいものを醜く、醜いものを美しく見せるらしい。ジョークアイテムのようなものなので、学生でも入れる普通の倉庫にしまってある。彼は鏡の自分がとても可愛い男の娘にでも見えていたのだろうか?

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