やはり比企谷八幡の掃除の仕方は間違っている。   作:眠り羊

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やはり比企谷八幡の評価は間違っていない。

集合場所に行くと何人かの先生がいて班分けをしていた

「またこの類の弊害が発生するのか・・・」

俺がうんざりしていると、俺の事を思い出したのかニッコリしてない雪ノ下がため息混じりに指摘する

「はぁ、良く見なさい、先生方は何か用紙を持って点呼を取っているわ、既に班は決められてると思って良いわ、後は担当の先生の所へ行けば良いだけよ」

「もう決まっちゃってるのかぁ、同じ班になれるかなぁ?」

ニッコリしないで不安げな由比ヶ浜が言う

見ると5、6人の集団のようだ

「恐らくだけど部から来た人は同じ班にしてるんじゃないかしら」

それだと気を使わないで楽なんだが楽してやり過ごすことが出来ないんだよなぁ・・・

「さて・・・担当の先生は、っと」

ぐるりと周囲を見渡す

「雪ノ下こっちだ」

雪ノ下が声をかけられた、見ると平塚先生がこちらに向って手を振っている。

どうやら先生が担当のようだ、隣にめぐり先輩と一色もいる、同じ班なのか?

 

「先生、うちらの班はこの5人ですか?何だか作為を感じるんですが・・・」

「いや、もう一人いるんだが、ん、なんだ?比企谷は不満か?」

やれやれと困った顔をする

「・・・いえ、そうでは無いんですけど見知った顔ばかりなので、気になっただけです」

これだと気配を消して楽にやり過ごすことが難しい

「え~、良いじゃないですか~私の意見なんですよ?問題児を生徒会会長と元生徒会会長が見張るという素晴しい布陣ですー」

一色の差し金だったか、なんか今日は一色に見通されてる感じがして怖いな

「てゆーか問題児って誰だよ・・・」

この学校、異世界から来た特殊能力者とかいんの?

「先輩しかいないと思うんですけどー」

ニコっと笑いながら言った

「なんでだよ、俺は目立たないように学校生活を送って来たつもりなんだが」

シラーっとした表情で雪ノ下と由比ヶ浜が俺を見る

めぐり先輩は困ったように笑っている

え?何なの?俺の人格がもう一つあって、そいつが何かしちゃってるの?何ールパンナちゃんなの?

「比企谷もう少し自覚を持ちたまえ、件の文化祭や体育祭での行動は問題視されていたんだぞ」

なん・・・だと・・・

でもまぁ考えてみれば文化祭は相模のとりまきーずのせいで結構噂になってたからなぁ、先生の耳に入るか。

体育祭は・・・見てる先生は見てるか・・・。

げんなりした、これからは大人しくする方向で行こう・・・いや、今までもそのつもりだったんが、何かがおかしい・・・

「そーいやもう一人って?」

と聞いてから、とてつもなく嫌な予感がした。後ろから無駄に良い声がする。

「はちま~ん!」

・・・嫌な予感が当ったようだ

「フハハハ、遅いではないか八幡、待ちくたびれたぞ!」

いや遅れて来たのはお前だろ

「なんでお前がいるんだよ材木座」

「ふっ愚問だな、八幡いるところに我有り・・・古より続く盟約ある限り我と八幡は永遠の相棒よ!」

強敵じゃなかったのかよ、てか体育の時に言った事をいつまでも大儀のように振りかざされても困るんだが

「で、一色、あいつ本当になんでここにいんの?有志って柄じゃないし部活も入ってないだろ」

「何かさっき暇そうだったんで先輩も来ますよ~って言ったら「ばらんぬ、ばらんぬ、なら我もいくしかあるまいな!」とか言って参加してくれましたー」

だから何でそんなに俺の事好きなんだよ、普通に引くわ

「さて揃ったようだし、それじゃぁいくか。」

燃えるゴミと燃えないゴミの袋を数袋ずつ、それと軍手を平塚先生が渡してきた。

コースは、どうやらこの班はマラソン大会の時の道を行くらしい

予定では1時間かけてゴミを拾い、時間が来たらそこから戻ってくるというものだった

 

「しかし各グループに先生が付くって、先生方も暇っすね」

「仕方あるまい、折角校外清掃という良いことをしているのに、買い食い等のサボっている所を見られて悪い噂が流れたりしたら学校側も堪ったもんじゃないからな」

それは本末転倒だなぁ

「あぁ、そーゆーことして騒ぐバカな奴らいますもんね。」

ジロリと皆がこちらを向く

「ちょっとまて、なんで皆俺を見るんだ、俺はそんなマネしないぞ」

「騒いだりしないで、ちゃんと気配を消してバレないように気をつけるっつーの」

やば平塚先生と話してたんだった・・・チラリと平塚先生を見ると顔をひくつかせている

「比企谷ぁ、歯を食いしばれ!」

平塚先生の愛の鞭と言う名の鉄拳制裁が飛ぶ

「衝撃のっ!ファーストブリットーー!」

ぐはっ、腹に思いっきりヒットした、だから歯を食いしばる意味・・・

雪ノ下がこめかみに指をおき、ため息をつく

「そうね比企谷君の場合はそんなこと出来ないものね、騒ぐのは相手がいないと出来ないですものね。でもね比企谷君?」

雪ノ下が澄ました微笑で言った

「そんなことしなくても、あなたの場合普通に立ってるだけで悪い噂が流れると思うのだけれど」

この状況に追い討ちとか鬼すぎる

「そうですよねー、だから生徒会会長が見張ってないと~」

とニコっと一色が同意する。

「ふんむ、そうだぞ八幡カッカッカッ」

いや材木座お前も同じだろ

唯一、由比ヶ浜がフォローを入れる

「だ、大丈夫だよヒッキ-、きっと話せば判ってくれるって!」

「いや、話さないとわからねーのかよ・・・」

フォローじゃなくて追い討ちだろそれ

やはり由比ヶ浜は由比ヶ浜だった。

「あははは」

とめぐり先輩は満面の笑みを浮かべた

 

パンパンと先生が手を叩くと真面目な口調で常套句を言った

「ほら皆、口を動かさないで手を動かせ~」

はーいと各々が返事をして作業を始める。


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