やはり比企谷八幡の掃除の仕方は間違っている。   作:眠り羊

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やはり一色いろはのあざとさは間違っている。

着替えて荷物を部室に置き外へ出る。見ると一色が笑顔で葉山と話をしていた。

なんとは無しに話が聞こえてくる。

「一年なのにみんなをまとめなくちゃいけなくて~」とか

「いつもお世話になっている近隣の方々にも喜んで頂けるように~」とか

いや、それさっきめぐり先輩が言った言葉だろ・・・俄仕込みにも程がある。

一年生で皆をまとめて、まじめに学外清掃しているけなげで可愛い私を演出したいのだろう

葉山にもバレバレだと思うんだが意味あんのそれ?

一色に集合場所を聞こうと近づいていくと葉山が気付いた

「やぁ、奉仕部は君が参加するのか?」

爽やかに問われた、普通に俺に話しを振るとか葉山まじいいやつ・・・ってだけでもないか、まぁ一色をかわしたかっただけともいう

「あぁ、いや奉仕部は全員参加だ」

「最初は先輩だけのはずだったんですけどね~、何時の間にかというか、予想通りというか~」

一色が会話に混じってくる。

「予想って・・・あれは無理だろ」

それともお前、千里山の病弱なエースなの?

あれを予想出来るとしたら、めぐり先輩本人か、俺だけだ

またズキンと心臓が傷む、これは本格的に虚血性心疾患かもしれない

だからたぶん学外清掃を休んでも怒られない、良かった学外清掃をサボる子なんていなかったんや、と不参加の口実を考えていると

「いえいえ~、先輩がくるなら、お二人ともくると思ってました~」

「まぁそうかもしれないな」

葉山も頷く、一色が水を得たりと、ですよね~と素早く相槌を打つ

「それは無いだろ、散々言われたあげく放り出されて終わりだと思うぞ」

俺が言うと、ニコっと笑いながら、それは先輩をどう誘うかによりますよ~と答えた

「どう誘うか?確かお前あの時・・・」

あの話になる前、どうだったっけ?

「あー確か綱引きしてたよな俺の腕で、あれがその方法なの?それで二人がくるの?それはないだろ」

一色が愕然とした表情になる、何その顔、覚えがあるんですけど・・・俺が中学の頃空気の読めない発言をすると皆なってたやつだろそれ、死ねばいいのにって感じのやつ

いや、クラスの奴ら何言ってもそんな顔になってたんだけどな・・・死ねばいいのかな・・・

「せ、先輩はあれがそーゆー風にしか思えなかったんですか!?」

いや、まぁ綱引きにしてはやたらと柔らかくて良い匂いはしていたが

「え?違うの?」

と言うと、もういいです、と拗ねてしまった

それを見ていた葉山は爽やかに笑うと、部活があるからとグラウンドに戻って行った

 

「もう、良い雰囲気だったのに邪魔しないでくださいチッ」

「お、おぉ」

葉山がいなくなった途端舌打ちとか、何なのその変わり身の早さ、お前悪は絶対許さないセリュー・ユビキタスなの?

あからさまに態度違い過ぎるだろ、俺の前でも仮面被ってろよ、傷付いちゃうよ?

それに良い雰囲気というより、押しが強すぎて、葉山も対処に困ってた気がするんだが

「で、何か用ですか?」

「あ、ああ、そうだどこに集まればいいんだ?」

「まだ時間じゃないんでその辺にいて下さい、呼びにいきますんで」

まだ不機嫌だった。

「あのなぁ葉山との会話を邪魔した悪かったがいいかげn」

「はぁそれが大半ですけどそれだけじゃないんですよ」

まぁ先輩には分からないでしょうからもういいです、と手を振ってシッシとあっち行けをされてしまった

わけがわからないよ

まぁまだ時間があるんじゃしょうがない、その辺と言われれば一つしか行く場所がないな、ふふふ、と歩きながら笑みを漏らす

どこからか、何あの人キモいと声が聞こえる・・・ぐっ無駄にダメージを負ってしまった

しかしめげないぜ、なぜなら行かねばならない場所があるから!そう、、、天使が住まう場所テニスコートへ!

 

テニスコートへ向うと天使がいた

氷の女王の側にいるビッチと話してたようだが、俺を見つけると優しい笑顔で手を振っていた

「はちま~ん」

「戸塚~」

何これすげードキドキする、これが恋なの!?

ビッチがうわーと呆れた声を漏らすと氷の女王がはぁと額に手をやり溜め息をついた

「なんでさいちゃんの時だけそんなに態度が違うかなー」

ビッチが聞くので俺が言ってやった

「はぁ?いつもと一緒だろ、目ぇ腐ってんのかこのビッチ!」

「な!?ひど!ビッチ言うなし!てか目が腐ってるのはヒッキ-でしょ!」

ぐっ、飛んだブーメランだった。ふふんと由比ヶ浜が勝ち誇っている。

そんな俺達を見て天使が囁いた

「ダメだよ二人とも喧嘩しちゃー」

「もう、八幡?ちゃんと謝りなよ?」

しょうがない、天使に言われては謝るしかないな

「あーごめんごめん、ビ、由比ヶ浜」

ヒッキ-てきとーすぎー、かるいしビとか言ったし~と由比ヶ浜がごにょごにょ言っている

「ほーら、由比ヶ浜さんも」

戸塚が促す

「え?私も?えー、うー、、、なんか、ごめん」

顔は下を向きつつ照れながら上目遣いで言った

「お、おぅ」

何でそんなにしおらしいんだよ、大天使戸塚様の前なのにドキっとしちまったじゃねーか

「良かった、これで仲直りだね」

ニコっと戸塚が笑った、いや、天使が微笑んだ

「由比ヶ浜さんに聞いたけど、奉仕部は皆で学外清掃するんだね」

「おぅちょっとなり行きでな」

戸塚が残念そうな顔をする

「そっか~、八幡がやるなら部からは僕が出れば良かったなぁ、ごめんね八幡、一緒にいけなくて」

と天使可愛いことを言った

戸塚マジ天使

「何、ゴミ掃除なんて、戸塚に比べればゴミのような俺達がやれば十分だ!」

あなたと一緒にしては欲しくないのだけれど、と言う顔で雪の下に睨まれるが気にしない

すると戸塚が顔を赤らめながら言った

「えーそんなことないよ!八幡はかっこいいよ・・・」

「せんぱーい」

「せんぱーい?」

見つめ合う俺と彩加、そして二人は・・・

「せんぱいってば!もう時間なんですけど!」

後ろから声をかけられ思いっきりジャージの裾を一色に引っ張られる

「ちょまて、今良いとこなんだから、ゴミはあっちに・・・」

「ひどっ!こんな可愛い子に向ってゴミとか!」

自分で可愛いとかいうな・・・意識も一気に現実に引っ張られた

一色は裾で手を隠し目の所へもっていくと、ペタンと座り、うわーんとわざとらしく喚く・・・何これあざとうざい!略してあうざい!

何お前ベトナムの民族衣装なの?

「はっ、しまった、ついつい戸塚を愛し過ぎて・・・」

近くにいる生徒からの、ジトーっとした視線が飛ぶ、戸塚も悲しげな顔で見つめている

違うんだ戸塚、俺が愛してるのは戸塚だけなんだ!

「いや、まて今のは、ゴミがあっちにあるから拾おうかな~って言っただけだ!」

言い訳にもならない言い訳をしてみる

「本当ですか?」

一色は上目遣いで、こちらに問いかける

どうやら何とかなりそうだ

「お、おぉ」

「私可愛いですか?」

いや、今それが問題じゃないだろ・・・と思い黙っていると

「やっぱりゴミなんですね・・・」チラッと半泣きで訴える

ヤバい、ここで泣かれたら戸塚にもどん引きされてしまう・・・それだけは避けねば

「いやいや、そんなことねーよ」

「じゃーちゃんと可愛いって言ってください」

「・・・か、かわいいよ」

「誰がですか?ちゃんと名前を言ってください」

このやろう・・・

「・・・い、一色は、か、かわいいよ・・・」

周りを見ると雪の下は冷たい視線で睨み、由比ヶ浜はぼーぜんとしていた

「先輩・・・キモいです・・・」

一色は引き気味に言った

何この拷問、いっそもう殺して!

他の連中は気が済んだのか、やれ男の方サイテーだの、一色さんて可愛いな、等と言いながら散って行く

「じゃー僕も練習に戻らないといけないから、もう行くね」

戸塚も俺に一声かけてニコっと笑いながコートに戻って行った

どうやら戸塚に引かれるというピンチは脱したようだ

 

いまだに座っている一色を立ち上がらせようと手を差し伸べると、一色がきょとんとする

あ、やば、立ち上がる時に手を貸すも、小町専用コマンドだった・・・

手を引っ込めようとすると、一色が慌てて両手で手を取り立ち上がる

「もう、先輩ってば何だかんだ言って私のことが可愛いくてしかないんじゃないですか~」

俺だけに見える位置にいると判ると素ではにかみながら言って集合場所へ戻って行った

瞬間、心臓の鼓動がはやまり、ドクドクいってるのがわかる・・・

やばい、誰か早く救心を!・・・葉山にもその素を見せた方が良いと思うんだがなぁ・・・

 

「時間だとさ、戻ろうぜ」

集合場所に戻ろうと雪ノ下と由比ヶ浜に声を掛ける

「さて、あなたはどなただったかしら、ねぇ由比ヶ浜さん?」

とニッコリ笑って由比ヶ浜に問いかける、ニッコリ笑ってるが何か怒りのオーラが見えるのは気のせいだろうか・・・

「さぁ?私もヒ・・・こんな人知らないですわ」

こちらもニッコリ笑って・・・いや目が笑ってないし、言葉遣いが怪しいんだけど・・・

何なの?皆ニッコリすると俺の記憶が消えちゃうの?それって何体のメソッドだよ・・・


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