IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~ IFルート(リメイク版)   作:ピーナ

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E-5攻略記念に。

いよいよなデート回です。
思った以上に長くなったので、二つに分けます。後編は近い内に。


第三十六話 少し積極的な彼女との初デート(前編)

夏休みも残り僅かとなったある日、僕は朝早くから学園と本州を繋ぐモノレール駅の前にやって来ていた。

そう、今日は虚さんとのデートの日で今は待ち合わせ中なのだ。そんな僕の今日のファッションは下はジーンズ、上は白のTシャツの上に深めの青色のシャツを重ね着している。ついでにアクセサリーとして胸元に相棒たちの待機状態がある。実はこの服、ミッドから帰ってきて翠屋でバイトしていたら現れた忍さんに渡された物だった。その時「八雲君は恭也と同じでファッションには無頓着でしょ? すずかから聞いたから、これをデートに使いなさい」と言われた。ぶっちゃけ、私服はジャージとTシャツしかないから言い返せない。私服じゃなければIS学園の制服と、管理局の制服と、バニングス家で貰ったスーツと、更識家で貰った紋付き袴がある。……礼服の方が多いってどうなのさ。なかなか和洋の礼服持ってる人っていないと思うし。彼女のいる男子高校生としてもう少しファッションとか興味持つべきなのかねえ。

僕が速く出て来た理由は虚さん以外の五人に部屋を追い出されたから。その時に「虚ちゃんを着飾らさせるから、楽しみに待っててね」と刀奈さんが言っていた。なので、ゆっくり食堂で朝ご飯を食べて、その足で待ち合わせ場所にやって来たという訳だ。

 

「おっ、お待たせしました!」

「いや、それほど待っていた訳……で……は」

 

声がしたから振り向いたらそこには女神が居た。いや、虚さんなんだけどね。

 

「どうしました? 私、何か変ですか?」

「い、いや、全然! 虚さんの姿に見惚れてただけです!」

 

我に返った僕はそう言う。女性物の服などさっぱり分からないけど、夏らしさを演出しつつも虚さんの持っている清楚な雰囲気を最大限引き出すコーディネートだと思う。

 

「そ、そうですか。……良かった」

 

最後の方は小さい声だったけど、確かに「良かった」と虚さんは言った。最後まで色々迷ってたみたいだし、自分の事って客観的に見にくいからなあ。この前自信が無いって言っていたからそれもありそうだし。

 

 

 

今日はいよいよ八雲さんとのデートの日。私は少し遅れてやって来たのですが、八雲さんは気にしていないようです。私としては心苦しいのですが、せっかくこの後楽しい時間が待っているのですから、水を差すのもどうかと思います。なので、謝るのは帰ってからにしましょう。

私が遅れた理由なのですが、私の今日の服を決める際のいざこざが大きな理由です。

 

 

 

私がちょっと早めの朝食を摂って部屋に戻って来た頃、丁度入れ違いで八雲さんは食堂経由で出発しており、部屋の中は5人の姦しい声が響いてました。

まあ、女子は大なり小なり着飾らせる事が好きなのでこういう時は必然と着せ替え人形扱いです。しかし、今回は

 

「どうして皆さん選ぶ服がこんなんなんですか!」

 

と思わず叫んでしまう物ばかりでした。悪乗りしたのはお嬢様、本音、アリサさんで具体的には下は超ミニスカート、上は肩出しへそ出し当たり前のタンクトップと肌の露出の多い物ばかりでした。お嬢様が選んだものに至っては下はホットパンツに上はチューブトップと私を痴女にしたいのかと疑う物でした。というより、タンクトップはインナーとして分かりますけど、お嬢様のチューブトップはどこから用意したのでしょうか? 

 

「だって~虚ちゃんのそのエロい体を活かさないと~」

「確かに私はこの中で胸もお尻も一番大きいですけれど! ひゃっ⁉ な、何をしているんですか!」

 

突然後ろに回り込んで私の胸を鷲掴みにするお嬢様。思わず変な声を出してしまう。

 

「むむっ、虚ちゃんまた大きくなったわね?」

 

確かに八雲さんに告白した後また少し大きくなりましたけど! 人体の不思議なんですけど!

 

「そうじゃ無くて! 皆さんも笑ってないで止めてください!」

 

私がそう言うとようやく簪さんとすずかさんがお嬢様を止めてくれました。

 

「お姉ちゃんたちの気持ちも分からなくはないけど、流石に虚さんがかわいそうだよ。自分が虚さんの立場になって考えてみてよ。その格好でデートに行ける?」

 

皆を諭す簪さん。苦笑いのすずかさん。その言葉に首を横を振る3人。……なら着させようとしないでくださいよ。

簪さんは以前はスタイルにコンプレックスを持っていたでこういう時沈んでいらっしゃったのですが、この一月ちょっとで出る所は出るようになっています。私と同じなのでしょうか?

ちなみに、胸の大きさを並べてみると私>アリサさん>本音>お嬢様>すずかさん>簪さんとなります。簪さんはこの中では一番小さいかもしれませんがそれでも今は平均以上はあるので、この空間が少しおかしいのです。ここに関係してくる身長はアリサさん>私>すずかさん>お嬢様>簪さん>本音となります。と言ってもアリサさんからお嬢様までは2~3センチくらいの差でほとんど変わりませんが。

 

「簪ちゃん、虚さんにはやっぱり清楚系が似合うと思うんだけど」

「私もそう思う。だから、露出を抑え目に、夏っぽい青系や白で……」

 

と、こうして簪さんとすずかさんのお二人は時々私の意見を取り入れつつ、どんどん私のコーディネートを進めていきました。

 

 

こんな感じで今日の私の衣装が決まりました。

八雲さんが褒めてくれたのでお2人には感謝すると共に他の3人の衣装にNOと言えて本当に良かったと思います。

 

「えと、八雲さんもお似合いですよ。普段とは違う雰囲気で」

「確かに。基本的に制服かジャージですからね」

 

八雲さんは身長は平均位(といっても高校に入って数か月規則正しい生活をしていたので数センチ伸び、170を超えたそうです)です。体重は平均以上ですが、体脂肪率は一桁という事で分かりますけどもの凄く締まった体をしているのでどんな服でも着こなせそうなのですが、本人が無頓着なので部屋ではジャージです。まあ、それでもカッコいいんですけどね。

なので、八雲さんは部屋のとてもルーズな感じか制服などのきっちりした感じかのどちらかなので、今着ているカジュアルな感じの服は珍しいです。以前、臨海学校の買い物に行った時は学園の制服でしたし。

 

「そういえば八雲さん秋物の服ってあるんですか?」

「あー……無いですね」

 

なんとなくそんな気はしていました。なので今日は当初の計画通り行きましょう。

 

「じゃあ、今回はお買い物に行きましょう。私の秋冬物と八雲さんの秋冬物を買いに行きますよ」

「僕のもですか?」

「はい。もう一月は夏物で良いでしょうが、そこからは秋冬物に切り替わっていきます。その時期に私や皆さんとデートする時の服も必要でしょう?」

 

しかも、その一月も学園祭とキャノンボールファストと行事が立て続けに有るので、デートに行くのは難しいでしょう。なので、皆さんと遊びに行く頃には今の服では季節に合いませんし、肌寒いでしょうから、確実に必要になります。

 

「ああ、確かに」

「だから、今後の為に今日行きましょう。ショッピングは王道のプランだと思いますし」

「……色々すみません」

 

八雲さんの今までの事情を知っている私からしたらこれ位は気にする事ではないと思います。

 

「気にしないでください。これも楽しみですから」

「……分かりました。それじゃあ、行きましょうか」

 

気を取り直した八雲さんは動き出します。その左手で私の右手を持って。

 

「や、八雲さん⁉」

「虚さん、美人ですから。こうやって僕の物だって周りに見せないと不安なんですよ」

 

その気持ちもあるでしょうが、今の八雲さんの表情を見るに私の照れている所を見たいというのが大きいと思います。

私達が押し倒した日から八雲さんは良い意味で開き直ったみたいで、最近は不意にストレートな褒め言葉を言って私達の反応を楽しんでいます。ビックリするので止めてほしいと思う気持ちも多少あるのですが、それ以上にその時に見せる悪い笑顔にメロメロなのです。そう考えると私も楽しんでいますね。

 

「それは私も同じです。だから……」

 

私は思い切って八雲さんの腕に抱きつきました。顔は熱くなるし、心臓も凄くドキドキ言っていますけど、

 

「ちょっ、う、虚さん⁉」

 

それ以上に八雲さんは面白いように取り乱しています。スキンシップなどは日常茶飯事なのですが。

 

「どうしたんですか、八雲さん?」

 

なるべく平静に聞き返しますけど、それでも少し声が上擦った気がします。

 

「当たってますって!」

 

……これとは比べものにならない位激しい事をやったのにこの反応ですか。まあ、あれは私達が押し倒してその途中で八雲さんの変なスイッチを押した結果だったのですけど。

 

「ふふふ、当ててるんですよ八雲さん」

 

らしくないと思いますが、今日一日は目一杯デートを楽しみたいです。これもその一環です。少し恥ずかしいですけど。

 

「さいですか……」

 

諦めたらしい八雲さんはこのまま歩き出します。いよいよ私達の初デートの始まりです。

 

 

 

凄く積極的な虚さんにドギマギしつつもデートは始まった。……当ててるんですって言ってた虚さんは普段とのギャップもあっていつも以上に可愛かった。

ただ、今現在僕の左腕、具体的に言うと肘の辺りは非常に幸せな柔らかい感覚を味わっている。これで少しずつですが確実に理性が削られているんだよね。それに、ショッピングモールに向かうにつれ周りの目線、特に虚さんという特級の美人を連れている僕への嫉妬の目線が増えている。

……もうごちゃごちゃ考えるのは止めるか。今はデートを楽しもう。場所は臨海学校の買い物にも来たレゾナンス。まずは虚さんの買い物からだ。

 

「意外ですね」

「何がですか?」

 

僕が何が意外だったか分かっていない虚さんは聞き返した。

 

「なんていうか女性の買い物って凄く時間とお金が掛かる物だと思ってたんですよ」

「中学の頃の友人や学園の同級生なんかはそういう子も居ますよ。私は買いたい物をあらかじめ決めてますし、衝動で欲しくなるって事もあまりありませんから、買い物は速い方だと思います。お嬢様や簪さん、本音もそんな感じですよ。ただ、四人で行くとお嬢様と本音が簪さんの着せ替えを始めて時間が掛かりますけどね」

「想像できますね、それ」

 

試着のわんこそば状態の簪と次々衣装を持って来て一つ一つに反応する刀奈さんと本音、それを止めようとしている虚さんって感じかな? その着せ替えショーも見たい所だけど、今日は虚さんとのデートだから僕の心の中だけで思っておこう。

会話をしながらも虚さんは自分が買いに来たものをどんどん選んでいく。時々、色や柄の部分で僕の意見を聞いてくるけど、僕の意見なんて参考になるのかねえ?

支払いも僕が出そうとしたけど、「これは自分の買い物ですから」と言われてしまった。……空回りしてるな。

その次には僕の買い物だったんだけど……

 

「とりあえず、これとこれとこれと」

 

虚さんが次々選んでいく。

 

「あの、虚さん? こんなにも要らないと思うんですけど」

 

そんなに毎日出かける訳じゃないから1、2セット位用意しておけばいいと思うんだけどなあ。

 

「そうですか? 詰まる所ファッションは組み合わせですから種類や色が多い方が楽しめますし、勉強にもなりますよ」

 

これは……僕にも興味を持ってほしいって事かな? まあ、彼女達と出掛けた時綺麗に着飾った横に相応しいような格好で居たいと思うしなあ。

 

「頑張ってみます」

 

結局、僕は秋冬物を大量に買った。幸いお金はかなり持って来ていたから楽勝に足りたけど。

っていうか、今日の為にお金を降ろしに行ったら、僕が気付かない内に預金が一桁増えてた。これはホラーじゃなくて入金先は彼女達の家で連絡したら婚約祝いだそうだ。……使うのは自分の貯金だけにして、結婚式やら皆との旅行やら本格的に入用な時の為に残しておこう。




デート回前編いかがでしたでしょうか?

そしてここで判明した八雲の巨乳好き説。まあ、完全に逆説的な物なんですけど。

彼女陣の身長及びバストサイズは僕の独断と偏見で構成されています。

僕の妄想の産物を垂れ流しておこうと思います。基準が刀奈さんになってます。

アリサ T162 B93/W60/H85
すずか T160 B88/W55/H86
刀奈  T159 B89/W58/H88
本音  T154 B91/W59/H88
虚   T161 B95/W63/H90
簪   T156 B84/W54/H82

皆さんはどの子がお好みですか? ……実際こんなスリーサイズの子は居ないと思いますけどね。ちなみに数値の参考にしたのは九巻の本音のセリフと、とらは3のすずかの姉、忍のスリーサイズです。

次回は後編。お昼ご飯から終わりまでの予定です。

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