最善の未来を掴むたった一つのさえたやり方   作:泰邦

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 初めての星5→ジャンヌ
 正月福袋→ジャンヌ
 一周年福袋→ジャンヌ

 ま た お ま え か !
 エロ同人みたいな目にあわされたいんかワレェ!

 獅子王ほ゛し゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!


第三十話

「ネギ君、今日は放課後に桜咲君と近衛君を連れて世界樹前広場まで来てくれるかい?」

「はぁ、それは構いませんが……何かの集まりでもあるんですか?」

「まぁね。今年はちょっとややこしいことになりそうだから。詳しいことはそこで学園長が説明するけど、ネギ君たちにも手伝ってもらうことが出てきた」

「わかりました。桜咲さんと近衛さんを連れて世界樹前広場ですね」

「うん。よろしく頼むよ──ああ、それと、アーチャーさんも一緒にね」

 

 高畑さんはそう言って朝食を食べ終え、席を立って超さんに支払いをしている。

 最近はずっと『超包子』で朝食をとっている。高畑さんにとっては使い道があまりないから余っているであろう金を湯水のように使い、普段家事を任せている俺を労っているつもりらしい。

 そういうのは別に必要ないのだがな……まぁ、感謝の意は受け取っておくだけだ。

 高畑さんと共に学校へと出勤し、挨拶を交わして書類をまとめる。ここ最近は麻帆良祭が近いせいか生徒同士の諍いも増えているようだし、高畑さんも含めて広域指導員は忙しい。俺は広域指導員ではないから最低限目が届く範囲のみだが、仲裁することも増えている。

 問題といえばそれくらいで、徹夜で作業する必要がない分うちのクラスは楽な方だろう。何せ外装はそれほど凝る必要もなく、衣装も大半は完成している状態だ。あとやることは前日に食材の仕込みをするくらいだろう。

 部活の方の手伝いもある。無理に忙しくする必要もない。

 

 

        ●

 

 

 そうして一日の授業が終わる。

 桜咲さんと近衛さん、アーチャーを伴って世界樹前広場へと歩を進めながら四人で雑談を交える。

 

「マスター、麻帆良祭の期間中は少々時間を頂いてもいいでしょうか?」

「構わない。だが、アーチャーがそういうことを言いだすのは珍しいな」

「とあるレディからお誘いを受けまして。勇気を振り絞っての誘いを断るなど紳士の名折れです」

「わ、アーチャーさんデートの誘い受けたんです?」

「……相坂さんか?」

「ええ。無論、何かあれば呼んで貰っていいのですが、基本的な空き時間さえあれば好きに見て回れますので」

「そうだな……」

 

 実際、アーチャーは本格的に事が起こるまでは自由にしておくのが一番だと俺は思っている。多少高い所に上れば麻帆良全域をカバーできる射程距離といい、戦闘においてはアーチャー以上に頼りになる存在はいない。

 が、反面戦闘行為以外ではあまり活躍の場はない。レンジャー技能などもあるが、現代日本でレンジャー技能を有効活用できる場などそうそうないだろう。

 犯罪行為の抑止という点で見ればアーチャーは目立つしいいとは思うが、霊体化出来る強みを消すことに繋がる。

 よって基本的に暇になるだろう。事件でも起こらない限りは、だが。

 

「……これから聞く学園長の話次第ではあるが、事件が起こらない限りはアーチャーは暇だろうな」

「ありがとうございます、マスター」

「そうなんですか?」

「まぁ、戦闘行為以外は余り役立つところもないですしね。相坂さんもうちのクラスの一人ですし、楽しんでもらえるように努力するのは教師の務めです」

「……うちのクラスに相坂さんなんていましたっけ……」

「さぁ……うちは知らんよ?」

「そうでしょうね。何せ幽霊ですし、隠密性が高いので僕でもまだ数度しか見たことがありません」

「幽霊!?」

 

 退魔の剣を振るう桜咲さんとしては聞き逃せない一言だったのか、目を見開いて驚く。近衛さんは近衛さんで驚いているらしいが、見たことがないためかイメージが固まらないらしい。

 エヴァは知っていたようだが、あのクラスで相坂さんのことを把握している人物は他にいたのか……ザジさんあたりならば把握していてもおかしくはないか。

 ともあれ、彼女の未練を断ち切って成仏出来るようにするのも俺の役目ではあるのだろう。やり方など知らないのだが、手探りでやるしかない。

 

「学園長も把握していたようですし、下手なことはしないようにしてくださいね、桜咲さん」

「はぁ……学園長が把握しているのなら大丈夫ですね。わかりました」

 

 何とも言い難い顔をしていたが、なんとか納得しようと頷いていた。

 退魔、祓魔を生業とする以上は納得しがたいことかも知れないが、今の桜咲さんの職業は学生だ。近衛さんの護衛という役職もあるが、この学園にいる以上は安全は保障されている。そう気負うことでもあるまい。……ナンパなどは流石に桜咲さん頼みになるかもしれないのだけど。

 そうこう話しているうちに世界樹前広場に辿り着き、そこにいた魔法教師、魔法生徒たちをぐるりと見やる。

 瀬流彦先生や高畑先生等見知った顔もあるが、知らない顔も多い。俺の行動範囲自体がそれほど広くないとはいえ、ガンドルフィーニ先生や葛葉先生などは見かけたことがある程度か。

 

「お、来たかの。待っとったぞ、ネギ君」

「お待たせしました」

「まずは彼ら彼女らの紹介からかのぅ。ネギ君、ここにいるのは麻帆良学園都市に常在勤務しておる小中高大の教師、教授職にして魔法先生、及び魔法生徒じゃ。ここにいる者たちで全員ではないがの──ではネギ君も自己紹介をしてくれ」

「はい。麻帆良学園女子中等部勤務、3-A担任のネギ・スプリングフィールドです。こちらは使い魔のアーチャー」

「とある事情により真名を伏しての紹介となりますが、平にご容赦ください。ネギ・スプリングフィールドの使い魔をやっているアーチャーです」

 

 綺麗に一礼をして注目を浴びるアーチャー。なんだかんだ言って俺は元より桜咲さんたちも慣れていたが、アーチャーは最高位のゴーストライナーだ。武人、魔法使いとしてそれなりに技量のある人ならば直感的に実力を悟ることが出来る。

 そんな存在を使い魔にしているというだけで、俺の名声は勝手に上がるという訳だ。求めてもいないものを勝手に与えられても困るだけではあるがね。

 続けて桜咲さんと近衛さんの紹介もあり、軽い御目通しと相成った。あちらからは個別に挨拶もあるだろう。

 時間もそれほどないのか、学園長が「さて」と声をかけた。

 

「今日諸君に集まって貰ったのは他でもない、世界樹のことについてじゃ」

 

 世界樹については最近様々なうわさが流れている。

 曰く、麻帆良祭最終日に告白すると必ず恋が成就する。

 曰く、世界樹の下で願いを言うと叶う。

 他にもバリエーションはあるが、おおよその話はこの二つを起点にしているとみられる。小太郎は同じクラスの面々が占いで一喜一憂していることを馬鹿にしていたが、子供だろうと大人だろうとオカルトに縋りたくなることはあるものだ。

 

「まぁ色々聞いとると思うんじゃがの、それ実は全部本当なんじゃよ」

「えっ」

「ええーッ!? 本当なんか!?」

「よ、よくある迷信なんじゃなかったんですか?」

「言いたいことはわかるがの、本当じゃよ。この世界樹と呼ばれてる木は真名を『神木・蟠桃』と言って、そのうちに莫大な魔力を有しておる。つまりは『魔法の木』じゃな」

 

 なんでも、その莫大な魔力を二十二年に一度放出しており、その影響で人の精神に干渉する魔法が勝手に発動するようになっているのだとか。

 高まった莫大な魔力は世界樹の周りの六か所の広場に強大な魔力だまりを形成する。広場で告白をした場合、その成就率は脅威の百二十%と言われた。

 一番マズいのは学園祭最終日らしいが、現段階でも軽度の影響は起き始めているようで、立ち入りの制限こそないが告白しないように見張りをするのが今回の仕事らしい。

 ……やはりアーチャーの力を借りる場面はなさそうだな。

 

「ま、今回の通達はこんなところじゃな。シフトは今行ったようにするつもりじゃが、ある程度意を汲めるので予定がある場合は先に言っておくように」

 

 それでは解散、と全員がバラバラの方向に歩きだし、同時に人払いの結界が解かれたことを知覚した。

 

 

        ●

 

 

 さてどうしようかと少し迷い、高畑さんと学園長先生がこちらに近づいてくることに気付く。

 

「どうかしましたか、学園長、高畑さん」

「うん。アーチャーさんのことなんだけどね」

「かなり強力な力を持ってるようじゃが、今回の麻帆良祭ではあまり力を振るわないようにと釘を刺しに来たんじゃよ。ま、ネギ君は聡明じゃし問題はないと思うがの。一応じゃ」

「今回の件でアーチャーが役立つ場面も早々ないでしょうから、自由行動を許すつもりではあります。何か問題はありますか?」

「ないとは思うが、アーチャーさんが告白されないようにね。彼を止めるのは至難の業だ」

 

 高畑さんが笑いながらそんなことを言う。

 大丈夫だろう。要は世界樹の魔力に指向性を与えただけだし、アーチャーにはそんなものは通用しない。対魔力もそうだが、勇猛のスキルもある。問題はないだろう。

 もし──もし仮にだが。

 アーチャーの対魔力及び勇猛のスキルを突破できるだけの力を世界樹の魔力が発揮できたとしたら、それは一つの希望でもある。

 世界樹はここにある一本ですべてではない。一本でサーヴァントの神秘を突破できる力を有するとすれば、世界中にある世界樹、あるいはその魔力だまりの力を使って"アリストテレス"の対抗策を生み出すことも可能かも知れない。

 もっとも、これらはあくまで可能性の話に過ぎない。現実はそう簡単に行くはずもないだろう。

 第一、麻帆良の世界樹は精神に影響を与えるだけの魔力しかばらまいていない。物理攻撃として使うには性質が違い過ぎる。

 

「その時は令呪を使ってでも止めますよ」

「令呪、とな?」

「三画だけ存在する絶対命令権です。今は見えないように細工を施してますが、三画ばっちり残ってますよ」

 

 ……令呪も、精神に影響を与える魔法とみていいだろう。魔法という言い方は違うかもしれないが、こちらでは神秘に関するモノは全て魔法だ。あの莫大な魔力の制御が出来れば、令呪の回復も可能になるかもしれないな。

 あるいは。

 あるいは、世界樹の魔力を収集し、新たに色を付けるための何らかのろ過装置があれば。そんなものが仮に存在するとすれば、恋の成就だけではなく別のことにも魔力を使用出来るかもしれない。

 そう、例えば──聖杯だ。

 




 獅子王欲しいんですけど書けば出るんですかね?(真顔)

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